2008.02.08
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カテゴリ: 彩の国 石仏閑話


 ヒンドゥー教の神に、ガルーダと呼ばれる超巨大な怪鳥がいる。このガルーダを音訳したのが迦楼羅で、日本名では金翅鳥(こんじちょう)。ガルーダ・インドネシア航空の名も、この神の名に因む。

 迦楼羅は、鳥頭人身で足は鳥形または人間形という奇怪な姿。翼があり全身金色。口から火焔を吐き、竜や蛇を常食とする。のちに、仏法守護の天竜八部衆の一となる。

 古代インドでは、部族ごとに特定の鳥獣を守護神として崇める習俗があった。迦楼羅が竜や蛇を常食とするのは、迦楼羅信仰族が蛇信仰族と敵対関係にあったことに起因するといわれる。

 竜神や蛇神は一般に祈雨の本尊とされる。これに対して迦楼羅は、これらを食うことから、止雨の本尊とされることが多い。写真の石碑は、長雨の終止や水難防護などを祈ったものだろう。

 迦楼羅は、秋葉権現などの鴉(からす)天狗形の大天狗のモデルとなったという説もある。また不動明王の光背にあしらわれる火焔は、迦楼羅焔と呼ばれる。まれに、迦楼羅の頭部も彫られることがある。

 ただし、他の明王が背負う火焔は、迦楼羅焔とはいわない。倶利迦羅(くりから)竜王の光背が迦楼羅焔ならば呉越同舟だ。 



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最終更新日  2008.02.16 12:12:28
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