じゅんたのホムペ

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ガラパゴス(エクアドル)


行きに1泊だけニューヨークに寄り道したものの、全2週間。お土産抜きで70万。なかなかそう行ける場所では無い。いや、恐らくもう2度と行かないだろう。

経路は、大阪→ニューヨーク→マイアミ→グアヤキル→ガラパゴス。辛い距離である。しかも、飛行機のスケジュール上、どうしてもマイアミとグアヤキルに1泊ずつしなければならなかった。グアヤキルというのは、赤道直下の国エクアドルの中で2番目に大きい街である。異国情緒にあふれており、住民の半分は泥棒が職業だと言う。(ガイドの話。)そして、日本人はなかなか訪れない。ぶっちゃけ貧富の差が激しそうな、全体的に小汚い街なんだが、私はここが大変気に入ってしまった。女の人はみな彫りが深く、小さくてカワイイ。それに、マングローブ蟹がめちゃくちゃおいしかった。身は少ないが、ニンニクたっぷりで、しゃぶりつくと濃厚な蟹汁がたまらない。が、もちろんお腹は壊れる。

肝心のガラパゴスは、アメリカからのファミリー旅行やハネムーンが多いというだけあって、想像以上に整備されていた。もちろん自然保護のため、人間が居住できる区域はかなり狭いのだが、十分大きな街だった。

私達は、クルーズでダイビングを楽しんだ。クルーズは約1週間。ずっと船に乗りっぱなしで、小島を転々と回る。大体、午前中に1本潜り、昼は小島にランディングしてネイチャーウォッチング、午後からまた1本潜るというスタイルだった。
もう少し潜りたい感じもしたが、ランディングもかなり楽しめるものだった。というか、ガラパゴスは本当はこっちがメインなのである。

ガラパゴスは、島によって雰囲気がまったく異なる。美しい緑の島、岩だらけの島、サボテンしか生えていないような殺風景な島、赤茶けた土がむき出しの噴火山のある島などなど。そして、それぞれとても小さな島なのだが、その島によって登場する生き物も様々なのだ。
ガラパゴスと言うと、ゾウガメや陸イグアナ・海イグアナ・アオアシウミカツオドリなどが有名だと思うが、その他にも、ウミガメの団体や、ペンギンやフラミンゴ・アシカ・オットセイなど、本当に盛り沢山なのである。そして、それぞれがキチンと自分の居場所に居るのも面白かった。

ガラパゴス2

さてさて、肝心のダイビングなのであるが、これまた今まで行った土地とはまったく違った景色で、多大なる手間やお金をかけて行った甲斐は十分あったと思う。
ガラパゴスの海はとても暗い。暖流と寒流がぶつかる地域という事で、プランクトンが豊富であるため、透明度が悪かった。また、珊瑚礁なんていう色っぽいものは全くなく、ひたすら味気ない岩場なのである。しかし、どこに潜ってもアシカがウジャウジャ居るため、さみしくは無かった。アシカは水中だととてもすばしっこい。私達は完全にからかわれていた。真正面からこちらにまっすぐ向かってきて、キスできそうなくらい近くまで泳いでくるのだが、触れようと手を伸ばすと、クルリと身をひるがえして逃げてしまう。絶対に触れさせてはくれないのだ。

ガラパゴス1

ダイビングは、クルーズ船からディンギーという小さなゴムボートに乗り換えて行う。ドリフトなんだが、上がってからフロートシグナルや口笛でディンギーを呼び寄せるという、適当にしか見えないようなダイビングであった。一度、ガイドが、寒いから俺は先に上がる。お前達は前に進め、と言い残して先に上がってしまった事があった。水深は30m。天候も悪く真っ暗な海。おいおい、と思ったが、私達は先に進み、自分達で安全停止などもして上がった。ガイドの適当さには他にもエピソードがある。ブリーフィングやログ付けで魚の事を尋ねると、小さめ魚はすべて“トロピカルフィッシュ”でくくってしまうのだ。確かにくくってしまいたくなるほどではあったのだが。

ここまで読むとなんてひどいガイドなんだ、で終わってしまうのだが、私達は彼の事が大好きだった。彼はれっきとしたナチュラリストで、英語とスペイン語を流暢に話す博識家だった。もうちょっと私達に英語力があれば楽しかったのだろうと思うのだが、それでも十分に色々な事を教えてもらった。ガラパゴスでは、ナチュラリストと一緒でなければ小島に上陸してはいけないため、各グループに一人、必ずナチュラリストがつくのだが、他のナチュラリストはみんなお硬そうな雰囲気だったのに、私達の担当だけ、頭に派手派手のバンダナを巻いちゃってるようなファンキーでノリノリなにーちゃんであった。それもお気に入りであった。

私達は、数日アシカを満喫したが、それに飽きるとひたすらハンマーを追いかけた。そう。ハンマーヘッドシャーク。これが私達の今回のダイビングのメインだったのだ。

ハンマーヘッドに会うためには、小島から離れ、360度ぐるりと見渡しても海と海底しか見えないようなポイントで潜らねばならなかった。しかも、結構流れが速いのでしんどい。何本か潜ってるうちにポツリポツリと遠くの方にハンマーを見つけられるようになった。ハンマーを見つけた時のハンドシグナルを私達は決めた。招き猫のようなポーズなのだが、あれを、両手ともあげたようなポーズである。グーに握った手をこめかみの横にくっつけるようにする。男の子がやると結構キュートでおかしいポーズだった。

初めてハンマーを目撃したのは、深いところから見上げるような形でだった。明るい空に、撞木型の黒いシルエットが泳いでいた。まだまだ遠いし、たったの一匹だけだったが、私達を感動させるのには十分だった。あの絵葉書のような絵は今もくっきり目の裏に焼き付いている。

その後も何度か遠くで見かけたが、透明度が悪く、真横から見るとなかなか判別しにくい(ガラパゴスには他の種類のサメも多い)という事もあり、私達は押さえ切れない興奮を発散させられないモヤモヤを抱えながら泳いでいた。泳ぎ疲れたある日、ハンマーを探すのでは無く“待つ”事にした。そこそこ流れの速い暗い海の底で、砂地から少しだけ出ている岩に小さく身をかがめしがみつき、私達は待った。

他に魚影は無く、ひたすらグレー一色の海を見つめていた。どんな影も見逃すまいと、できるだけ遠くを見つめようとするのだが、海の色以外何も無いため、焦点を定める事ができない。体が冷えてきたその時…ふと振り向いた背後に、私達の様子を至近距離でうかがうハンマーヘッドが! バチッと目が合った瞬間、奴はクルッと身を翻して遠くに泳ぎ去ってしまった。一瞬の事だったが、殺られる!となんとなく思ってしまった。恐かった。待っていた人に会えたのに、私は隣の人の影に隠れようとしてしまったのだった。

それから、島々を転々と訪問しながらダイビングを続けた私達の前に、ハンマーは大群で現われるようになった。群れの中に混じって泳いだ友も居た。あまりの興奮でほとんど写真が残っていないのが残念なのだが、半端ではない数の群れを幾度か見る事ができた。

私達のガラパゴス訪問は、大成功だと言って間違いなかっただろう。

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