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2008年05月28日
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カテゴリ: 本
劫尽童女 恩田陸 著 松森雅孝 装丁 佐々木悟郎 装画(2002年4月20日初版一刷発行 光文社)



 こちらは文庫

初出誌
季刊「ジャーロ」(光文社)2000年秋号~2001年秋号まで連載。単行本化にあたり加筆修正。

夏も終わりに近い別荘地。
杖を手に、相棒のシェパード・アレキサンダーを連れた男・ハンドラーは別荘地の中のメイン道路と歩いていた。リストをもとに別荘の住人の在・不在を確認するために。
と、足もとのアレキサンダーがぴくりと反応する。利発そうで可愛い十歳くらいの少女だ。リストにはない。
あいさつを交わす二人。
少女の手にはバスケット。どうやら別荘の管理人の祖母の代わりに荷物を届けに行くらしい。


男が所属する組織ZOOは伊勢崎博士を捜索していた。7年もの間姿を消していた博士は彼の息子遥と戻ってきたらしい。

博士は所謂天才児で早期英才教育を受け、アメリカで軍医として国家機密に関わる研究、「動物兵器」について研究していた。
生まれながらにして人間より格段の能力を持つ動物は幾らでもいる。それらをうまく『栽培』し、その能力を数値化しソフト化することは不可能だろうか?
薬物と遺伝子操作を組み合わせ特殊能力において図抜けた生物を作る…アレキサンダーはその研究過程で生み出された生き物。彼の嗅覚は訓練を受けた警察犬より数倍強い。
そしてその研究はZOOの主幹をなすものであった。
ある日、博士は研究の全てを持って失踪した。残された妻は息子を逃がすために…

車いすに乗っているとみられる息子。息子をとらえれば博士も…
博士を狙うハンドラーらZOOの工作員たち。だが…



劫尽とは劫尽火のことなのだそうです。何もかも燃やし尽くす火。
それだけ聞くと何でも燃やしてしまう能力かと思ってしまうけれど…

 とか、ネウロの火火火の人とかまあ色々思い出しますが…




遥が不憫でした。能力はともかくまだ子どもなのですから。
母を奪われる瞬間も、父との別れも、ただ純粋に愛する我が子を生き延びさせるためだけではなく大切な研究成果を残すためのように見えましたし。
もちろん博士は遥のため後々のことまで考えて入念に用意はしていたのですが…

それにしても怪しい人物ばかりです。いちばんらしくない人物がって奴ですね。

恵美子も不憫な女性でした。これから起こる苦痛から解放するために…甘く魅惑的な言葉。



 とか   を思い出したりして…

突然の人喰い犬登場?拉致。
そして遥の…
自分と同類に出会い、自分の存在意義を見出せ、自由はないけど息の合った作業は充実した時間だったことでしょう。しかし…
なんだか孤独をより一層深め、わずかに信じていた物も亡くしてしまったようです。


最後に向かった先でようやく穏やかな日々と新たな意義を見出しますが…

…しぶといなあ。

そして、奇跡。骨をうずめる場所。ようやく見つけたようです。

あの最後の声は一体誰の?誰とでも取れるよなあ。

遥を送り出す言葉を神崎は声には出せなかったけど、きっともう必要としていなかったに違いない。むしろ遥の方が皆の身を案じていたのだから…



設定も面白いし、一つ一つの章は面白いなあと思うし、一気読みしてしまいましたが何となく物足りない感じ。
これ以上孤独感を深めることなく明るさを感じさせ(と言うかそのまま光だけど)いったのは良いと思うのだけど…





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最終更新日  2008年05月30日 11時49分04秒
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同感ですー  
☆mam  さん
この小説は途中まではとっても面白く読んでたんです。
設定とかマンガでよくあるけど面白いし、恩田さんらしく次へ次へと読みたくなる文章と構成で、私も一気読みだったんです。
だけどラストで「えっと・・・」状態になっちゃって。
あれだけ盛り上げてたストーリーが、どうしてこうなっちゃうんだろう?って感じで。

私は恩田さんの作品って特にSFっぽいものに、そう言うことが多いんですよね。
その初めて経験がこの本でした。 (2008年05月30日 12時15分34秒)

Re:同感ですー(05/28)  
yamahusa  さん
☆mamさん
>この小説は途中まではとっても面白く読んでたんです。
>設定とかマンガでよくあるけど面白いし、恩田さんらしく次へ次へと読みたくなる文章と構成で、私も一気読みだったんです。

ええ、わかります。もう先が読みたくって睡眠時間を削りましたよ!

>だけどラストで「えっと・・・」状態になっちゃって。
>あれだけ盛り上げてたストーリーが、どうしてこうなっちゃうんだろう?って感じで。

遥は人類を超越した存在になって神崎たち同様、私たちを置いてきぼりにしたのかと思いましたよ。
途中で手にあまって投げ出した感じ?

>私は恩田さんの作品って特にSFっぽいものに、そう言うことが多いんですよね。
>その初めて経験がこの本でした。

面白かっただけに惜しいです。最初から世界に入り込めなくて(こういうのもたまにありますよね)こっちが先に投げ出してしまったなら仕方がないですけど。 (2008年05月30日 12時46分17秒)

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