楽しく ひまつぶし Labo

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2023.07.25
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カテゴリ: 読書
今年の2月に発売された桐野夏生さんの最新刊「真珠とダイアモンド」を読みました。



読書した後なるべくこのブログに、ネタバレしない程度の内容と感想などを書くようにしています。
おかげで後からどんな本だったか忘れかけた時に、ブログを読み直すことで記憶を呼び起こすことに役立っています。
読んだ全ての本をブログに残すことは難しいかもしれませんが、少しでも多く書いて自分の読書記録としても役立てたいと思っています。

今回読んだ「真珠とダイアモンド」は、1980年代後半のバブル発生から1990年代初めのバブル崩壊までの経済狂乱時代に若い男女が時代に翻弄されて人生を狂わせていくさまが苦しく悲しい物語として綴られている作品でした。

上巻365ページ、下巻282ページという大作ですが、中学生でもスラスラ読めそうな平易な文章と、すぐに情景が思い浮かぶような分かりやすい表現、次々と読み進めたくなるストーリー展開のため2日間で一気読みしてしまいました。

面白かったけど切ない話でした。

学卒で福岡の証券会社に入社した短大卒の小島佳那(かな)と高卒の伊東水矢子(みやこ)が、学歴も部署も性格も違うけれどどこかひかれあうところがあり、2年後に違う目標をもって東京に行く夢を持って暮らしていました。そこに同じ年度入社の大卒で野心家の望月昭平が絡んで物語が進んでいきます。
危ない橋を渡りながらも成功をつかむのですが、やくざや怪しい医者との付き合いを通じて不穏な空気も流れていきます。そして3人の結末は。。。


真珠とダイヤモンド 上 [ 桐野 夏生 ]
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真珠とダイヤモンド 下 [ 桐野 夏生 ] ​
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上巻の最初に「プロローグ」があるのですが、最後までプロローグと物語の展開がどう関係しているのか気になりながら、ドンドン読み進めてしまいました。

私もバブル時代を通過してきましたが、普通の製造業のエンジニアとして過ごしていましたので、バブルの恩恵もバブルの闇も直接は受けませんでしたが、やはりあの時代の浮かれた感覚は記憶に残っています。
この作品を読んで、あの時代はこんな状況もありがちで今考えるとかなり「ヤバイ」時代だったな、と改めて感じました。

小説には色々な読み方があると思います。
エンターテインメントとして純粋にストーリーを楽しむこともできますし、作品をきっかけに自分の考えを深く見直すこともできます。
この作品はどちらもできる作品だと思いますが、桐野さんがあえて今バブル時代の話を書いたということは、今のこの時代にあのバブル時代の功罪を総括してこれからの時代を生きる心構えを考えるきっかけにしたかったのかな、などと考えたりしました。

読み応えのある一作でした。






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最終更新日  2023.07.25 09:59:02
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