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多様な個性と力強く環境を
「パワハラ」なき職場へ
暖かい日が増えてきた。春は移動、転勤の時期。身の回りの環境も、人間関係も変化する。新たな職場に期待をする半面、不安を抱く人いるのではないだろうか。
職場の人間関係におけるトラブルの一つに「パワーハラスメント(パワハラ)」が挙げられる。 2023 に実施した厚生労働省の調査によると、約 2 割の労働者が〝過去 3 年以内にパワハラを受けた〟と回答。同年の都道府県労働局への相談件数は 6 万件を超えた。
一方、近年は企業や雇用主にパワハラ防止措置が法的に義務付けられるなど、パワハラ問題への認知も着実に進んできた。
パワハラは職場での優越的関係を背景に、業務に不必要・不適当な言動で、働く人の就業環境を害するものを指す。職場のルールに反する言動への注意や、育成を目的として高いレベルの業務を任せることはパワハラに当たらない。
とはいえ、自身の言動がパワハラに当たるかどうかを自ら判断することは難しい。どのようなコミュニケーションを取ればよいかと悩む人もいるのではないか。
前述の厚生労働省の調査では、パワハラが起こりやすい職場の特徴として「上司と部下のコミュニケーションが少ない」ことが挙げられている。パワハラが起きるリスクを減らすために、部下や後輩などの接点を少なくすればいいと考えるのは間違いだ。
「パワハラ」という言葉の生みの親である企業コンサルタントの岡田康子さんは、「部下が何を望み、どの方向で成長したいかを知り、その上で社会の期待や組織との調和を考えて対話を重ねることです」と指摘した。
大切なことは、日頃からコミュニケーションや対話を重ねることで、同じ職場で働く人同士の「すれ違い」を防ぐことである。
その上で、互いの価値観や個性を理解し、尊重しあって意見を交わす。会議での積極的な発言や提案、業務上の報告をしたこと自体を褒める。果敢な挑戦を歓迎する——職場にそのような雰囲気があるからこそ、皆がやりがい・働き甲斐を感じ、成果をあげられるのではないだろうか。
どんな職場でも、人材こそ最大の財産であることに変わりはないだろう。さまざまな場面で一人一人が多様な個性を輝かせ、力を発揮できる環境を築いていきたい。
【社説】聖教新聞 2025.3.29
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