益子焼陶芸人エイジ♪◆職業的陶芸生活◆

板谷波山を学ぶ

板谷波山(いたやはざん)先生は、茨城県下館市(現在・筑西市)の偉大な下絵付けの陶芸家だ。

私が生まれる5年目に天に召された「下絵付け」の技法で文化勲章を得ている偉大な作家だが、
下館という益子から30分位の近くなのに、なかなかその人まで学んでは来なかった。

そこで、 板谷波山記念館 下館美術館 に出かけてきた。

板谷破山旧家
板谷波山生家(側面)
(前(左奥)の部分は都市計画によって無くなっている。)


もっとも、ふと思いついての事だが、近隣する両方の美術館を見られる共通入場券が「300円」の安さに、
思わず両方見ることにしたのだが、それがとても良かった。
常設展など全く期待していなかったのだが、作品展示はさておき(?)、
映像ルームで見ることが出来た資料映像で、かなり詳しいことが解った。

また、その映像には「板谷波山」と 「森田茂」 があったが、どちらもとても興味深かった。
特に森田茂氏の洋画「荒川能」シリーズは一度で好きになってしまっていた。(笑)

さて、波山先生の話しに戻るが、昨年は 「HAZAN」 という映画まで製作されて、
益子・笠間界隈の陶芸界は「板谷波山」で、少々賑わっていた。
特にその「下絵付け」の意匠の素晴らしさには舌を巻く。

実はこの「下絵付け」という技法は、今まで僕が好んで描いてきた分野で、
「九谷焼」などの「上絵(赤絵)」と違い、焼き物を製作する通常の本焼過程において、
釉薬掛けの前(もしくは直後)に釉薬に等しい顔料で絵付けをしていくものだ。
(このHPに出している陶器画像の殆どがその「下絵付け」の技法だ。)

波山先生は、この「下絵付け」を様々な釉薬や顔料で行い、何度も何度も塗り重ねたり、
素焼きに何度も重ねたりして色の深さを表現している。
その表現の多彩さ、繊細さに本当に頭が下がる。

実はその方法が私の好きな技法の上級者版だと知ったのは、今回が初めてだった。
(近いのに実に情けない・・。苦笑)

基本的に陶土に「描く」技法としては、このHPのトップにある元工房で作っていたデザイン「二色花紋」が、
波山先生の技法の1/10工程程度の作品である。(爆!)



そして、今回学んだ事によって、初めに進めてみたいテーマが決まったのである。
近日中にアイデアデッサンを進めて行こうと思う。

思いがけなく、良い方向の習得が出来た。
いずれ、この運に感謝できる日が来ると良いと思う。

三方焚き口窯
板谷波山の三方向焚き口陶芸窯
(薪入れ口が3箇所ある!)



と、まぁ、そんな事してます・・・。(苦笑)

追記 bukiukiさん ありがとうございました。

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