帰って来たかえるのへや

その2)11月27日記


(2006.11.27記)その2「2人のアカネ」

アカネがアキラと追いかけっこをして
足を自分で家具と家具の間にはさんで身動き取れなくなった事がある。
アカネは事態が把握できず、バックして足を外す事ができなかった。
足が痛いのはアキラが何かしているせいだと思ったらしい。
その割には届かぬ距離にいるアキラ
(アキラは走るアカネにつられて追い掛けていたけど、
この頃はそんなに攻撃的ではなかったのでただ離れて見守っていた)
に一念を固めてしきりに引っ掻こうとしていた。
これも彼女が平常心で暴れていたのではない一例だろう。

どうやら周囲の敵意悪意を想定しているらしい中で、
逃げるのか戦うのか、盲滅法暴れまくり、
ひたすらハイになったあげく、
思いきり動いた満足は見せず、ただネジが切れて眠る。

逆に言えばそんな環境と思うなら良く眠れると思うが、
人格?を切り替えるというか、
眼を閉じて周囲は存在しないものとして処理してしまうようだ。
平気で腹を出して眠った。
正気?(目覚めている時)のアカネが常に人にも猫にも警戒心が強く、
生き物の傍に寄りたがる印象はあるのだが、
ダッコもできないほど緊張を解かないのと対照的な無防備さを
睡眠中は見せ、それは異様な眺めに思われた。

眠い時、人の膝に自分から入って来る時は多かったのだが、
わたしを見ず眼を閉じたままひたすら体をこすりつけ、
性的な興奮状態に陥っている感じで、
動いている限りはハイを求めるようだった。
最高潮(エクスタシー)を経過しないと休めなかったのだろうか?
ともかく人に対する愛情だの
安らぎを感じているとはとても信じられなかった。

眼を開けているアカネ、眼を閉じているアカネ、
それぞれ異様でまったく違ったものにKaeruには思われた。
だがどちらも相手のいない世界に自ら閉じこもっていた。




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