PR
Keyword Search
Freepage List
股関節の不調を改善
整形外科医 宇都宮 啓さん
うつのみや・はじめ 医師。 医学博士。日本整形外科化学会専門医。 日本股関節学会での学術評議員、股関節鏡技術認定医。 YouTube ちゃんねる「股関節博士 D r・ Jimmy 」では、股関節に関する情報を分かりやすく解説している。
ポイント
① 3 カ月以上続く痛みに注意
② 無理のないエクササイズを
③ 負担が強い運動は避ける
こんな時は病院へ
股関節は、胴体と両足をつなぐ、ボール状の関節です。両脚を左右に動かしたり、体重を支えたりするひじょうに重要な役割を担っています。
痛みや違和感など、股関節に不調を感じることがあります (別掲1) 。当てはまる場合は、すぐに整形外科を受診するようにしましょう。
股関節の不調で整形外科を受診したのに、異常がないと診断佐太場合、たいてい二つのケースに当てはまります。
一つ目は、エックス線やMRIの検査では分からない股関節唇損傷や、軟骨の軽い損傷などがあるものの、見つかっていないケースです。
二つ目は、股関節の機能が低下してしまったり、うまく使えなかったりする機能障害の状態です。
ただ、居樹がないと言われても、3カ月以上にわたって痛くて歩くのがつらいなど、長い間、日常生活に支障がある時は、何らかの病気が潜んでいる可能性があります。股関節専門の外来に行くことを推奨します。
深部の筋肉を鍛える
股関節に不調を感じている人は、もし病院で異常が見つからなければ、多くは股関節の機能低下や機能障害によるケースになります。
そうした原因として挙げられるのが、日頃の体の使い方が悪いことです。特に、「アウターマッスル」(外側の筋肉)と「インナーマッスル」(体の深部にある筋肉)のバランスが崩れると、体の使い方が悪化します。
筋力トレーニングというと、胸部の大胸筋やハムストリングス(太ももの裏の筋肉)など、アウターマッスルを鍛えるイメージが強くあります。しかし、大切なのは、インナーマッスルを鍛えることです。
股関節を取り囲む筋肉は、大小合わせて 20 以上に及びます。このうち、股関節を前に曲げる動作に関わる「腸腰筋」をはじめ、「小殿筋」「内閉鎖筋」「外閉鎖筋」がインナーマッスルに当たります。
股関節を安定させるためには、これらのインナーマッスルをバランスよく鍛える必要があります。
オススメする運動
インナーマッスルを鍛えられるエクササイズとして、オススメしているのが「H ip3 」です( 別掲2 )。股関節を動かさずにできるため、負担のかからない運動です。
他にも、股関節の機能強化に役立つトレーニングには、次のようなものがあります。
〈ストレッチ〉
関節の可動域には個人差があります。股関節に痛みを感じる姿勢を避ければ、やり方は自由です。ストレッチには、以下のようなポイントがあります——
① 20 秒②伸ばす筋や部位を意識する③痛くなく気持ちいい程度に延ばす④呼吸を止めないように意識する
〈水中の運動〉
「水中ウォーキング」や「アクアビクス」は、股関節に体重の負担がかかりにくく、推奨されています。バタ足やカエル脚(平泳ぎ)は、股関節に痛みのある時は避けた方がいいでしょう。
〈ヨガ、ピラティス〉
体感のトレーニングにもなるヨガや、市井の改善に役立つピラティス。継続しやすいエクサイズでオススメです。
大切なのは、自分の股関節の状態に合わせて無理なく取り組むこと。マシンを使用するピラティスは、専門家の指導を受けながら行ってください。
◇
ジムの機器を使ったトレーニングについては、股関節への負担を考慮し、オススメできるものと、できないものがあります。
「エアロバイク」と「クロストレーナー」は、運動によって関節液の分泌が促され、間接の循環がよくなることがわかっています。
一方、股関節に響きやすい「トレッドミル」や、股関節を深く曲げる「レッグプレス」は、負担が大きいため、不調のある人は控えた方がいいでしょう。
〈 異常を感じたら(別掲 1 ) 〉
〈夜に痛くなる〉
「夜に痛くなる」「じっとしていても痛い」という人は、股関節の何らかの異常が疑われます。
〈普通に歩けない〉
足を引きずらないと歩けない、わずかな距離しか歩けないというのは、股関節が正常に機能していないためだと考えられます。
〈急激な痛み〉
痛みが急激に起こった時は要注意です。特に、転んでけがをしたり、スポーツ中に痛くなったりした場合は、骨折や肉離れがないか、痛みのふぇんいんを確認すべきです。
〈がんを経験した〉
股関節の周りの骨は、がんが転移しやすい部位だといわれています。がんを経験した人が痛みなどを感じた場合は、すぐに診察を受けましょう。
また、病気の治療で大量のステロイドを使用している人も、不調があったら受診が必要です。
〈 Hi p3 ( 別掲2 ) 〉
「B ip3 」は、①「サイドツイスト」②「キャット&ドッグ」→「バード&ドッグ」③「ゲッドアップクロス」で構成されています。まずは、この中の最重要のメニュー「バード&ドッグ」を続けてみよう。
❶背中を丸める 四つんばいの姿勢で、一度、背中を丸めます。
❷背中をそらす (首を長く) 首を長く保ったまま、みぞおちを床に近づけます。
❸目線は前を見る (片手を)手を伸ばす (もう一方の手で)床を押す 右手で床を押しながら、左手を伸ばします。手のひらを上に向けると、肩がねじれず、肩の力が抜けます。そしてインナーマッスルに力が入ります。
❹背中を伸ばす 手を伸ばす 足を伸ばす 続いて右脚を伸ばします。姿勢をキープしたまま、 3 秒間息を擦ったまま、 3 秒間息を吸って 5 秒間息を吐く呼吸を、 8 回行います。
※左右を逆にして❶~❹まで行います。
「ハード&ドッグ」は、股関節の周りのインナーマッスルである腸腰筋を鍛え、体幹も安定させてくれます。
【健康 PLUS+ 】聖教新聞 2025.3.1
糖尿病なら目の定期検査を November 8, 2025
膝の痛みを防ぐ四つの方法 October 30, 2025
孤独、動脈硬化を促進 October 5, 2025
Calendar
Comments