
宮脇俊三(みやわき しゅんぞう)1926年-2003年
宮脇さんも亡くなっておられた。
宮脇さんとの出会いは写真の本『 時刻表2万キロ 』だ。10年以上前だと思うけど古本屋さんの百円コーナーで見つけて面白そうなんで買った。
JRが国鉄だった頃、ただただひたすらに営業路線の全線完乗を達成するまでの模様を語ってるんだけど、ちゃんと歴史や産業にもふれ、司馬さんの『街道をゆく』ばりの一級の紀行文になってると思うんだけど、なんか軽くて面白い。
多分それは、その路線のその列車に乗車することが目的で、その土地のことを語るのはあくまでついでだったからじゃないかな。
ま、そんなんで宮脇さんのことを知り、気に入って、その後に書かれた鉄道紀行文たるジャンルの読み物を何冊か読んだ。
時は流れて最近、といっても四、五年前だと思うけど、思わぬところで宮脇俊三さんの名前を目にした。
僕は日本テレビの"火曜サスペンス劇場"いわゆる"火サス"が好きで、とりわけ『地方記者、立花陽介』とか『 女弁護士、高林鮎子 』は全作品を観てると思う。だから"火サス"が終わっちゃったことが寂しいんよね。
で、あるとき『 女弁護士、高林鮎子 』の第一作が再放送されるのを知りビデオに録った。前に観てるとは思ったけど第一作ならまた観てみたいと思ったんよね。で、ビデオで観たら、そのエンディングロールに"なんと原作 宮脇俊三"とあった!!
なんでぇ~??ミステリー作家でもないのに、なんで宮脇さんが『 女弁護士、高林鮎子 』の原作者なの??しかも第一作ってことはあのシチュエーション、スタイルを作った人だもんね。あっ、そういえばボス役の丹波哲郎さんもお亡くなりになったなぁ...。
で、その後の『 女弁護士、高林鮎子 』の再放送をチェックしたら二作目以降は全部ミステリー作家の津村秀介さんの原作だった。どうゆこと???
で、またまた時は流れて、パソコンを始めて、つい最近ネットで宮脇さんの逝去を知った。そこで"『 女弁護士、高林鮎子 』第一作宮脇俊三原作の謎"を調べた。
宮脇さんの著作は52冊あった。なんとその中に1冊だけミステリー作品が在った!
『 殺意の風景 』(1985 新潮社。第13回泉鏡花文学賞受賞作)
『 女弁護士、高林鮎子 』第一作の原作が『 殺意の風景 』であることも分かった。
『 殺意の風景 』が泉鏡花賞を受賞したのが1985年。『 女弁護士、高林鮎子 』の第一作が放送されたのが1986年11月だということも分かった。
泉鏡花賞を受賞した作品を日本テレビが、すぐに"火サス"でドラマ化したわけだ。時期的にピッタリあってる。
宮脇さんはたった一冊しかミステリーを書かなかったのに、その一冊が泉鏡花賞を受賞し、その作品がテレビドラマ化され、そのドラマの続編がその後20年にもわたって放送され続けたことになる!!
きっと宮脇さんは、その後ミステリーを書く気がなくなっちゃったんだろうな。
でも、きっと『 女弁護士、高林鮎子 』の第一作の視聴率が高くて、日テレは続編を作りたくて津村秀介さんにお鉢が廻ったんだろう。
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