2007.10.29
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カテゴリ: 彩の国 石仏閑話
 古い墓標の上部などに、記号のような奇妙な文字が書かれているものがある。その読みも意味も、いまだに解明されていない。



 一般に、その文字をバラして「烏八旧」、これをそのまま「ウハッキュウ」と呼ぶのが慣例となっている。

 とはいえ、烏と鳥の違いだけではなく、「旧」に代えて「臼」や「日」、「目」としたり、それぞれの部分を縦や横に配列したりと、変化形の文字も少なくない。

 写真は、戸田市美女木の妙厳寺の無縁仏墓標群の中の一つ。宝永五年(1708)のものだ。この寺では、さらに古いものを含めて、四十四基の墓標に烏八旧が見られる。

 室町時代末期から江戸中期頃の古い墓標に見られ、全国的に分布する。特徴として、曹洞宗や浄土宗系の墓標に多い傾向があるという。

 その意味については、鳥を表すという説や、日月(金烏と玉兎)、優婆塞、阿吽の吽などなど諸説ある。

 特殊な陀羅尼にその出典を求める説や、鳥葬に関わるもの、つまり「帰空」の意と解す説などが有力なようだ。同時代の墓石に、烏八旧に代えて帰空や帰元、帰一などと書くものも多い。

 烏八旧は、アマチュアの思いつきから本格的学説まで、百家争鳴状態といえる。







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最終更新日  2007.10.31 19:02:37
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