カノ(氷上純也)謁見の間

カノ(氷上純也)謁見の間

第1話 日常


だから政府の眼もあまり向けられずに済むのでとても平和なところである。定年後にここに来る人もしばしばいる。
そのせいかこの辺りは老人がけっこう多い。今日も学校からは生徒のさわやかな声が聞こえてくる。

3年1組の担任は井上 和男(23歳)でとても若い先生だ。
「では立花、号令を」
立花 陽平(男子7番)は3年1組の委員長でとても優しくて、頼りがいがあって、人望も厚い。友達からは「陽ちゃん」と呼ばれている。
「気をつけ!礼!!」
あいさつも終わり全員席に着いた。一人をのぞいては・・・
<10分後>
教室のドアが大きな音をたてて開かれた。
「あちゃ~遅れてもうたか。今日は間に合うと思たのになぁ~。」
「遅れてもうたじゃないだろう。君は何回遅れてきたら気が済むんだい?」
ちょっとした静寂・・・
「先生、わいはちょっとわけありなんは知っとうやろ?今日は見逃してやぁ~。」
「今日という今日は許しません!グラウンド10周してきなさい。」
「えぇ~!?この前より2周も増えとうやん!ほんまそれだけは勘弁してやぁ~。」
朝からとぼけたような面白い声のせいでクラスからドッと笑いが起きた。
この会話が日常茶飯事(というかほぼ毎日だ)
そしてこの関西弁の男は江井原 大輔(男子3番)である。
この少年は2年前、神戸から引越ししてきた。
そして1年前、彼は事件に巻き込まれて眼膜を壊されている。幸い眼膜移植はできたみたいだが・・・
そのせいで目の色は青色だった。
そう彼は青い目をしている。たぶんあれは外国人の目だろう。
何故外国人の目がここにあるかは分からないがこの国の人が青い目をしているのはちょっと気味が悪い。
と陽平が考えているうちに授業は終わった。
どうやら江井原は走らされたようだ、がこの教室にはいない。
「おい、立花。江井原が帰ってこないようだから。その辺りを探しておいてくれ。私は次のクラスにいかないといけないからね。」
「了解です。でもどうしていつも俺が探さないといけないのかなぁ。」
陽平は少しむすっとした顔で言った。
「それは君が委員長だからだよ。じゃあ頼んだよ。」
井上先生は少し笑ってすぐに次のクラスへと向かっていった。
(仕方ない、探そうか。あの青き目の少年を!)
立花は勢いよく背伸びをしてから教室を出ようとしたら声をかけられた。
声の主は武車 健太(男子10番)陽平の大親友だった。
「俺も一緒にいくよ。いいだろ?」
立花はすぐに答えた。「よっしゃ!ついてこい!」
2人とも勢いよく教室を飛びだした。
                       【残り20人】

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