1月8日(月)新宿ジョイシネマ1にて
藤沢周平原作、山田洋次監督というコンビによるシリーズ3作目。主演にテレビドラマの視聴率男、木村拓哉を迎えた超話題作です。
制作=2006年 松竹映画 121分。出演=木村拓哉、檀れい、坂東三津五郎、笹野高史、小林稔侍、緒形拳、桃井かおり、大地康雄ほか
いまなぜ藤沢周平なのか、を論じたいですが、スペースがありません。小生はこの作家をあまり評価していないのです。それを書くと映画評とかけ離れてしまうので、別の機会に譲りましょう。
本作は、公開前にはキムタクの演技力に最大の疑問が投げかけられていました。キムタクは何をやってもキムタクで、 一本調子なセリフ が時代劇に合うかどうか、多くの人が危惧を抱いたのです。
前半、その 心配は適中 しました。セリフ回しが、まさにキムタクそのものだったのです。お毒味役ですが、30石の平侍ですから、藩主にお目見えすることはありません。希望のない単調な日々と、武士としての体面。その 落差と陰影が表現できていない のです。
スクリーンに向かいながら、これが 真田広之 (たそがれ清兵衛)や 永瀬正俊 (隠し剣 鬼の爪)だったら、もう少しサマになっていただろうに、という思いが脳裡から離れませんでした。が、後半になると、慣れたせいでしょう、抵抗感なく鑑賞できるようになったのです。にわか盲目というハンデを背負った役柄に、見るほうが 寛容 になったのかもしれません。
たそがれ清兵衛より禄高が少ない三村新之丞( 木村拓哉 )ですが、きれいな家に住み、3度の食事も煮物などが出てきて、清兵衛よりいい暮らしをしています。 つがいの小鳥を飼う 余裕もありました。子供がいないせいもありますが、妻の加世( 壇レイ )の才覚による部分が多いのです。
この妻女、 女房の鑑(かがみ) です。3歩下がって夫の影を踏まず、とはいいませんが、出しゃばらず、かといってへりくだらず、夫との 距離が絶妙 なのです。封建社会の中での夫婦愛。主と従の関係ですが、愛の深さは民主主義の現在と変わらないでしょう。いや現代より深いかもしれません。この女優、宝塚出身のようですが、自然体の演技は、特筆ものでした。
妻と下男( 笹野高史 )に支えられた平侍の生活。映画もこの2人がいなければ、凡作になっていたでしょう。 武士の一分 を守るために、死を賭して闘う新之丞。ここではじめて、木村拓也に精神的凛々しさを感じました。
全体の出来としては、「たそがれ清兵衛」に匹敵する秀作です。ラストも山田洋次らしいものでした。これを山田監督の限界と評する人もいるようですが、小生は 素直に感動 しました。いい映画です。見て損はしないでしょう。
スターウォーズの予習 2016年01月04日
3D用眼鏡 2015年06月26日
マッドマックス 怒りのデス・ロード 2015年06月26日
PR
カレンダー
キーワードサーチ
コメント新着