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2009.11.18
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カテゴリ: 韓国ドラマ/韓流

 今回も少し長くなったので、『冬のソナタ』の基本色としての白のお話までとなります。

※紅葉の南怡も綺麗ですね。hemiさんが素敵な紅葉をご紹介されています。

1、基本イメージとしての雪=白=純粋


●ユン・ソクホ監督の色彩美学が、この作品では一層成熟した形で表現されていると思います。“白"は、このドラマの季節的背景を成している“冬"のイメージと一致しており、この作品のテーマである“初恋"とも絶妙な調和を織り成していて、『冬のソナタ』だけの独特な美学を生み出しました。
 私は、“雪"の使い方がとても気に入りました。積もっている雪は、溶けると何もなくなってしまう。そのはかなさが、手に入れることの出来ない理想的な愛の姿を思い起こさせます。雪の“白"は、だからこそ理想的な愛をテーマにした『冬のソナタ』と、よく似合うのです。
 一番純粋で、一番汚れやすいこの気難しい色を、ユン監督は『冬のソナタ』を通して本当に円熟した技で取り扱ってくださったと思っています。

 直接カメラを回した撮影監督の言葉では、「白」の温度感覚にまで踏み込んでいます。

●ユン・ソクホ監督は、96年につくったドラマ『カラー』のホワイト編の主要モチーフを『冬のソナタ』にもってきました。『冬のソナタ』で監督が最も重要だと思っていたのは、“純粋な冬の感じ"でした。どういうことかと言うと、“冬のイメージではあるけれども、冷たすぎない感じです。『冬』のイメージを最もよく表すのは、真っ白い雪です。ユン・ソクホ監督は、昼夜問わず雪を白く表現するよう求めました。白は『冬のソナタ』の基本モチーフである“純粋"を意味する色だからです。
 (「撮影スタッフが語る『冬のソナタ』/『ユン・ソクホの世界』64頁)

「純粋」を表す「白」はけして冷たすぎてはいけない。監督の色彩への繊細さには驚きます。白を白として撮影するのは、露出補正だけでも微妙な作業です。まして天候や人工照明の影響がでないよう、撮影監督はさぞかし苦労されたことでしょう。ちなみに『白で描いた悲しみ』では、実験作的な『カラー』シリーズらしく、全体に露出を挙げたハイキーが目立ち、白を強調する作為性を感じさせます。『冬のソナタ』の白は自然な白で、より微妙なカメラ撮影が求められた筈です。

2、「白」以外の重要性―記号としての色彩
 上記したように、『冬のソナタ』の色彩については誰しも白について語ります。しかし従来、指摘されることがなかった点は、第一に『冬のソナタ』全体の中で「白」が画面の基本色として占める比重は必ずしも高くないこと。第二に物語の具体的な展開を演出するのは、ほとんどが「白」以外の色彩である点です。

 第一点に関しては、実際に雪がある風景は、龍平スキー場を除けば、第二話の初雪から年末のデートの待ち合わせ・交通事故、島でのお葬式くらいである点を思い出していただければ十分でしょう(大学路でのミニョン目撃は軽く降ってくるくらいですし・・)。ユジンがミニョンにポラリスのネックレスを返そうと出会った際、ミニョンが「ここでは雪が隠していた、見たくなかったものが見えてしまうようで・・もう一度戻りたいな」と述べています。むしろ純愛を示す白は、二人を引き離そうとする友人・家族達がいる社会的空間と対比的に位置付けられています(この点は別の機会に改めて触れたいと思います)。
  〈「島」・龍平―知人・家族とは離れた二人の場―雪・白〉
  〈ソウル―知人・家族との関係の場―雪の隠しているもの〉
ちなみに、ほとんどが地方ロケが占めた『秋の童話』に比べれば、『冬のソナタ』は、むしろ童話以前における、都会の物語の側面を残しています。ユジンの服装や車、あるいはチェリンの陰謀で四人で食事をすることになる宮が白を基調とした店である点など、雪以外にも白を演出しているとはいえ、白・雪だけで『冬のソナタ』を語れないことは明白です。

 第二点に関しては、「白」=「純粋」が基本色である以上、具体的な場面における演出が、別レベルで行われることは、すぐご理解いただけると思います。ユン監督自身も「 『冬のソナタ』は成熟した面が多いのですが、『秋の童話』はより純粋な結晶体ですね」(秋公式76頁)と述べていますが、後の夏・春に比べても、基本カラー「白」は、多様な色彩を展開しやすいキャンパスだったのではないでしょうか。(そういえばユンスカラーも基本色は白ですね^^;。。)

 長くなってきたので、具体的分析はまた続きということで・・・ユジンを中心に、登場人物の服装の色彩が、記号としてどのように用いられているのかという点を、『カラー』も援用しながら分析したいと思います。






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Last updated  2009.11.19 07:53:57
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