得する情報?が満載かも : 『おしゃべり◆アフタヌーン』

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梨に関する調査結果



・栽培について
「桃栗3年柿8年、ユズは9年で花ざかり、梅はすいとて13年」と言われるが、梨の場合は種子から出発した実生苗の場合、5から6年以上の期間が必要になる。
二十世紀交配種の場合、台木に接いだ苗木の場合3年目から、接ぎ木の場合翌年から果実をならせることができる。
二十世紀交配種は、自家受粉しないため、他の品種の花粉で人工授粉して果実をならせる。したがって、梨の果実から種を取り、植え、育て、果実が実ったとしても、それは親梨とは違った梨です。(おさ二十世紀・おさゴールドを除く)

梨の品種
国内で食べられているのは日本梨がほとんどで、わが国に自生するニホンヤマナシから改良された。日本梨を大きくわけると肌の赤い赤梨と肌の青い青梨に分けられる。
青梨の代表は二十世紀で、赤梨の代表は幸水、豊水、新高など。
収穫時期の品種で分けると、早生種、中生種、晩生種の3種類になる。

まず、「トリビアの泉」にも紹介された二十世紀から
・二十世紀(千葉県松戸市):ごみ捨て場で偶発実生として発見されため、親の品種は現在でもまだ分かっていない。現在は鳥取県が生産量日本一。
現在市場に出回っている梨の8割は、二十世紀から交配された品種。梨の代表品種の幸水は、二十世紀の孫にあたる。 うんちく/二十世紀梨の誕生
・長十郎:やや扁球形で中型。多汁で甘みも強い。明治二年頃神奈川県の当麻長十郎の梨園で偶然見つけられ、その発見者の名前から長十郎と命名された。梨園は川崎大師のそばにあったので、大師境内の石碑に長十郎の由来がしるされています。梨の強敵黒斑病に強いため急激に広まりましたが、肉質が堅くて粗く、品質もばらつきが多く、日持ちも良くない。また産地により品質が異なる事が知られ、寒冷地帯のものは暖地産のものより味が淡泊です。
赤梨の代表品種でしたが、幸水、豊水に取って代わられてきている。八月下~九月下旬に熟し、収穫期間は長い。
・おさ二十世紀:二十世紀交配種は自家受粉しませんが、突然変異として、鳥取県泊村内の梨園から自家受粉する樹が発見された。この梨は、園主の長(おさ)さんの名前から「おさ二十世紀」と名付けられた。
・幸水(こうすい):8月中旬~下旬収穫。 果肉は緻密で軟らかく多汁です。甘味が多く酸味は少ない。梨の代表的な品種として定着。
・豊水(ほうすい):9月中旬~下旬収穫。 肉質は軟らかく多汁。少し酸味もあるが、甘味とのバランスがとても良い。幸水と同じく、梨の代表的な品種として定着しつつある。日本の梨生産量の4分の1以上を占めながら約半世紀もの間、交配に使われた品種が不明だったこの豊水の"両親゙が2003年DNA鑑定の結果「幸水」と「イ-33」という品種である可能性が極めて高いと果樹研究所(茨城県つくば市)が正式に発表した。
・新水:生産性や価格がとれにくいことから淘汰された。
・新星:晩生品種の大玉梨。りんごに似た形がユニーク。きめ細やかな肉質で、酸味は少なく甘味が多い。
・新高:10月上旬~10月中旬収穫。 天の川と今村秋の交配種。大正4年に交配して育成したもので、昭和2年に新高と命名されました。大玉の品種で歯ざわりが良く、芳香もある。大きいもので1キログラムにもなり、日持ちも良い。日本から韓国に伝わり韓国では人気ナンバー1となっている。日本ではニイタカと呼ぶが、韓国ではシンゴと呼ばれる。
・新興(しんこう):11月上旬~12月中旬収穫、晩秋梨の定番種。昭和7年に二十世紀の自然放任果から種子をとり育成したもの。昭和16年に新興と命名されました。日もちが良く。貯蔵条件が良ければ、翌年まで楽しめます。 お正月こたつの中で食べる梨では最高。
・親水:菊水と君塚早生の交配種。昭和22年に交配して育成したもので、昭和40年新水と命名されました。やや小型で扁球形尻の部分が広く深い。果皮は黄褐色。
肉質は二十世紀と同様の柔らかさだが幸水より粗い。味は濃厚で、早生品種のなかでは味が良い。8月中旬に熟します。黒斑病に弱い。
・秋栄(あきばえ):糖度が高く、肉質も優れる梨。二十世紀と豊水の交雑種。
・豊月:昭和49年に晩三吉×[二十世紀×(菊水×八雲)]の交雑を行って育成した。
・秋月(あきづき)[筑波47号]:昭和60年に(新高×豊水)×幸水の交雑を行って育成したやや晩生の赤ナシである。果肉は白くやわらかくて緻密。果汁も豊富で食味は最上級。くどくない甘さと上品な歯ざわりが特徴。
・愛甘水:7月下旬から8月上旬収穫の早生種の赤梨。猪飼孝志氏が昭和55年に「長寿」に「多摩」を交配して誕生した。果実の形は扁円に近く、果実の大きさは300~350g。
硬さ及び粗密は中程度で甘味は多く酸味は少なく果汁も十分な品種。
・清澄:収穫時期は8月初旬の青梨。新水の青芽性。果肉は、新水と変わりがないが肌が青いので見た目での食感が梨という旨味を感じる。新水と同様あまり大玉にはならない。
・八幸:収穫時期は8月中旬の青梨で1果が500g以上のものが年によって、3割から5割位は出来る。糖度が少し低いので現在はあまり生産されていない。
・瑞秋
・晩三吉:新潟県で発見された品種。果実は特に大型で1キロくらいのものもあります。枝付きの方がやや尖った不正の球形。果皮は黄褐色。
暖産地は甘みが弱い。やや酸味があり、肉質は緻密で柔らかく多汁。外見は悪いが貯蔵力は強い。10月下旬から11月収穫熟して翌年の4月~5月まで貯蔵出来る。貯蔵梨として有名で他の梨がほとんど見られなくなった冬か春に出回ります。
・菊水
・あきあかり
・秋麗
・サンゴールド
・かおり:10月上旬~下旬収穫の晩生品種。1果の大きさは550~2300gと最大級の大玉品種。芳香があり、糖度も16度と甘くおいしい品種。日持ちは悪い。
・愛宕(あたご):(岡山県)大正時代初期に育成された。
形は扁球形で、果皮は赤褐色。肉質は柔らかく、独特の甘みがあります
「二十世紀」と「今村秋」との間に生まれた赤梨。大きさは普通の梨の2.5倍~4倍あり、平均1~2キロ位で日本一大きい。肉質が柔らかく、甘みが多いのが特徴。
・天の川
・今村秋:高知県で偶発実生として発見されたと考えられます。大型で枝のまった球形。果皮は赤褐色で、肉質は柔らかく多汁で甘みが強い。
10月上~中旬収穫。収穫直後は渋みが強いが、貯する内においしくなります。
・イ-33
・長寿
・多摩
・初霜(はつしも)
・国長(くになが)
・大古河(おおこが)
・赤龍(せきりゅう)
・世界一(せかいいち)
・伯帝龍(はくていりゅう)
・耕渡(こうのわたり)
・天祐(てんゆう)
・八達
・土佐
・三吉
・越後錦

比較的新しい品種
・ゴールド二十世紀:ガンマー線の照射によってできた梨。二十世紀梨の欠点である黒斑病にほとんどかからない、病気に強い品種。平成3年に誕生。

最近の新品種
・おさゴールド:おさ二十世紀の自家受粉する形質とゴールド二十世紀の黒斑病に強い形質の両方を持ち合わせた「おさゴールド」が農林水産省と鳥取県の共同研究により開発され、平成9年に品種登録されました。
・王秋[おうしゅう](茨城県つくば市):独立行政法人果樹研究所が誕生させた。鳥取県などで栽培が始まっている。10月中旬から11月初旬にかけて収穫される、下ぶくれの形が特徴の晩生種梨。
・にっこり(栃木県):栃木県農業試験場が開発。観光名所「日光」と「梨(り)」をつなげて名付けられた。1個約800グラムと、大きさは幸水、豊水の倍。晩生種。
・南水[なんすい](長野県):長野県南信農業試験場が開発。9月下旬から11月下旬収穫の晩生品種。とにかく甘い。果汁も多く酸味も少ない。

新種に晩成品種が多いが、時期的な珍しさを狙った産地の思惑が共通した結果。おいしさでも従来の晩生種にはない甘さ、みずみずしさが特徴になっている。ますますご当地品種競争が激しくなって来るかも?

アジアの梨
鴨梨(中国)、南果梨(中国)、蒼渓雪梨(中国)、苹果梨(中国)、黄金(韓国)、

洋梨品種
・バートレット(英国):缶詰加工用に利用された。
・ル・レクチェ(フランス):明治36年頃オルレアン市から新潟県内に導入された洋梨。今年(2004)で、日本に伝わって101年目です。
・ブーレ・ボスク(ベルギー)
・スタークリムゾン(米国):名前のとおり赤い梨。
・ラ・フランス(フランス):1864年、フランスのクロード・ブランシュ氏が発見。そのおいしさに「わが国を代表するにふさわしい果物である!」と賛美したことから「ラ・フランス」と名前がついたという。日本には明治36年にバートレットの受粉樹として入ってきた。
※ふつう果樹は単一品種だけでは実がなりにくい。そこで違う品種を受粉樹として畑に入れ、実を結ぶ確立を高めるという栽培手法をとる。
・シルバーベル:晩生品種。大玉。ラ・フランスの交配種。
・山園P1号:山形県立園芸試験場で開発。ラ・フランスとバートレットの交配種。450g前後という大玉で、とても甘く品質もよい。

洋梨は収穫直後は硬く、収穫から追熟期間(14~40日)をおいて果皮の色が鮮やかな黄色(橙に近い色)になり、豊潤な香りがし、指で触れて軟らかい感触がしてからが、食べごろとなる。

・日本の梨
「ナシもイネと同じように、大陸や朝鮮半島から渡って来た人々によって持参された」との大陸渡来説が有力。
梨は中国で発祥し、初めて人々の食となった。
朝鮮半島では梨は高貴な祭祀の果実、人生の節目をかざる果物のとされていた様である。半島からの古代の渡来人より伝わったのは日本で発見された500万年前の梨の葉の化石でその時代が想像できる。
江戸っ子たちが食べた梨は「初霜」、「赤龍」という品種らしい。
オーストラリアへは日本から二十世紀梨が海を渡り伝わった。
今後、DNA研究から謎だらけの梨の先祖・家系図が解明されるであろう。

・日本の洋梨
西洋梨は16世紀頃からドイツ、イギリスで栽培されはじめ、18世紀のイギリスで代表的な品種のバートレットが発見される。これが明治の初めに日本に入った。
 しかし当時は、実ったはずの果実を食べようとしても、石のように固くてまずい。「こんなもの食べられないと捨てておいた。それが時間がたつと黄ばんで香りがしてきたので、拾って食べたところおいしかった。収穫の後に熟させてから食べることに初めて気づいた」という笑えない記録がある。
 このバートレット畑に細々と植えられていたのが、当時は受粉樹の身だったラ・フランスだ。

参考: (社)農林水産技術情報協会 -- 新技術探訪 --

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