ビーバー
ビーバーの体毛はきわめて密な下毛の上に、 長く艶のある上毛が生え、 基調の色は褐色である。ビーバーの毛皮は植民地時代には貨幣と同様な機能を果たすほどであった。また海狸香とよばれる分泌物は、 香水の原料などにも使われる。「海狸」とはビーバーに当てられた漢字である。人間の経済活動に役立つ“体”をもったビーバーは、 絶滅の淵から引き戻された。しかし現在、 彼らは完全に人間に管理された状態である。ダムを建設し、 ロッジを建てる。一見自由なように見えるが、 種としてアメリカビーバーもヨーロッパビーバーも、 ごく一部の個体群以外は、 人間の掌の上にのせられている。二度と本来の野生の自由は戻ってはこない。可哀想だ。彼らは、女のお洒落のために生まれてきたんじゃない。
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