[4]支援の方法



■まずは“違う”ことを認めることが第一歩です。一見してわからない障害を持ったこの子達にも『できる環境』を整えてあげることは可能です。

(1) 例えば、『認知面』について、、、
 『聴覚認知』が弱い子の場合、話される言葉が3語以上になると認知ができないということがあります。この場合の支援の方法をいくつかあげます。

☆説明は短く、はっきりと
 短い言葉で伝えてあげます。ゆっくり話すと記憶がとぎれるので、「短く、はっきり」言ってあげたり、メモや箇条書きで伝えることも有効です。絵や図、表、写真などを使うのも良いです。そして、再度、個別に理解したかを確認してあげてください。
☆拡大する
 プリントを拡大し、文字、マス目や行を大きくする。ノートにとる内容を厳選し、目標以外のものを片づける。
☆スモールステップで
 まず、例題を一緒にする。大切なところは繰り返す。選択肢をつけて聞く。個人に応じて難易度を変える。具体的な経験を通す。
☆定規や計算機の使用を認める
 耳栓、ついたての使用を認める。
☆わからない時に聞ける、「書いて」と頼める雰囲気を作る
☆待つ

 (異論もありますので)あくまで一般論として「IQベルカーブ」をとりあげます。
 IQは、85~115の人が標準とされ、66.6%を占めています。IQが70以下だと知的障害とみなされますが、LD児はIQが70以上ある子を指します。例えば、IQが75であっても、IQが100の子の話しにはついていけないということがおこります。また、IQが標準レベル(85~115)であっても、聴覚認知に限っては、70以下という子どももいます。その場合、スモールステップで、その子にあった指導を考えてあげて下さい。
 アメリカの映画俳優トムクルーズの場合は、難読障害でした。彼は、本を読もうとすると文字が見えなくなり認知できないという障害を乗り越えたのです。読んで認知することができないが、聞くと理解できるという子もいるのです。アメリカには、学校の図書室に「教科書の音読テープ」が置いてあります。読んで分からないから聞いて理解するのです。
 「違う」ということを認め、その子にあった「できる環境」を整えてあげる支援が大切です。計算練習を目的とするときに計算機を使わせるようなことは本末転倒ですが、必要に応じて定規や計算機の使用を認め、なにより、わからないことを聞ける、こうして欲しいと頼める雰囲気をつくることが大切です。そして、「待つ」こと。あせらせてはダメです。一瞬待つことで、「何で?、、、じゃぁ、どうすればいいかな」 と、こちらも考え、次の対応を見つけることもできます。そうすることで、確実にできることが増えていけばそれでいいのだと思います。

☆好きなことを見つける
 その子の好きなことを見つけて、それをうまく利用していくのも効果があると思います。

☆良いところを誉める・伸ばす
 決してまわりと比べず、「前と比べたら伸びてるやん!」のほめ方

☆苦手なところは叱らず、励まして練習する

☆できないことを受け入れ、他の方法がないか工夫する
 「お願い、こうして!」と、他の子に頼めること。やってもらったとき「ありがとう」と言える子に育てたい。
 プライドは高いので、「ごめん、ありがとう」と言える子が少ない。「ごめん」という事自体が「つらい」という子もいます。そのこともわかってあげてほしいと思うのです。

(2)例えば、『行動面』について、、、
☆好ましい行動を伝える     
 ・一度に一つのことを要求する
 ・約束事をはっきり決める   
 ・きちんとほめる
☆指示や手順を一定にする
 ・場所と行動を一定にする
 ・予告を頻繁に行う
☆座席の位置を工夫する
 ・堂々と立てる課題を入れる
 ・学習時間の配分は、注意持続時間にあわせる
 ・スケジュール表やカレンダーの使い方を教える
☆達成感を高めるための工夫をする
 ・どこかで出番を与える

☆連携をとる
 →学校内、保護者、専門家

(3)例えば、『対人面』について、、、
☆
 ・急な変更を避ける
 ・あいまいな表現を使わない
☆
 ・場面や状況(変化)を説明する
 ・いろいろな立場の人の気持ちを説明する
 ・「暗黙の了解」を説明する
 ・言外/裏の意味を伝える
☆
 ・社交辞令のパターンを教える
 ・挨拶や礼儀作法を教える
 ・視線の向け方を教える
 ・距離の取り方を伝える
☆
 ・予想できる場面について練習(ロールプレイ)をしておく
 ・自分の行動や他の人の動きを思い出す習慣をつける
 ・いいところ探しをする習慣をつける

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