告発した勇気、復活の執念!



2004年6月4日(金)


■タイトル

告発した勇気、復活の執念!


■本文

先日、例によって遅く帰り、テレビのニュースを見ていたら、雪印食品の牛肉偽装事件を内部告発した西宮冷蔵の水谷社長を取材していた。

告発してから、雪印食品以外の取り引きも激減し、おまけに見せしめのように倉庫業法違反で営業停止処分一時期だが受けたりして、廃業に追い込まれたのは、一昨年の11月。

内部告発者保護制度の制定などを訴えて選挙に出たが落選し、負債も13億円。

そして、電気も電話も止められた事務所で、学費が払えず大学を中退した息子さんと中学生の娘さんの三人暮らし。

夏は40度まで部屋の温度が上がり、夜は電気がないので、懐中電灯での生活。


内部告発には、チクリ、裏切り、密告、そんな陰気なイメージがついてまわる。

このままでは自業自得と笑われて終ってしまう。

普通はここでくじけて終るのだが、こんな中でも営業再開を決意。


そこでやったことは、歩道橋の上で本や雑誌を売って日銭を稼ぎながら、事業再建のためにカンパをお願いする行為に打って出た。

これは見ようによっては『物乞い』ではないか。

まがりなりにも従業員数十人を抱える企業の社長だった人が・・・。

しかし、これを物乞いと見る人は少なかったようだ。

その姿勢に心打たれた人たちが、支援の輪を広げて、カンパが集まり始めて、遂には目標金額の800万円を優に超えたと言う。


人間ほんとのどん底まで行くと、死ぬか、捨て身で戦うかしかないようだ。

少々のことで、悩んだり悔やんだりするのは、むしろ贅沢なのかもしれない。


先日、メルマガに『捨て身』のことを書いたら、まだまだ甘いのではないかとご指摘を受けたが、この水谷社長のことを考えたら、『甘い』と言わざるを得ませんね。


漸く動き出した会社には、以前の半分の給料と分かっていて帰ってきた従業員たちがいる。

このことを見ても、単なる売名行為ではないことが分かる。

しかし、これからが正念場で、前途はまだまだ多難のようだ。

主力である輸入貨物が、神戸税関から「保税蔵置場」の許可が出ないため、まだ保管出来ない。

多額の負債があるため、許可が下りなかったのだ。


今までのことを考えたら、この逆境も克服してしまうような気がする。

とにかく『頑張れ!』と言いたい。


少々のことで、悩んだり悔やんだりするのは、贅沢としか言えませんね。


西宮冷蔵どん底からの復活劇
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