15、守るために（後編）
「我が身に宿る魔の力よ、宿主の身体に与えたもう。『デスプリス』。」
魔法はうまく発動。
寒波の身体に魔力が戻る。
「ちっ！」
キルは即座に停止し、剣を大地に突き立てた。
「この地にいかなる闇をも寄せ付けぬ光の力を！『スーパーシャイン』！」
キルの魔法が発動し、大地が淡く光る！
「むっ・・・」
「うらあぁっ！！」
魔法が再び封じられ、植物で身動きのとれない魔王に刻神が殴りかかる！
ゴスゥッ！
鈍い音が響く。
寒波の身体だが魔王が入っている今、手加減せず殴った。
「ぐっ・・・！」
「さぁ、寒波の身体から出て行け！」
「ふっ・・・ふははっ」
「！？・・・何がおかしい！！」
刻神は魔王につかみかかる。
「この身体に定着化の魔法をかけた。もう二度と身体は返せない。」
魔王はいやらしい笑みを浮かべ、自らの力で植物をへし折る。
「そ・・・んな・・・。」
由紀は涙目になりへたりこむ。
「遊びは終わりだ。」
寒波の身体は少しずつ変化していった。
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