カンパーの里 ~私立竜苑学園~

カンパーの里 ~私立竜苑学園~

1、吟遊


寒波の家にグレイムの声が響く。
「なんだ、グレイム?」
「客だ。」
青年が家に入る。
「あぁ、エフラムかぁ!いらっしゃい。」
「初対面の筈だが・・・?」
「いや、さっき連絡が来たんだよ。王国からさ。」
寒波は書簡をグレイムに投げ渡す。
グレイムとエフラムは共にそれを見る。
そこにはエフラムに関する情報と容姿について書かれていた。
「そういや、なんでグレイムと?」
「いや、道を聞かれたからさ。」
「ふーん。」
さして興味なさそうに言うと寒波はエフラムの周りを回る。
「この剣、イーグルホークの真打ちか・・・。」
エフラムは驚いた。
「わかるのか!?」
「剣ならねー。刀はよくわかんねぇ。」
寒波は言うと、グレイムとエフラムを中に招き入れた。
「えぇと、吟遊詩人兼勇者って書簡に書いてあるけど。」
「あぁ、一応な。」
寒波はにやける。
「一曲お願い。」
「弦が引けない。」
「は?」
グレイムまで聞き返す。
「詩は書いても歌わないんだ。」
「なんだよ、この資料嘘っぱちだなぁ・・・。」
寒波は諦め、書簡を投げ捨てた。
書簡の内容を詳しく知りたかったが、エフラムはそれを諦めた。

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