海軍兵学校物語あゝ江田島 | メタボの気まぐれ

1959年に大映で公開された「海軍兵学校物語　あゝ江田島」は
太平洋戦争も激烈を極めて来た1942年の海軍将校教育機関である
海軍兵学校を物語った映画である。

瀬戸内海の江田島に建つ海軍兵学校は３年制の速成教育で
最上級生を１号生徒、新入生を３号生徒と呼び
１、２、３号各１５名ずつから成る編成を一分隊として
起居訓練を行っていた。

昭和17年、石川竜太郎（小林勝彦）は海軍兵学校に入学、
二〇三分隊に編入されることになった。

分隊伍長の佐田を中心とする１号生徒から少しでも弛むと
激しい気合を掛けられてしまう。

その時、３号生徒の村瀬真一（野口啓二）が猛烈に反抗したが
気の荒い１号生徒のの小暮（本郷功次郎）に張り倒される。

ある日曜日、村瀬と石川は兵学校の象徴として名高い
古鷹山に登り、そこで２人は教官である田口（菅原謙二）の妹、
田口由美子（仁木多鶴子）と出会い穂のかな思慕を覚えた。

やがて佐田や小暮は卒業し、戦時激化の為、
卒業記念の遠洋航海にも出ず直ちに各任地へと飛び立った。

しかし死ぬ事だけを教えられた海軍兵学校卒業者らに
どうする事も許されなく空襲は日毎に激しくなった。

村瀬は兵学校の校庭で戦死。

昭和20年、佐田は神風特攻隊に乗り
村瀬の死に慟哭した小暮は人間魚雷に乗り
同期生の石川も特攻機の一員となったのだった。

この映画で主演を果たした小林勝彦は大映東京に合格後

大映京都に移ってからは本郷功次郎、林成年と並んで準主役が多く

映画産業の斜陽化後は舞台をテレビへと移し
時代劇「水戸黄門」「大江戸捜査網」「暴れん坊将軍」
「必殺仕事人」の悪役を中心に活動する傍ら
声優としても活躍し、アニメ「ふしぎな島のフローネ」
「六神合体ゴッドマーズ」洋画「ダイ・ハード」
「パトリオット・ゲーム」「ブラック・レイン」と
吹き替えに多数出演し映画「キャノンボール」では
主役のバート・レイノルズを担当し、その存在感を
見事に出し尽くしました。

また本作のマドンナ役として登場した仁木多鶴子は
1957年に大映に入社後、数々の映画に出演し
現在で言えば井上真央の様なアイドル女優的存在であり
人気絶頂期に通算2244奪三振を記録した球史に残る
プロ野球投手の小野正一と結婚し引退しました。