「 「風のクロノア2」サウンドトラック
~世界が望んだ忘れもの」
から、名曲と個人的に思うものをチョイス。自分の思い入れを勝手に述べていきます。
第一回目は「Cursed Leorina(忌まれしレオリナ)」です。
まあ典型的には「BOSSバトルの曲」です。
ゲーム音楽好きの人間にとっては、気になるキーワードでもあります。
いわゆる、「ボスバトル」には名曲と呼ばれるものも多く、
コンポーザーにとっても最大の聞かせ所であり、腕の見せ所であります。
クロノアはBOSS戦にも力の入ったものが多く、
しかも 何人もの作曲家のそれぞれの持ち味を存分に発揮し
、
ひとつひとつが、物語を持っています。
「忌まれしレオリナ」はイトケンのようなノリではありませんが、
抑え気味ながら、もがきながら飛翔しようとするかのような、
ちから強く壮大な展開は、この避けられない悲しい戦いを感じさせます。
作曲は 高橋弘太氏
。
クロノア1でも、 BALADIUM'S DRIVE 等、押しも推されぬ名曲を生み出した作曲家で、この2では、レオリナのテーマを中心に参加され、物語のクライマックスを担っておられます。(他に、エースコンバット2などに参加)
レオリナ とは、物語の節目節目に現れ、クロノアが手に入れようとするものを、横から掠め取って行く、ライバルキャラです。始めは義賊的性格が強い人物でしたが、物語が進むにつれ、その行動は常軌を逸脱して行き、世界を混沌へと導いてしまい、ついには“悲しみ”に捕らえられ、魔物と化してクロノアに襲い掛かって来るのです。(ゲームをプレイしていない僕には、それ以上のことは解らないのですが…。)
しかし、彼女は根っからの悪人というわけで無く、むしろ彼女の過去は世界のために身をささげるような存在だったのです。 「はじめはお気楽で、徐々にシリアス、最期にジーンと涙」というのが、クロノアの真骨頂。(50%は自分の妄想ですが…)。今回もその期待を裏切らない切ない展開が用意されています。(とか言って、未プレイで、すみましぇん…。)そして悲しみに囚われ、魔物(悲しみの精霊)と化したライバル:レオリナと繰り広げられる死闘。その時に流れるのが、この 「Cursed Leorina(忌まれしレオリナ)」 なのです。
「レオリナのテーマのファンファーレ~猛スピードで迫り繰るかのような導入~押さえ気味でも勇壮なメインテーマ~深刻な雰囲気の間奏~過去を思い出させるかのようなレオリナのテーマ~傷つきながらも、大きく羽ばたいて空へ上昇して行こうとする鳥をイメージさせるかのように短い小節が繰り返され~そして静かに終焉~そしてまたメインテーマにループして、戦いは続く…。(音楽を上手く表記するのは難しい…聴けばすぐわかるんだけど。)」
曲の流れとしてはこんなところですが、全編にクロノアのレオリナに対する気持ち(僕の妄想的には)~「君はやな奴だけど、ホントは悪い奴じゃないんだ、君を助けたい!」~という気持ちが込められているような気がします。少ない情報と、この音楽とタイトルに、勝手にインスピレーションが湧き上がり、しばらくは妄想モードを堪能しました。このようなドラマ(物語)がある曲こそ、名曲と呼ぶにふさわしいと思います。そしてそのような曲に出会えることが最大の幸せ(ゲーム音楽マニア冥利)といえるのでしょう。