11. Waterville GL

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今日のラウンドはウォータヴィル・ゴルフ・リンクス。この旅で最も楽しみにしていたゴルフ場の一つだ

昨日は悪天でラウンドを途中で断念しただけに、天気が気になる。起き抜けに窓を開け、祈るように外を見る。風も雨もなく、遠く東の空は朝焼けに輝いている!  
自然と顔が綻び、朝食の最中も早く外に出かけたくて仕方がない


この日ラウンドしたのはWaterville Golf Links。1889年設立の歴史あるゴルフリンクスで、在りし日のペインスチュアートやワトソン、タイガー、メディエートらも好んで訪れているという。コースにはペインの銅像が建っていた

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Waterville Golf Linksは川が大西洋に流れ込む砂州のようなところに出来たゴルフ場で、その起源は19世紀末に大西洋間の電話ケーブルの敷設でヨーロッパ側の拠点がこの地と決まるや、この地を訪れる多くの工夫が滞在するようになり、彼らにレクリエーションを提供する目的で作られたのだという。一方で、現在の18ホールが完成したのは意外に新しく1973年の事だ


その景観とコースの素晴らしさには定評があり、米ゴルフマガジン社の世界のトップ100コースで91位にランクされ、過去6~7年ほどの間になんと4人もの全英チャンピオンがこのコースで事前のキャンプを張っているという



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一方、このゴルフ場はアイルランド南西部にあるリンクスゴルフ場の中でも、最もアクセスの悪いゴルフ場の一つだ。地図の左下の黄色で囲ってあるのがこのゴルフ場の所在地だ。この地をこんな季節外れに訪れるのはコアなリンクスゴルファーか、釣り師ぐらいしかいないらしい


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アイルランドのゴルフ界の重鎮のクリスティ・オコーナーがアイルランド国内にあるゴルフ場から、ベストの18ホールを選んだ中で、ウォータヴィルからは例外敵に2つのホールが選ばれたとこのプレートに記されている



この日のスタートの予定は8:50だったが8時過ぎに受付を済ませ、早めにスタートさせてもらう。他にスタートする人があれば組み合わせて欲しいのだが、あと数時間はティオフする予定のゴルファーはいないらしく、今のところこのゴルフ場はjunhiroの貸し切りとのことで、今日も一人旅やむなしだ


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スタート時間が早いので、コースには陰影が浮かび上がり滑らかな曲線を見せてくれる。この地で、ゴルフができるのだけの明るさになるのはだいたい朝の8時頃なので、8時30分前後のスタートはかなり早い時間だ


スターターと挨拶を交わすと「ハンディはいくつかな?」と訪ねられたので「16」と答えると「じゃあ、白からおやりなさい。きっと楽しめると思うよ」と。「白からでも6800もあるから赤にしようかと思っていたんだけど」と軽口をたたくと、「むろん赤でも構わんよ」と笑顔で答えてくれた



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この日の風はそれほどでもなかったが、雨が降ったりやんだり。土砂降りというほどではなく、いきなりシャワーが降る。とはいえそれも1ホールも持たずにスっと上がる。そして忘れた頃にまたいきなり降ってくる。これを18ホールの間に3-4回ほど繰り返しただろうか。青空と鉛色の空が目まぐるしく入れ替わり、虹が何度も出ては消えて行く。ウォータヴィルのトレードマークはウサギちゃん。フラッグにもしっかりとウサギが書かれている



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雨が上がるとご覧のように青空が広がり、こんな景色が広がる


1970年代に完成しただけに他のリンクスコースと比較すると距離が長くタフなコースだが、フェアウェイは広く、景観の美しさと共に「どんなゴルファーをも優しく受け止める包容力のあるリンクス」という印象を受けた


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こんな風景を見ると美しいと思うとともに、なんとなく切ない気持ちになる


junhiroのいままでの20弱のリンクスゴルフコースの体験の中ででも、1、2を争う記憶に残る素晴らしいコースだった。グリーンの仕上げも素晴らしく、気持ちよくボールが転がってくれた


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この日のラウンドでは広めのフェアウェイも相まって、ドライバーを気持ちよく振ることができ、FWもまずまずだが、アプローチとパターが悪くスコアがまとまらない。とはいえ前述のとおり、グリーンの仕上げは良いので後は純粋に本人の腕の問題だ



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ところで、ウォータヴィルのコースは夏坂健氏の「地球ゴルフ倶楽部」(新潮文庫)にも幽霊がプレーをしに出てくえるゴルフ場としてエピソードが紹介されている。12番のパー3のあたりは、2000年以上前から「聖なる土地」として信仰を集めていたと言う。そして、この地方の高邁な司教が亡くなった時にその亡骸もこの地に埋められたのだという。チャップリンやボブ・ホープ、スティーブ・マックィーンそしてサム・スニードはその幽霊を見たという。上の写真のホールが12番。幸か不幸かjunhiroの前には現われなかった。

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不思議な土地のこともこのプレートに書かれている


18ホールを終え、スターターの所に挨拶に行く。ここには電動カートがあるんだねと話すと、「アメリカの資本で経営されているからね」とウィンクしながら答えてくれた

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この写真の景色はjunhiroにとってリンクスコースのグリーン周りのお手本のようだ



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ラウンド後は次の目的地であるキンセールまでの200キロ弱のドライブ。この旅の中で一日の移動距離としては最も長いドライブだ。眺望を優先したいので高速道路ではなく下道が続くので運転にも気が抜けないが、それでも美しい風景に心が癒される。途中、こんな景色に出会い、車を停め、すっかり固まってしまった体を伸ばした。どんな人がこのお城に住んでいるのだろうか

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