古代米さがし in九州

        「放浪の旅 in 九州」……2003年10月14日~17日


 九州中心部の悠々たる大地の姿を見渡すことができる「国見ヶ丘」は、
神話の郷、高千穂にあります。夜明け前、息を呑む雲海に、朝陽が神々し
くさしこんでいき、、、1秒ごとにその姿は変化する。静寂の山には、目
覚めたキツツキの打ち鳴らす音だけが木霊(こだま)する。

結局、1時間、その場で立ちすくんだ。
  東の山々のかなたを「日の向き」、つまり「日向(ひゅうが)」と名づけ
たことがうなづける。

日輪

 今回の旅で、様々な方と出会い、お世話になりました。

14日、午後11時、西宮北インターで、博多行き夜行バス
「ムーンライト号」に乗る。一眠りすると、もうそこは壇ノ浦。
目の前は関門海峡。

 8時前、博多着。 今度は高千穂方面行きの直通バスに乗り換え、
3時間半。 12時前に到着。到着寸前、バスの中から、雰囲気の
あるお店を発見。まずは、ここからたずねてみることにする。

いなば酒店

 実は、今回の旅には、大きな目的があった。今年、大不調に終わ
った「黒米」の情報、何故立ち枯れてしまったのか、どうすればう
まく育つのか、そして、なにより、来年用の種もみを手に入れるこ
と! だからといって、高千穂に知り合いがいるわけでもなし、高
千穂で黒米を作っている人がいるのかどうかももちろんわからない。
それでも、ここに来さえすれば、何か手がかりが得られるのではな
いか、、、それだけの理由で高千穂までやってきた。
 バスを降りて、早速、気になったお店に行ってみる。
「いなば酒店」! うん?これはお酒屋さんかぁ~。
 酒屋と黒米はつながるかなぁ~?と、あきらめモードながら、の
ぞいてみる。と、これは、これは、実にボクごのみのお店だった。
真っ先にボクの目に飛び込んできたのは、なんと「黒米」! 
ホテルで販売しているものを卸しているのだという。早速、女主人
にたずねてみる。 「実は、黒米を栽培されている方を探している
のですが、、、」、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、
 「取材ですか? この方ですよ、、、」
 と、差し出された本に、農家の方と黒米が写っている。
頭がクラクラするほど、感動した。 しかし、
 「でもねぇ、住所まではわからないし、出会ってもらえるかも、
今年も作っておられるかもわからないしねぇ、、、」とのこと。
 とりあえず、タクシーの営業所に電話して聞いてみて下さった。
夜勤あけの運転手さんが出て、「そこなら、うちの親戚だぁ~」と、、、
  !!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 偶然が重なって、黒米農家をたずねることができました!
タクシーの運転手さんによると、「ずいぶん気難しいジーさまだか
ら、いきなり知らない人が訪ねても、相手にしてくれないよ。私が
頼んでみるよ」 と言って、田んぼの中を走っていかれた。その間、
おいてけぼりのボクは、高千穂牛と遊ぶ。
 ジーさまは、奥さんと二人で稲刈りの真っ最中だった。
 親戚の運転手さんのおかげで、ニコニコと手を休め、「黒米なら、
あれだぁ~」と、隣の田んぼを指さされた。

黒米の種もみを分けてもらう

 イナキで天日干しされていた! これは、ホテルに出荷されている
そうだ。
 訳を話して、種もみ用に一束わけてもらう。ついでに、自然塾の黒
米の状態を話したら、「それは白葉枯れ病だぁ~」と言われた。消毒
するしかないなぁ、とのこと。
 運転手さんの自宅もすぐ近くにあり、立ち寄って、頂いた黒米の稲
穂だけをとって袋詰する。運転手さんのお母さんまで出てきて手伝っ
て下さる!
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 こんなことって、ほんとにあるんですねぇ。

 そのあとは、のんびり、観光。一番いきたかったのは、やはり、高
千穂峡! ホントは竹で燗をした「かっぽ酒」を飲みたかったのだけ
ど、運転手さんが待っていてくれてたので、申し訳なくて、あきらめる。
 高千穂渓谷は写真でしか知らなかったが、体中の血液にマイナスイ
オンが駆け巡るようにリラックスできたなぁ、、、。

高千穂峡

 宿も運転手さんの紹介で、夜神楽の行われる神楽殿に一番近い(徒歩1分)
ところに泊まることができた。夜神楽も楽しみにしていたので、これは
超ラッキー。
 宿に着いてから散策してたら、何か変。次々と町の人にあいさつされ
る。 ? ! はたと気がつく。黒いズボンに黒のタートル、黒いシャツ
のファッションが良くなかった。どうも、その筋の方と間違えられてい
るようだ。

 夕飯もすんで、同宿の大学生二人を誘って、夜神楽を見に行った。
すごかった!
期待以上のものでしたねぇ。

夜神楽が始まった!

 翌日は、5時に起き、国見ヶ丘山頂まで、雲海を見に行った。
神々の里の夜明けはすばらしかった。ボクは本来、山大好きの人。
アルプスもほとんど登ったし、ご来光にも感動しつくしたつもりだ。
でも、ここは全く違う意味で感動した。かなり寒かったのだけれど、
結局、1時間、あまりの神々しさに立ちすくんだまま動けなかった。

神々の里、国見が丘の夜明け

 眼下に広がる雲海とご来光を拝み、山から降りて、今度は、列車旅
の人となる。高千穂からの渓谷は、旅人を魅きつけてやむことなし。
鮎の漁場が随所にある。
 延岡へ出て、午前9時過ぎ、日豊線特急に乗り換え、日向灘沿いに北上。
 昼過ぎ、中津で途中下車。10年程前、自然塾の古代米の種を分け
てもらった方と出会うためだ。駅での初対面は、まるで旧知の仲間の
ように迎えていただき、そのまま、黒米の水田へ。こちらはまだ刈り
取り前。いいできだ! 

中津の黒米を見学

 栽培方法などいろいろと伺ううちに、新たな情報を得る。
 「京都に古代米を扱っている米屋があるよ!」と差し出されたのが、
お米屋さん専門の業界誌。 問い合わせ先など、写させてもらっていると、
「耶馬渓でも古代米を作っている人がいるが、今年はどうかなぁ?」と聞き、
思い切って耶馬渓へ行く事にする。バスの時刻を調べると、片道乗り換えを
入れて1時間半、現地滞在時間は、1時間と少ししかとれない。が、迷いは
なかった。
 午後3時半、深耶馬着。観光客などほとんどいない。出会ったのは5人く
らい。人間の数より、川のニジマスの数の方が多そうだ。
 あてもなくブラブラ歩いていたら、町営の特産品店で「赤米の穂」を発見!
 しかし、これは店のおばちゃんがよそで買ってきたものだった。が、その
おばちゃんの口から意外な言葉が!
 「古代米なら隣の谷で作っている人がいるゎー、、、」
 残念! 一つ谷を間違えて来てしまったらしい。でも、もういまからじゃ、
時間的に無理。今回は、ここであきらめよう、、、
 まぁそれじゃぁ、と、気を取り直して、耶馬渓温泉に一人のんびりつかる
こととする。もちろん他に誰一人いない貸切の温泉に入り。窓を開け放つと、
目の前は、雄大な耶馬溪谷じゃぁないですか!

耶馬溪を望む温泉

 湯上がりに、たこ焼きののれんにつられて、いっぱい飲む。
 「たこ焼き」と「阪神タイガース」にメロメロなのは、やはり関西人!?

 午後5時過ぎ、店の前にやってきた終バスに手を振って乗せてもらい、
中津へ。<この辺ではこうやって乗るのだそうだ>
 中津から博多へ向かい、午後9時過ぎ、再び、大阪行きムーンライト号に
乗り、この旅を終える。



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