2008.02.01
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カテゴリ: 彩の国 石仏閑話


 地蔵菩薩は、釈迦入滅から弥勒仏下生までの間、無仏となる世界での導師とされる。六道輪廻の衆生を救済するだけではなく、衆生の苦を身代わりとなって引き受ける。なかでも、地獄での救済が強調される。この「代受苦」は、他の菩薩には見られない地蔵の特徴だ。

 地蔵信仰は、中国や日本でつくられた各種の偽経または説話、俗信に基づく部分が圧倒的に多い。道教の十王思想と習合して、地蔵と閻魔大王は同一視される。

 民間信仰では、身代わりだけではなく、治病・延命、抜苦与楽、子授け・子育て、招福、疫病除け、火災・水難除けなど、あらゆる効験が語られ、それぞれに愛称や名字がつけられる。さらに、軍神としての勝軍地蔵まである。

 寺や墓地の入口などには、必ず六地蔵が立つ。六道に対応して六体の地蔵を配し、それぞれに名称・担当・持物が異なる。ただし、これらは経典ごとに相違し、少なくとも数種類はある。それでも、錫杖と宝珠を持つ地蔵は、地獄道担当という共通項がある。

 路傍のお地蔵さまも、地獄を見据えているのだろうか。


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最終更新日  2008.02.16 11:42:56
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