ヘナヘナライター 生態日記

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加藤美保

加藤美保

2011.09.20
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ドラマ『セカンド・バージン』を勢いで観てしまった(笑)
2010年にNHKで放映された作品で、放映前から予告を観ていて知っていた。
「濃厚そうで趣味じゃないわ」と思っていたが、予告を数回見たぐらいで覚えたいたのだから、一応心にひっかかるものはあったのかもしれない。
映画化されたと聞き、ちょっと気になって初回を観たら、面白くてやめられなくなり、一気見してしまった。
鈴木京香演じるバツ1でアラフォーのシングルマザー「中村るい」が主人公。ベストセラーを連発する人気出版社の理事を務めるキャリアウーマン(もはや死語)だが、浮いた噂はひとつもない「鉄の女」だ。そんな彼女が偶然、17歳年下のエリート官僚「鈴木行」と出会い、熱い恋に落ちるというもの。このエリート官僚「鈴木行(こう)」の妻役をあの深田恭子が演じている。
このドラマを観る前、たぶん女性ばんの「失楽園」だろうと思ったら、まさにそんな内容だった(笑)。男のファンタジーを描いたのが『失楽園』なら、女性のファンタジーを描いているのが『セカンド・バージン』だろう。
それはそれでなかなか面白い内容なのだが、私が夢中になったのは、実は秋月という大御所作家だ。日本の文壇にとてつもない影響力を持った人で、るいと出版社の社長が会社を設立するときに助けてくれた大恩人。博識で博学、話題が豊富でカリスマ性溢れる女だ。お気に召した人間にはとことん便宜をはかり大事にするが、逆鱗に触れたが最後、手のひらを返したように冷酷に振る舞う。実はこの手の女、権力を手にした年配の女性によく見るタイプだ。
絶対的な利己主義を悪気なく無意識のうちに行う。しかしそこに意識した悪意は存在せず、本能の赴くままに行動しているのみ。こういう女性は絶対に未婚だし出産経験もない。そんな人並みな経験をしてしまったら、自分に対する盲目的な愛情や絶対的な自信は生まれないからだ。
この秋月が、特に理由もなくるいたちを助け、特に理由もなく全てを奪い、そしてるいが使える女だと知るや否や、再びその力を与える。それはまるで神のように。


絶対的な利己主義という意味では、主人公のるいも同じ。行の妻もこれまた同じよう。つまりこのドラマは、絶対的に利己主義な女たちに振り回され、弱体化していく男たちと、さらに自分の命さえも捧げる男の屍を乗り越えて華麗に咲く主人公の生き様が鮮やかに描かれているのだ。
もちろん、現実はそんなに甘くはない。17歳も年下の男が50を目の前にした女に夢中になり、命さえも投げ出してくれるというようなおとぎ話はない。
しかしたったひとつ、このドラマにはウィークポイントがある。主人公ルイの息子のサイドストーリーだ。母性が欠落し、子供を育て損ねたるい。しかし、この息子の母親に対する態度は甘いに尽きる。現実では、育て損ねた子供はもっと明確に、もっと残酷に、もっと執拗に執念深く、親にかたき討ちをする。それは二度と立ち上がれないほどに、だ。そして社会も、子育てに失敗した女に対して、徹底的に鉄槌を食らわすのだ。このドラマ、薄い親子描写だけが残念だった。なんでるいを子持ちにしたのだろう?子供なんていないことにした方が良かったように思う。





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Last updated  2011.09.21 00:12:08
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