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国際医療福祉大学教授 川上 和久
1 月 20 日には、ドナルド・トランプ氏が第 45 代米国大統領に就任する。トランプ氏については、出馬表明の場でメキシコを名指しし、問題がたくさんある人を送ってきてドラッグや犯罪などの問題を持ち込むと発言、批判を浴びた。その後も「メキシコとの国境に壁を造る」などメキシコ批判を続け、「イスラム教徒は入国させない」などの過激な発言でも物議を醸した。
これらの過激な言動は、産業空洞化で失業にあえぐ、特に中西部の白人労働者向けの選挙パフォーマンスとの見方もあったため、そうだと軽く割り切って、既成政治への批判を込めてトランプ氏に 1 票を託した有権者も少なからずいただろう。
しかし、それが、選挙パフォーマンスかどうか、怪しい雲行きになっている。トランプ氏は年明け、ツイッターで、メキシコ国境の“壁”建設の費用について、まずは米国が負担し、後からメキシコに請求するとの考えを明らかにし、米国の予算に計上される可能性があると報道したマスメディアを批判した。
トヨタ自動車に対しても、メキシコ工場の建設を進めていることに関して、「トヨタはアメリカ向けのカローラを生産するため、メキシコのバハ(・カリフォルニア州)に新しい工場を造るという。ありえない! 米国内に工場を造らないなら、高い関税を払え」と警告し、「アメリカ・ファースト」の内向きの論理を際立たせている。
日本時間 11 日の当選後初の記者会見でも、「私は神がつくった史上最高の雇用の作り手になる」「アメリカを去り、雇用を殺す企業は莫大な関税を支払うことになる」と、米国内での雇用創出を優先する姿勢を明確にした。
大統領に就任すると、公的な立場の人間としてツイッターで軽々しいことも言えなくなるので、今のうちにリップサービスしておこう、という計算が働いていると言えなくもない。しかし、就任前後の発言の一貫性は問われよう。内向きの論理の危うさに翻弄されないために、日本の政治にも信頼関係に基づいた「大人の対応」が求められよう。
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