2007.12.10
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カテゴリ: 彩の国 石仏閑話
 写真の石碑は、激しく風化・磨耗した地蔵像。長年にわたって、塩をかけられてきたので、このようになってしまったという。越谷市北川崎・聖徳院境内にあるものだ。

 常に大量の塩が奉納されている石地蔵は、一般的に、塩地蔵、塩かけ地蔵、塩舐め地蔵などと呼ばれ、各地に見られる。塩には、不浄を祓い邪悪を退ける霊力がある、という俗信が根底にある。

 その多くは、イボ取り地蔵ともいわれる。供えられた塩を持ち帰り、毎日イボに擦り付ける。これによって治ったら、二倍の塩を奉納する。こうして地蔵は塩に埋もれていく。身体健康の祈願仏とされるものもある。

 その他に、願掛け祈願で塩断ちして、成就すれば地蔵に塩をふりかける習俗や、安産や子育てを願って、塩を供える例もある。さらに、塩商人の信仰として、塩が奉納される地蔵もある。

 古い塩地蔵は、塩に溶けたように見える。しかし、石が塩に溶けるわけではない。これは、塩に含まれる塩化マグネシウムや塩化カルシウムによる潮解(ちょうかい)作用によるものだ。

 この作用で石に含まれる水分が失われ、地蔵はガサガサの「乾燥肌」になる。脆(もろ)くなった表面からボロボロと粉末状に剥離していく。地蔵は、人々の願いを聞き遂げるために、まさに身を粉にして、痩せ細っていくのだ。。



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最終更新日  2007.12.14 19:17:01
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