ミシュラン ある種の権威 を持つことは事実のようです。
一級のフランス料理が目で味わえる映画、といったらいいでしょうか。この作品の前では、 すべてのグルメ映画は色褪せる ようです。
制作=1988年 デンマーク映画 102分。監督・脚本=ガブリエル・アクセル。原作=アイザック・ディネーセン。音楽=ペア・ヌアゴー。出演=ステファーヌ・オードラン、ビルギッテ・フェダースピール、ボディル・キュア、 ビビ・アンデショーンほか
19世紀後半のデンマーク。辺境の小さな漁村に、マーチーネ( ビルギッテ・フェダースピール )とフィリパ( ボディル・キェア )という信心深い老姉妹がいました。厳格な牧師の父に育てられ、牧師亡きあとも、村人を集めては 賛美歌 を歌い、信仰を説く日々。また わずかな収入を善行に費やす 敬虔な姉妹でした。
若い頃の二人は、 花咲く果樹 、といわれるほどの美人でした。姉には 青年将校 が、妹には有名な オペラ歌手 が求愛しますが、姉妹は信仰の道を選んだため、男二人は 傷心 のまま村から去りました。
14年後の嵐の夜、ひとりの女性があらわれ、家政婦として雇ってほしいといいます。フランス革命を逃れてやってっきたバベット( ステファーヌ・オードラン )でした。彼女は毎月、パリの友人に頼んで宝くじを買っていました。
亡き父の 生誕100周年 を迎えた日、姉妹は村人を呼んで記念の集会を開こうとします。 1万フラン の宝くじが当たったバベットは、フランス式のディナーをご馳走したい、と申し出るのでした。
彼女はパリの高級レストラン 「カフェ・アングレ」の女性シェフ だったのです。 「食事を恋愛に変えることができる女性」 と称されていました。豪華な晩餐会がはじまります。はじめて食する料理に、村人たちは 至福のとき を過ごしました。
これは久しぶりに見た 感動作 です。見終わったとき、心が洗われました。ランボーの詩に 「お前の心はこの汚れた都会の海を離れて」 というのがあったと記憶しています。まさにその通り、身も心も汚れた俗人も、清らかな人間に生まれ変わった錯覚を持ちました。
信仰の道を行く姉妹に、 ジイド「狭き門」のアリサ を思い出し、目頭が熱くなったものです。もちろん錯覚ですから、余韻が去ると、元の俗物に戻りました。しかし、 清らかな印象は容易に消えません。
圧巻は、やはり豪華なディナーでしょう。 ウミガメのスープ にはじまり、次々と供される見たこともない料理。一生お目にかかれないであろう 高級ワイン 。フレンチの知識がある人なら、羨望を感じずにはいられないでしょう。
娯楽アクションも悪くはありませんが、たまにはこういう 琴線に触れる映画 も見ましょう。DVDは廃盤になっているようなので、 ギャオ と繋がっている人は、一刻も早く鑑賞することを強くお薦めします。
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