皐月の日。

皐月の日。

アイスの誘惑。(レン→カイ←がくぽ)



「あ、がくぽくん。元気だった?」

「勿論!・・・しかし、カイト殿に会えなかったのは寂しかったのだ・・・」

「あ、僕もそうだよー」


・・・なんて会話が俺の目の前で繰り広げられている。

これなんて嫉妬?


がくぽがマスターと里帰りする事になって、何かカイトと仲を進展しよう!と思って、できなかった俺・・・へたr・・・いや、違う!カイトが無垢すぎるだけだ!!

俺は断じてヘタレンではない!断言するぞ・・・!


「レンくん、レンくんも寂しかったよね?がくぽがいなくて・・・」

「あ、え?!寧ろその方が・・・いや、さ、寂しかったよ!」


あぁ、もう、違うのにな・・・!

・・・だって居ない方が良い-、なんて言ったら、カイトが悲しむし!


「我は別に、お主がいなくても・・・」

「え・・・」


がくぽがそう言った瞬間、カイトの顔が悲しげになる。

それを見て、がくぽが焦ったようにフォローする。


「い、いや、カイト殿!我とレンは仲良しだ!・・・な?!」

「あ、え、・・・あぁ、も、勿論だ!」


そう言って手を繋ぐ俺たち。

顔は勿論、互いにこわばり気味だ。


「そっか。なら良かった!」


だけどカイトはそんな事は気にせずにニコニコし、納得して貰えたようだ。

ほっ・・・と胸をなで下ろす。多分、がくぽも同じだろう。


「あ、そうだ。一緒にアイス食べない?僕のアイスあげるから!」

「ほ、本当でござるか・・・?!さすが我が嫁っ!気が利く・・・・・・うごぇ?!」

「調子にのんなこのバカ侍!!」


俺は思いっきり、脳天チョップをくらわせてやった。

がくぽの奇声は気にしない。だって、そっちが悪いんだからな・・・!


てかほんと、どさくさにまぎれて抱きつこうとすんな!このやろうっ・・・!

カイトは俺の嫁なんだからな!いいな?!




     *     *     *




「あーいすっくっりーむー♪」


カイトが歌を歌いながら、冷蔵庫に歩いてゆく。あぁ、くそ可愛い。

がくぽもそんなカイトに見とれちゃってさ。・・・つか見んなってば!

カイトをそんな目で見ていいのは、俺だけなのに・・・!


そんな事を考えていたら、カイトが遠くから声をかけてくる。


「えーと、がくぽくん、レンくん。何味が良いかな?」

「寧ろカイトが食べt・・・いや、じゃあストロベリー」

「じゃあ我は、ちょこれいとで・・・」


じゃあ僕はバニラだねー。と、カイトはアイスをいっぺんに持ってこようとした。


不安定だなぁ・・・実はかなり、危ないんじゃね?


・・・そう思った時だった。


「あ・・・、っ?!」

「っ、カイト?!」


やっぱ、バランス崩した・・・!危ねぇ!!

俺じゃ走っても、手を伸ばしても届かない・・・くそ、身体年齢の差が・・・!


それでも、飛び出そうとした時。


「・・・・っ?が、がくぽ、くん・・・?」

「・・・大丈夫で、ござるか・・・?」


がくぽが、カイトを受け止めていた。

さすが侍、というべきなんだろうけど・・・けど・・・。


悔しい。すっげー、くやしい。


カイト、受け止められなかった。俺の手で。

・・・この差が、なきゃ良かったのにな・・・・くそ。


「えと・・・ありがと、がくぽくん」

「感謝される事ではない。・・・大切なカイト殿の為だ」

「がくぽくん・・・」


・・・あ、あれ?良い雰囲気じゃね?

難か周りにお花咲いてきてますよー。あれー?


「カイト殿・・・」

「がくぽくん・・・」

「まま、待った!待ったって!」

「あ、レンくん。どうしたの?」

「だだ、だって、がくぽと・・・」

「・・・お主、空気を読まないタチだな?」

「うっさい!あーもー・・・!」


くそー・・・だからチビは嫌なんだ!

もっと大きくなって、んで、いつか俺がカイトを受け止めてやるんだからな!


「あ、そうそう。アイス、持ってきたよー。チョコと、ストロベリーと、僕のバニラ!」

「おお、かたじけない・・・我も、カイトと一緒に取りに行った方が良かったでござるな」

「え?大丈夫だよ。がくぽよりはこけるの珍しいから!」

「ちょっ・・・」


がくぽがショックを受けた顔をする。そりゃ、がくぽはドジだからなー・・・。

まぁ、そう言われるのも仕方ないよな!うん!


「レンくん、急に上機嫌だね-。どうしたの?」

「いや。何でもないっ・・・!」


だって、それだけはがくぽに勝ってる気がするし!

俺、ドジっ子じゃないしな!!


んで、いつかはがくぽを背でも、体格でも負かしてやるんだから。

決めた。いつかそれでカイトをかっ攫ってやる!




     *     *     *




「あいすー、あいすー♪」


カイトが嬉しそうにアイスを口にほおばる。可愛い・・・!


「カイト、口の端、ついてる」

「あ・・・ほんと?ありがと、レンくん」


そう言ってカイトは、自分の口についた、溶けたアイスを舐めとる。

・・・お、おおおう・・・・これはけしからん。

むっちゃ艶めかしいぞ、カイト。本当にけしからん。


がくぽもそんなカイトの仕草にめろめろらしく、鼻の下を伸ばしている。

だから、そんなに見つめないでくれってば・・・!


「か、カイト殿・・・凄く、綺麗でござる・・・」

「え?めーちゃんやマスターじゃなくて?」

「勿論!・・・寧ろ我には、カイト殿しか見えてない・・・」

「え・・・が、がくぽくん・・・?」


あ・・・あれ?またいい雰囲気?

待って、待ってくれ。何でカイト、顔がほんのり赤いんだ?


・・・そうか。そうだアイスを食ってるからだ!

幸せすぎて頬染めてるんだよな、分かります。


「あ、がくぽくんも口、ついてるよ」

「・・・ほ、本当でござるか・・・かたじけない・・・・」

「ちょっと待ってて。・・・・」

「か、カイト殿・・・?」


ぺろり。

あ・・・・・・あるぇ?


一瞬、思考が止まった。


「かかかか、カイト殿、何をー?!」

「え、だって、ふきん持ってくるのめんどくさかったんだもん」

「・・・・・あ、はは・・・は・・・」


・・・俺、フリーズ。


だって、目の前で、カイトが、がくぽの口の端・・・舐め・・・・、

今見てるのは幻ですね、分かります。

寧ろ幻で、あって・・・・・、


「あ、レンくんもついてる」

「え、」


ぺろ。


「っ、?!」

「あれ、レンくんも顔が赤くなった。おかしいなぁ・・・」

「っか、カイト殿お・・・?!」


よ、良かった。がくぽが特別って訳じゃないんだな!

・・・俺も同じ立場だと考えると、なんだか妙に、得した気分だ。

だって、カイトに舐めて貰えたんだからな・・・がくぽも一緒だけど!


「レンくん、アイス溶けちゃってるよ?食べないの?」

「え、あ・・・か、カイトが食べれば良いだろ!ほら!」

「いいの?ありがとうレンくん!!」


ぎゅ、とカイトが抱きついてきて、一気に心臓が跳ね上がる。

ひ、卑怯だ!卑怯すぎるぞカイト!!

そんな可愛い行動すんなってば・・・!襲うぞ?!


「じゃあいただきますー」

「え、ちょ、カイト殿・・・レン殿に抱きついたままなのでござるか?!」

「え?駄目かなぁ・・・」


え、ちょ、まじで?

いいの?え、本当に、俺、抱きつかれて、

おまっ、本当に、襲・・・・・!


「そ、それはちょっと・・・というかレン殿、動かないような・・・・」

「あれ?レンくん・・・?」

「・・・・・・」

「?!・・・っ、ちょ、!」


力の抜けた体を、カイトがあわてて抱きとめる。

顔を見てみると、レンの顔は真っ赤で、あまりの出来事に気絶をしてしまったようだった。


「どうして顔真っ赤で倒れたのかなぁ・・・」

「カイト殿・・・鈍感は罪なのだな・・・」

「え、どういう事?」

「・・・いや、何でもないでござる」

「・・・・・・?」











――――そしてその後、レンが目覚めたのは夕方の事で。



数日間、その事を思い出しては顔を真っ赤にして、フローリングをごろごろするレンの姿が見られた。











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投票とコメントを頂けて嬉しかったので、第二段です。
軽いノリって、書きやすいですよね。シリアスばかりじゃ気が沈んでしまいますww

これからもこの3人は軽いノリで書いていきたいとおもいますねw
もし宜しければ、付き合ってやって下さいませ・・・><










2008.9.17

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