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●「自民党の変質」の正体
近代的な民主主義の根幹を真っ向から否定するような発信が飛び出し「文化芸術懇話会だが、出席した百田、木原、長尾のこのような来歴を見てみると、この議員勉強会は「日本会議及びその事務局たる日本青年協議会の代弁機関」という側面を有していると断ぜざるをえまい。
そして安保法制議論のドタバタからもうかがい知れるように、「文化芸術懇話会」のみならず、自由民主党全体が、「表現の自由」や「立憲主義」などの近代的民主主義の諸原則を軽々しく踏みにじってしまう、極めて野蛮で幼稚な政党に変質してしまった。
そうして、この幼稚さと野蛮さが近年の自民党から滲み出るとき、その背後には必ずといっていいほど、日本が意義と日本青年協議会をはじめとする「一群の人々」の影があるのだ。
◇
●伊藤哲夫——安倍政権の生みの親
前章までは、日本会議及び日本青年協議会の歴史や思想、活動の実態について解説してきた。本章では重要人物に焦点を当てながら、「一群の人々」を浮き彫りにしていきたい。
まず取り上げるのは、日本政策研究センター代表・伊藤哲夫。
一般の人になじみのある人物ではないかもしれないが、第一次安倍政権発足以前から、安倍晋三の周りに常に付き従い、一部では「安倍政権の生みの親」とさえいわれる、重要人物だ。
伊藤にまつわるこれまでの報道を振り返ってみよう。
例えば「文藝春秋」。
2013年 1 月、『文藝春秋2月号』は、「安倍政権の命運を握る『新・四人組』と題する論説記事を、「赤坂太郎」名義の論説として発表した。この記事は一首相補佐官の来歴を「右派の学生運動出身」と紹介したのち、
今や、安倍の有力なブレーンとなっている右派のシンクタンク「日本政策研究センター」の伊藤哲夫代表を、若き安倍に紹介したのも衛藤だった。(赤坂 2013 )
と伊藤哲夫を「安倍の有力なブレーン」として紹介している。
伊藤哲夫が安倍晋三のブレーンとして報道されるのは、この文藝春秋の記事が初めてではない。
2006 年 9 月 9 日付の東京新聞朝刊に掲載された「『安倍氏ブレーン』どんな人? 靖国、拉致、教育問題…」という記事でも、
六月三十日。都内のホテルの一室に、安倍氏側近の一人、下村博文衆院議員を囲み、四人の学者・有識者が集まった。メンバーは、伊藤哲夫・日本政策研究センター所長、東京基督教大の西岡力教授、福井県立大の島田洋一教授、高崎経済大の八木秀次教授。ここに京都大の中西輝政教授を加え、安倍氏のブレーン「五人組」と称される。(『東京新聞』 2006 ・ 9 ・ 9 )
と、伊藤哲夫を、安倍ブレーンの「五人組」の筆頭として紹介している。
2006 年 9 月といえば、第一次安倍内閣発足直前。この頃から、一部メディアでは伊藤哲夫が安倍晋三周辺で果たしている役割を重要視しているようだ。しかしながら、『文藝春秋』の赤坂太郎名義による記事も、東京新聞の記事も、伊藤哲夫が生長の家関係者であることはなぜかしら踏み込んでいない。特に、『文藝春秋』の記事には口惜しさを感じられる。せかく、衛藤晟一の来歴にあそこまで触れながらなぜ『生長の家』の存在や「生長の家学生運動」に言及しないのか。
とまれ、まずは、これらの記事に頼るだけでなく、伊藤哲夫及び、伊藤が代表を務める「日本政策研究センター」が安倍政権とどのような関係にあるか、検証していこう。
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