皐月の日。

皐月の日。

冷製茄子バナナ。(レン→カイ←がくぽ)



きっと、あの奴に違いない。


そしてばん! と扉を開ける音がして。


「どうしたらお主を我のものにできる!」


いつもの様にオレのカイトに告白する、と。

はぁはぁ、と息を荒げている姿は、変質者にしか見えないね、オレには。


「あ、えー・・・えーと、どういう意味かな?」

「そのままの意味だ!・・・その、えーと、そなたを嫁に迎えたいのだと!」

「あーあーあー、もう飽きたねそれ。カイトはオレのだって、何回言えば分かる?」

「レンくん?俺はだれのものでもないよー?」

「いいの、黙ってて」


あぁ、分かってるさ。

片思い、早数年。・・・なのにそいつは、そんなオレを差し置いてカイトに惚れやがった。


時は、少し前にさかのぼる――――



     *     *     *




近くに人が引っ越してきた、と聞いてオレとカイトは直ぐに挨拶に向かった。

・・・正直、めんどくさかった。

それに嫌な予感もしてた。男のカン、ってやつ?

ま、それは見事に命中したわけで。・・・後に分かるけど。


カイトがオレの前を鼻歌を歌いながら歩いている。

何だよ、可愛いじゃないかよ。そんなリズムに乗っちゃってさ。

しかもその笑顔!・・・あー、早く告白して恋人になりてぇ・・・。


「レンくん!あの家だよね?」

「あぁ、その家・・・」


無邪気にはしゃぐカイト。・・・そんな可愛いカイトを見ていた、その時だった。


「ふぬぉぁぁあ?!」


目の前で長い髪をポニテにしてたヤツがずてっと転ぶ。

カイトより背、でかい。それなのに転んで・・・かっこ悪いヤツだなー。

てかオレ、男でカイト以外のヤツが転んだら正直許せない。子供はともかく。

大人は見るまでも無く却下だ。・・・よって、目の前のこいつは却下。


そんな風におれが思っていると、カイトがそのヤツに駆け寄っていく。


「大丈夫ですか?!」


そう心配そうに話しかけるカイト。


あぁ・・・・くっそ、ジェラシーだ・・・。

何でそんなヤツに駆け寄る?!

カイトはとことん人には平等だからな・・・!!

・・・・・・くそ。


「だ・・・大丈夫だ・・・武士が、武士がこんな事で・・・!」

「あ、ちょっと手を擦りむいていますね。・・・ちょっと待っていて下さい」


そう言ってカイトは自分の持っていたハンカチを、ヤツの手に巻く。

何だよちくしょう!う、羨ましいなんて思ってねーぞ?!


「・・・これで、大丈夫だと思いますよ」


必殺、カイトの、のんびりにっこりスマイル。

・・・あぁ、やばい。これであいつが落ちるかもしれない。

そわそわしながら、オレはカイトの相手の反応を待つ。


「・・・お、おぬし・・・・」

「どうしました?」

「お主、我と結婚してはくれぬかあああ?!」


そう言ってヤツが、カイトの体を抱きしm・・・えええええ、ちょ、ま、?!


「惚れた!お主の母性に惚れた!!」

「え、はい?!」


当のカイトは焦っている様子で・・・そうだ、オレが助けてやらないとな!

オレはいつかカイトの恋人になる男だ!男同士という事は気にしない!!


「待て、あんた!カイトが困ってるだろ!!」

「れ、レンくん・・・」

「駄目だ!この者は、この者はー!」

「駄々こねるな!・・・じゃ、早く訪問済ませて――――」

「何だ、お主。我の家に訪問をしにきたのか」


え。

え、えええええ。


「お前、ここのヤツ?ここに住んでんの?」

「あぁ。我は『ぼーかろいど』で、我が主がこの家の主だ」


そう言ってえっへん、と胸を張る。ごめん、全然可愛くないや。


「え、ボカロなの、君?」

「左様。我は『神威がくぽ』。がくぽとでも呼んでくれ。・・・特に、蒼い髪の美しい方」


がくぽ、というヤツはカイトの手を取り、その甲にキスをした。

日本ぽくないぞ、それ。名前に合ってないし。


「あ、えっと、僕は男ですよ?」

「そんな事、分かっているに決まっておろう。昔の日本国では、男同士の恋愛等、よくあった事。だから我はお主でも・・・」

「待てと言ってんだろうがあああ!!」

「!! げふっ、」


横から飛び蹴り。オレ、ナイス命中。

がくぽが横に吹っ飛ぶ。


「おおお、お主、何をする!ぎっくり腰になったらどうする!」

「とりあえず、カイトに触れんな近寄んな、半径5m以上に近づいたらはったおす!」

「なっ・・・お、お主にそんな事を言われる筋合いは、」

「それは駄目だよレンくん!何で俺に近づいちゃ駄目なの?この人、きっといい人だよ」


そう言ってそいつに微笑んだら、またこいつが調子に乗るってば!

・・・早く気づいてくれよ、カイトォォォ・・・!!

お前に、本気で惚れちまうんだぞ?!いいのかカイトぉぉおぉ!


しかし天然なカイトが、オレがそれで頭を抱えている事に気づくことは無く。


「・・・あ、あの、その、そなたの名前は?」

「カイトだよ。同じボカロの」

「カイト!おお、なんという良い名前・・・!それに、同じぼかろとは!」


お前、ボカロなのはともかく、名前なんて別に気にしてないだろ・・・ってまた抱きつくな!

オレのカイトから離れろってええええ!!!


「我はお主に惚れた!・・・住んでいる地域が近くでもある事だ、これからもお主にあたっくをさせて貰うぞ!!」



そういうがくぽに、オレは物凄い勢いで、目の前が真っ暗になった。

・・・ついに、オレにもライバルができてしまった・・・・。




     *     *     *




そして現在。

まだがくぽからカイトへのアプローチは続いている。


「カイト・・・その綺麗な髪の毛、肌、吸い込まれそうな瞳・・・全て我のものにしたい!」

「んー・・・レンくん、がくぽが何言ってるのか分からないよ?」

「カイトっ・・・!」


がくぽがショックそうな顔をする。

そして正直・・・ざまぁw と思うオレ。


ライバルは多ければ多いほど燃えるというけど、オレはそんな事考えられないね。

だって、オレが告白できないうち、・・・ま、今は告白してもカイト、分からないだろうけど。

そのうちは、できるだけライバルは増えないでいて欲しい。


・・・うん、今は一人でも増えたらオレ、気分が、死ぬ。

ただでさえ今、危険なのになぁ。カイト、もう既に襲いたいし。

しかし、それをしたら嫌われてしまわないだろうか・・・という自制心が働いて、やってないけど。


「しかし、まだ良い。我がカイトを愛している事には変わりないからな!」

「・・・相手にされてないくせになー」

「酷っ・・・腹切れ貴様ぁあ!!」

「それだけでハラキリは駄目だよがくぽ」

「ぐっ・・・カイトがそう言うなら・・・!」





とにかく恋は成就しなくても、カイトにデレデレながくぽ。

・・・オレは、まだこれからがくぽがカイトにアタックをしてゆくという事を想像し、また頭を痛くした。





ちなみに・・・オレはへタレじゃないんだからな!







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まさかのがくカイ+レンカイです。がくぽ可愛いですよね、攻め的な意味でw
ちなみに、このレンはヘタレンです。ヘタレンなくせに、ツンデレンなのです。

実はがくぽの転ぶ場面、叫び声を「ヘァ!」にするか今のにするか、盛大に悩みました・・・。><
ビバ、サムライ。某・がくぽ動画中毒ですww








2008.8.6

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