近藤雅世の商品先物価格予測

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May 1, 2010
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カテゴリ: カテゴリ未分類
SBI フューチャーズの小生のセミナーに参加された方から、日本の商品先物取引の出来高が減っているのに、解決策の無いことを憂いても仕方がないではないかとのニュアンスのご質問をいただきました。その点について現在小生が知っている限りのことを書きます。

 日本の商品先物取引は証券会社の手によって再生復活すると思っています。

 そのスケジュールは、今年7月の参議院選挙の前に民主党が長期ビジョンのマニュフェストを作ります。その中で金融の一元化が謳われるはずです。民主党がそのまま政権を握れば、来年4月に商品取引所法は金融サービス法と合体して新しい法律が通常国会に上程されます。そこで可決されれば、早ければ2011年10月、遅くとも2012年4月には証券会社が商品先物取引を扱うようになるでしょう。

 海外ではメリルリンチにしてもゴールドマンサックスでも、証券と債券、商品は何らわけ隔てなく投資家の投資対象となって、同じ口座で資金の移動ができます。メリルリンチは大手の商品先物ブローカーです。商品は経済産業省や農林水産省の管轄であるという区分けは欧米にはありません。この官庁の縄張り争いが、日本の商品先物取引の発達をゆがめた一因だと思います。

 同じことは金の売買にもあります。欧米や中国では金は銀行が扱っています。ところが日本では金は旧通産省の管轄下で経済産業省が取り仕切っています。そのため、銀行は金地金を扱っていません。厳密には金地金を扱っていますが、積極的に取引していません。ブリオンバンクと呼ばれる欧米の銀行では、どこの銀行でも金の売買ができます。日本では商社がその役割を演じ、純金積立の胴元をやっています。かく言う小生はかって商品ファンドチームの責任者であると同時に純金積立チームの責任者でもありました。商社は全国の銀行に対して金を販売していますが、商社から金を買わざるを得ない銀行は、ほとんど金扱ってくれないのが現状です。

 さて、上記のような法整備の一元化が仮に遅れた場合はどうなるか。それは東京証券取引所や大阪証券取引所が東京工業品取引所をはじめとする四大商品取引所を吸収合併することです。

 今でも野村証券は商品先物取引をやりたくて仕方がなく、大和証券は2年前の新人募集要項に商品先物取引参入を謳っています。なぜ今参入しないのか?法的には何ら参入障壁はありません。証券会社が今商品先物取引を行わないのは、システム投資が巨額になるからです。証券取引と商品取引のシステムは全く異なり、新たに構築する必要があります。しかし、数年後に金融庁の管轄下にはいるとなれば、商品のシステムは変わる可能性があります。それなら、今システム投資せずに、合体してからやれば良いというのが、証券会社のスタンスだと聞きます。従って東京証券取引所か大阪証券取引所が四つの商品取引所を吸収合併すればことはもう少し早く進むかもしれません。

 東京証券取引所は前期赤字たったために株式会社化が2011年以降にずれこみました。一方大阪証券取引所はすでに株式会社で、資産をたっぷりもっている裕福な証券取引所です。デリバティブは全部大阪で扱う、商品先物発祥の地は大阪だという気概で、商品先物取引所の獲得競争をしています。すでに東京穀物商品取引所や中部大阪商品取引所は経営的な瀬戸際に来ています。関西商品取引所は不動産収入で何とかやっていますが、健全なのは東京工業品取引所一社のみという状況です。それもこんなに取扱高が小さくなると、合併は時間の問題でしょう。

 時間の問題といえば、全部が無くなるのが時間の問題なのです。現在経済産業省等が指導している商品取引の国際化は、余り意味のないことだと思います。



 だから、どうしても市場の拡大には個人投資家の参加が必要不可欠になってくるのです。

 そして、もし日本の商品先物取引がつぶれてしまったらどうなるかという問題定義が、前回2回にわたって述べたことです。
再度申し述べますと、商品先物取引には4つの役割があります。(1)公正な価格の形成の場(2)価格変動リスクヘッジの場(3)常時商品を換金したり、商品を引き出すことができる商品ファイナンスの場(4)投資の場
であります。

 もし日本から商品先物取引が消滅したら、日本が使う上場されていた商品の価格はすべて海外で決まることになります。それでもいいじゃないかという言い方もありますが、おそらく日本の企業の価格競争力に影響が出るものと思われます。現在中国が鉄鉱石の価格を決めるようになりました。そのため新日鉄はブラジルヴァ―レ等鉱山会社の97%UPの価格を飲まざるを得ませんでした。なぜなら価格決定権は中国にあるからです。こうした事態は日本の鉄鋼業の競争力を弱めないでしょうか? あらゆる商品の価格が中国が決めることになっても日本の企業はやっていけるのでしょうか?

 二番目に中国の鉄鋼メーカーは先物でヘッジをしているとすれば、97%の鉱石価格の値上がりは先物取引の利益で相殺されます。だから97%が二回続いても構いません。しかし、ヘッジをしていない新日鉄は、トヨタをはじめとする日本の自動車メーカーや、家電業界に値上げをお願いしてまわる旧態依然の取引をせざるをえません。ところが、中国や韓国のメーカーは鉄板の値上げをしなくても済むとしたら、日本の鉄鋼業どころか自動車メーカーや家電メーカーも、技術の差が縮まった現在、どうやって太刀打ちできるのでしょうか。
幸い、まだ鉄鉱石のヘッジの場はないと思います。しかし、丸棒は上海にあります。また鉄鋼製品を上場すれば済む話です。日本ではアルミを上場してもだれも使いませんでした。中部大阪商品取引所では鉄が上場されていますが、出来高が無くて崩壊寸前です。日本国内だけの話なら、みなが使わないので済むことですが中国や韓国、台湾、シンガポール、ドバイ、インド等で商品先物市場が急速に出来高を伸ばし、それらの国がこうしたヘッジ取引を行ったら、先物は怖いとしり込みする日本企業はいったいどうなることでしょう。

 三番目の商品先物取引の有効活用方法は、上場商品を持っている人は当限で売り、先限で買い戻して、自分の商品を商品取引所の指定倉庫に持ち込んでしまえば、その期間のファイナンスを何の信用の審査もなくできるという点です。
3ヶ月後に必要な原材料を倉庫に保管することなく、取引所に売却して現金を受け取り、先物で買い戻しておけば、必要になった時の3ヶ月後に取引所から現物を引き出せば良いのです。現金を3カ月間運転資金に回すことができます。多くの企業は将来の製品売り成約を持っています。そのため、将来の製品売り価格を将来の原材料価格で作るというリスクを抱えています。長い目で見れば素材価格の変動は少し遅れて製品価格に反映するはずだから、良いという考え方はあります。だから、多くの企業は、何もしないことがヘッジになっていると方便を述べます。しかし、期間計算に縛られた経営者や、一つ一つの取引の原価計算をきちんと行う会社では、原料価格と製品の販売価格の間には適正利潤が常にあった方がわかりやすいでしょう。その方法は先物取引を利用すればできることで、また、その間の在庫資金は不要となります。

 一方、上場商品を生産している企業は、いつでも自分の作った商品を現金化できる市場を日本国内に持っているメリットは計り知れないでしょう。苦労して営業して、国内や海外の顧客に売り歩く必要はないわけですから。運転資金に困った時には商品取引所で製品を処分すればいつでも現金化できます。この場合は、いかに商品取引所の指定倉庫が工場のそばにあるかが問題となります。
輸送コストがばかにならないからです。

 今日本に先物市場が無くなり,中国や台湾韓国インド等で先物市場が発達し、それらの国のシカゴやニューヨークで訓練された若者たちが何の恐れもなくデリバティブ取引を駆使し始めたら、日本に商品先物市場が無いというデメリットは計りしれず日本の企業の競争力を収奪するでしょう。

 だから、日本に商品先物市場の灯を消してはならないのです。中国は、世界中の商品の価格を中国で決めることを国家戦略の一環としています。社会主義の政権が、市場原理を導入し、それを保護育成しようとし、見事成功しつつあります。中国では農民ですら商品先物を利用して、農業生産をより合理化しようとしています。利にさとい中国の農民と、親方日の丸の日本の農民は将来どちらが裕福になっていることでしょう。





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Last updated  May 1, 2010 07:36:08 AM
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Re^2:日本の商品先物取引はどうなるのか?(05/01)  
Platinum 1 day holder さん
ブログのテーマで取り上げていただき、詳細を論じていただいてありがとうございます。masaysanさんの考えをより深く理解させていただきました。
取引所の位置づけの理解の違いから、小生は少し違う見解を持っているので、意見させていただきます。
取引所は取引市場という公的な役割と、収益性を追求する企業としての二面性を持っていると考えます。これまでの株式会社を意識しない過程では、前者の位置づけが強かったので、国益を守ることを最優先に経営方針を決められたでしょう。しかしながら、株式会社化し、自給自足を前提に世界の市場と競争しながら経営する場合は、前提が変わってくると思います。後者の収益性とかマーケットシェアを上げるための視点の優先度がより高くなっています。上場するためには、一定の収益を上げることが要件ですし、取引所は世界的に競争が激しいと聞きます。そういった厳しい状況で、上場商品の価格支配力を維持する余力はあるのでしょうか。2つの目標の達成に必要な方向性がお互いに同じであれば、話は単純ですが、そうではないと感じます。(ただ、このあたりは私も根拠となる事実がないので断言はできませんが。) (May 6, 2010 11:07:38 PM)

Re^3:日本の商品先物取引はどうなるのか?(05/01)  
Platinum 1 day holder さん
(continued)
では、後者に重きを置くとした場合、取引所の収益性・シェアとは何でしょうか。聞くところによると、株式市場の場合は、市場での出来高とか、上場商品の時価総額だそうです。では、その出来高を手っ取り早く増加させる方法は何でしょうか?それは、巨額の資本を有する主体に投資をさせたい環境を作ることです。巨額の資本の保有者として、よく国内の約1400兆円の預金が例に挙げられます。1998年に証券取引手数料が自由化された後に、ある程度が間接金融に流れた事実は注目に値します。が、その進展のペースは正直非常にスローで、取引所が求めるスピード感にはまったく合致しないように感じます。であれば、より確実な方法は、巨額の資金を運用する機関投資家を顧客ターゲットとすることだと思います。日本国民は相変わらず間接金融で低金利・元本保証を好んでいますし、この状況が続く限り、国内の機関投資家は資金量として限定される、そう考えると、海外機関投資家をターゲットに経営を進めていくのは合理的だと私は思います。少なくともTokyo Stock Exchangeはアジアでの時価総額ではトップでないにしても上位にいるので、中国やシンガポールへの資金流入の中でも、まだ挽回の余地があります。現に今年はじめから稼動開始したArrow Headは大きなトラブルもなく順調にoperateしており、流動性・幅広い裁定取引機会を求める海外の機関投資家には魅力に移るという声も聞き、今後はHFTが活性化することでしょう。 (May 6, 2010 11:09:13 PM)

Re^4:日本の商品先物取引はどうなるのか?(05/01)  
Platinum 1 day holder さん
(continued)
最後に、プロ同士の取引ではなく、個人投資家の参入が必要との意見についてですが、株式市場ではtokyo-aimのような、プロ専用の市場を展開する話もあるそうです。商品の場合は何か事情が異なるのでしょうか?同じ商品が多国で取引されれば、時間に関係なく取引が可能でプロ個人問わず利便が上がると思います。そもそもITが当たり前になり、情報の取得、お金の移動コストが低下し、グローバル化が進展した現在は、プロ同士の売買が成り立たない当時とは事情が異なるのではないでしょうか。株式市場では、プロでも順張り派、逆張り派、arbitragerなど参加者は多様で、これによって流動性が生まれます。商品も参加者が国を超えて広がれば、同じではないのしょうか。
たしかに商品業界を株式業界と比べると、個人投資家の参加を促す努力が足りなかったとは思います。たとえば株式に関しては、1単位元あたりの単価が数百万円、中にはyhooのように億単位もする株式が多かった中、多くの個人投資家の参入を拡大するために、数十万円、数万円にするよう上場会社に要望したり、ETFのような、企業以外の証券商品を上場させたり、そして、一番大きいのは、ネット証券に代表される低コストで、手軽、手間のかからない取引方法の登場になりますでしょうか。そして、その変化によって、参加した個人投資家が数百億の資産を築く成功体験も周知されると、なおさら参加者が増加した経緯もありますが、商品業界では、そういった積極的なマーケット展開を行ったのを聞いたことがありません。(miniは認めますが。)逆に商品先物で儲けた投資家は、その事情を隠したがると聞きます。今はFXに主戦場が移っているようですが、これは、ご指摘の官僚側の組織構造の問題、はたまた、当事者意識が薄いまま胡坐をかいて時間が経過してしまったということなのでしょうか。事実とすると、ちょっとお粗末に感じます。 (May 6, 2010 11:10:01 PM)

Re^5:日本の商品先物取引はどうなるのか?(05/01)  
1 day Platinum holderさん さん
(continued)
個人投資家が直接接することになる先物取引会社については、野村とか大和などの大手でなく、すでに個人投資家のシェアの高い、ネット証券である、SBI、楽天(DotCommodity)、Kabu.com、松井などが統合的な投資サービスを提供する方針を掲げながら商品取引サービスを展開するのが、事業ポートフォリオとして健全に思えます。単独事業で採算がとれなくとも、他事業でカバーして、将来のシェア獲得の先行投資をし、既存の顧客もいるわけなので、宣伝しやすいと思うのですが、DotCommodoty以外はあまり聞きません。何か理由があるのでしょうか。
ちょっと話が長くなりすぎたのと、市場が面白い状況で展望コメントを期待しているsubscriberに申し訳ないので、ここらで控えさせていただきます。 (May 6, 2010 11:11:12 PM)

qpwgtj@gmail.com  
モンブラン ボールペン さん
カッコいい!興味をそそりますね(^m^) モンブラン ボールペン http://www.montblanc123.com/ (Apr 29, 2013 02:46:20 AM)

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