2007.10.01
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カテゴリ: 彩の国 石仏閑話
 ニシキヘビほどの巨大な石造ヘビがトグロを巻く。三郷市早稲田・光福院弁天堂の前に置かれた石像だ。二体一対で、阿吽の区別もある。

 これは、弁才天の「使い」として、狛犬や稲荷のキツネと同じ感覚で設置されたものだ。弁才天は、河を神格化したインドの神。ヘビは河を象徴する生き物だから、ヘビとは無縁ではない。とはいえ、それだけでヘビが弁才天の使いとなったわけではない。

 稲荷の祭神・宇迦之御魂(うかのみたま)は「白蛇の化身」。また、穀神や福神として民間で信仰された宇賀神(うかじん)は「人頭蛇身」。しかも、「宇賀耶(うがや)」の語はインドではヘビを意味する。

 鎌倉中期に、これらの蛇神を強引に習合・合体させ、日本的に創り出したのが宇賀弁財天だ。このため、頭上に宇賀神が載り、稲荷鳥居を髪飾りのようにつける姿となる。

 当然、その霊験は、水神や五穀豊穣。さらに、吉祥天の福徳のシンボルである宝珠を弁財天に持たせて福徳円満を強調する。その容姿は天女形で端麗とする。

 江戸時代には、宇賀弁財天は庶民に浸透し、弁天信仰の主流となる。そうなると宇賀神は弁財天の代名詞。ヘビや宝珠だけでも弁財天を表すものと認識され、ヘビと弁財天は渾然一体となった。

 江戸川柳に次の句がある。『どうばらを宇賀神にして勤行し』




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最終更新日  2007.10.01 18:48:50
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