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どうやら夢の中のようだ。夢の中はいつもほわほわしている。そうやっていつも起きたときには何の夢を見ていたのか忘れる。それを夢の中でも理解している。おかしな話だ、と思う。これでは何を覚えていて何を忘れているのかわからない。もしかしたら現実もそうなのか?そう思うと、現実なんて何が本物で何が嘘かわからなくなる。現実。夢。本物。嘘。繰り返し繰り返される言葉。考えるのをやめようとしてもやめられない。言葉が渦巻く。必死に遮断する。こうゆう時にうまく操作できない。だから、夢は嫌いだ。光が目の前に差し込む。目を開けたのが先か、光が差し込むのが先かはわからないが、目の前が明るくなる。天井が見える。いつもの家の天井。!!渚はびっくりして起き上がる。「こんにちわ、目が覚めたのね。」女性の声が聞こえる。目を開けると、テーブル越しに女性が座っている。「え??ここは?」渚は状況把握ができていない。「ここは私の事務所。あなたは気を失っていたの。」女性はやさしげに言う。「気を?どうして・・・」と言ったところで渚はすべてを思い出す。さっき見た光景。倒れる人。飛び散る血。沢山の人。「そう、あなたはあれを見て気絶したの。」「でも、どうしてここに?」「あなたここの隣に住んでるでしょ?見たことあるから。」「は、はい」「だから、ここで休ませてあげたのよ」「あ、ありがとうございます」「しかし、迷惑な話よね。あんなところで殺さなくてもいいのに」「ええ・・・」渚は死体を思い出した。ちょっと気持ちが悪くなった。女性は落ち着いた表情で言う。「ごめんね、仕事柄ああゆうのには慣れてて。」渚は何の仕事だ?と単純に思う。「あなたは学生?」「はい。」「殺された子も学生らしいわよ。」「そうなんですか・・・」と言いつつ、渚は死体を思い出す。こうゆう時に脳は意外と制御できない。不便だ。そう思い、思考を遮断する。その瞬間、嫌な予感が頭をよぎる。「あの・・」渚は不安げに聞く。「何?」女性は相変わらずの調子だ。「殺された人の名前は?」「わからないわ、もしや、知りあいなの?」「いや、見覚えがあるな、と思って。」そのとき後ろからドアの開く音が聞こえる。「あの、目、覚めましたか?」入ってきた男が言う。「ええ、今さっき」女性が答える。知り合いのようだ。「では、少し話を聞かせてもらいましょうか」女性は男に席を譲り立ち上がる。それに反応して渚は言う「あの、あなたの名前は?」「私??私は紫門涼子。よろしく。」
2005/10/11
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いつも思う。どこからこんなに人が出てくるのか。大学の校舎から出たら道は沢山の学生で埋め尽くされている。車も多く、この車一つ一つに人がいると思うと気が狂いそうになる。ここで私が消えたら、誰が気づくだろうか??誰も気づきはしない。だって、私だってそこら辺の人が消えたら気づかないと思うから。そんな無意味なことを考えて空しくなる。家に着いたら、シャワーを浴びよう。そう思った。しかし、いつも家に着くとその気持ちは萎えてしまいそのままベットへと倒れこんでしまう。最近やろうと思ったことができないことが多い。今日はちゃんとやろう。そう決心した。そんなことを思いながら、マンションに入る。最近はやりのオートロックのマンションだ。鍵穴に鍵を入れて回すと自動ドアが開く。自動ドアから左手にエレベータがあり、6階を押す。ぼーっとしながらエレベータがあがるのを待つ。エレベータのドアが開くとなぜかそこには人が沢山いた。瞬時に気持ち悪くなる。わけもわからず人を掻き分ける。なにやらいろいろ声が聞こえる。しかし、耳には入ってこない。とにかく自分の部屋にたどり着きたかった。人を掻き分け、自分の部屋に着いた、と思ったら、ドアの前に何かがある。いや、いる。人が倒れている。いや、人だったものか。・・・。時が動き始めたように、一気に周りの雑音が聞こえ始めた。今日もシャワーはお預けか、水嶋渚はそう思った。
2005/10/06
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