カンパーの里 ~私立竜苑学園~

カンパーの里 ~私立竜苑学園~

1、都市との結託


部屋には沈黙が流れる。
さすがにいきなり部屋に現れた獣人はどう対処すればいいのかまるでわからない寒波は黙る他無かった。
「なぁ、名前は?」
獣人は部屋を眺めつつ言う。
「ぇ、寒波だよ。」
「へぇ。」
獣人は転送装置から出てきて寒波の周りを観察するように見て回る。
「うんうん、カンっていうのか。よろしく。」
「えー・・・っと、どこから来た?」
寒波は少し戸惑いつつ言う。
「ヴィスティアからだよ。」
そこで獣人の青年ははっとなり、
「あぁ、俺は友騎。」
と、付け加えた。
「いや、そうじゃなくて!なんでヴィスティアから!?空中都市だろ?」
「いやぁ、不注意で転送装置落としちまって・・・。」
友騎は笑う。
よく壊れなかったなと寒波は関心し、
「じゃあ、客か。待ってろ、今茶を持ってくるから。」
と言って部屋を出た。
部屋を出るとき友騎は何か言いたそうな顔をしていた。
寒波は気づいたが、とりあえず茶を入れてこようと急いだ。

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