ラッコの映画生活

ラッコの映画生活

PR

Calendar

Comments

Jeraldanact@ Проститутки метро Электросила Брат замминистра инфраструктуры Украины…
SdvillkeS@ ИнтерЛабСервис [url=https://chimmed.ru/ ]brueggemannal…
hydraGes@ Новая ссылка на гидру v3 новый сайт гидры v3 <a href=https://hydraruzpnew4afonion…
間違い@ Re:『沈黙の行方』トム・マクローリン監督(米・加2001)(02/21) 姉ではなく、妹です。 なので、弟ではなく…
RogerEQ@ Это вам будет по вкусу разработка сайтов веб сервис - <a hr…

Profile

racquo

racquo

Favorite Blog

コイケランド koike1970さん
Kabu + Plus エースNo1さん
行きかふ人も又 はる **さん
Nobubuのbu… Nobubuさん

Keyword Search

▼キーワード検索

2007.06.24
XML
正確に言うと「日本の古い映画」と「日本に限らず時代劇映画」と言う意味で、どちらかと言うと、もちろん例外はあるけれど、ボクの苦手とするタイプの映画だ。ここでもっと正確に説明を加えるなら、日本の古い映画とはおおむね戦前の映画で、時代劇映画の時代とは特に近代以前の時代設定の映画のことだ。

SF映画には(SF小説も同じだが)、方向性として2種類あると思う。1つはかなり芸術的ないし実験的映画になると思うが、未来の社会や人間の心性を想像・探究する試みのもの。人が権力欲を持たなくなった社会や、戦争などの争いなどない社会などを考える映画とかだ。このタイプのものは皆無ではないにしても、そう多くはない。しかしこのタイプの映画に現代人の心性を持ち込んでしまうと、たちまちもう1つのタイプに転落してしまう。

第2のタイプ、ありきたりのタイプは、時代設定を未来にしているだけで、描かれる人間が現在と大して変わらない映画。時代を未来に設定すれば、東京⇔大阪を5分で移動できるという設定だって可能だし、人間の転送やタイムマシーンだって可能だ。たんにそういう技術の変化そのものに魅力を持たせる映画も可能だし、そういう設定を使って現代の現実的道具だてでは表現しにくい「現代の」人の心性を描くことも可能だろう。

ソ連映画にはSFが多いと言う人もいるが、あまり見ていないので良くはわからない。ソ連のSF映画で思い浮かぶのはタルコフスキーの『惑星ソラリス』が筆頭か。ソ連映画にSFが多かったのは、現代を舞台にするよりも抽象性が高く、検閲にかかりにくいかったからだという。反体制的と断罪される映画を作れば監督といいう職を失うことだってあったし、下手をすれば国家によって暗殺されたり、刑務所に入れられてしまう社会だったからだ。そういう意味ではソ連のSFは保身のための第2のタイプだったのかも知れない。

古い映画や時代劇の話をするのにSF未来劇の話になってしまったが、説明として分かりやすいので使ったまでだ。なぜなら時代劇にもSFと同じ2つのタイプがあるからだ。1つは中世なら中世の社会や人々を描いた作品であり、もう1つは時代設定を中世にしているだけで、描かれる人の心性はおおむね現代のものというタイプ。前者にはどうしても後者の性格が混入してしまい、ウソっぽさを感じてしまうので好きになれない。後者では古い時代設定と登場人物の現代とかわらぬ心性のギャップにやはりウソっぽさを感じてしまう。古い時代設定の映画でこの違和感なしに見られた映画で、今すぐ思い出すことのできたのはパゾリーニの『デカメロン』と『カンタベリー物語』、あるいは『豚小屋』だろうか。

それでは何故古い映画については「日本の」という限定を付したのか。ボクは決して歴史に詳しいわけではないので、あくまで勝手な思い込みだが、日本の江戸時代250年というのは、社会や人々の心性の変化がのろかった時代ではないだろうか。少なくとも鎖国で海外との交流は少なかったし、人口だって3千万くらいでずっと変化がなかった。それが開国や明治維新による急速な近代化・西洋化で社会や人々の心性は大きく変わった。250年を一気に消化しなければならなかった。そして戦後の民主化でまた大きく変わった。そしてボクが生まれたのはこの民主化以後の時代なのだ。だからそれ以前の人々、映画に描かれる社会や人々も、映画を作った監督などの人々も、その心性が自分のとはある種の断絶があるような気がする。だから考古学として当時の人々や社会を知るための資料にはなっても、映画として直には楽しめないものが多いのだ。

しかし欧米、特にヨーロッパの映画は違う。たとえばここしばらくの間に見た古いヨーロッパ映画は、イングリッド・バーグマン初期スウェーデン時代の 『ワルプルギスの夜』 (1935)やヒッチコックの『バルカン超特急』(英1938)だけれど、時代や映画のテンポがゆっくりとしている点はあっても、あるいは女性の地位が今ほど自由ではなかったりするけれど、人々の心性や社会は本質的に何も変わっていない、現代に連続しているのだ。物的な面でも自動車の存在は現代と同じだし、着ている服だってモードの変化はあっても今と同じく洋服だ。

こんなわけで、古い日本映画と広く時代劇映画が苦手なのですが、みなさんはどうですか?。




監督別作品リストはここから
アイウエオ順作品リストはここから
映画に関する雑文リストはここから





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2007.07.08 00:28:05
コメント(2) | コメントを書く
[映画についての雑文] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: