2008.06.02
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カテゴリ: 石仏閑話


 その一つが、前回述べた蛇を握る青面金剛像です。もう一つは、層塔形庚申塔と呼ばれるもので、三重または五重の石塔が散在します。これらの二種は、とくに群馬県北部に集中する傾向が見られます。

 三つ目は、祠形庚申塔です。祠を塔と呼ぶのは適切ではないかも知れません。しかし、慣例的にこのようにいわれます。

 写真は、沼田市上久屋町・孝養寺境内にある庚申塔です。一般的に、石祠は流れ造りが主流なのに対して、この種の庚申塔では入母屋造りが多く見られます。中央にある逆さのハート形の刳り形を「亥の目(いのめ)」といいます。これも江戸形にはない大きな特徴です。

 写真では、上から日月、二羽の鶏、向き合う二猿が配されています。この向き合う二猿は、次回に述べる日光形庚申塔に見られる姿とよく似ています。群馬県から栃木県にかけて、庚申塔造立初期につくられた独特のスタイルといえるようです。

 この庚申塔の建立年は読み取れません。二猿の形から、かなり古いものと推測されます。この後の時代には、三猿をあしらう石祠形庚申塔が出現します。





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最終更新日  2008.06.07 13:26:43
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