乾いた心を癒す音

乾いた心を癒す音

四重奏ゲーム 1



「全くだ。お前の姿は素晴らしく見事だったぞ。
もう少しあの姿でいれば良かったのに。」

ここは発表会の会場である。
会場内にある喫茶店の丸いテーブルの一つには、存在感のある、しかし傍目に共通点の無さそうな4人の男女が腰を落ち着けていた。

常ならば注目を浴びて然るべき状況の所だが今日はそうではなかった。
というのも、現在、審査結果を待つ、暇を持て余している観客の心は皆、先ほどの発表会のラストを飾った、幻かと思うほどの美しさを誇っていたあるモデルに、一人残らず捕らえられていたからだ。




その噂のモデルはと言えばすでに元の…この世界では…であるが、13歳の少年の姿に戻り、円卓を囲んでいるのだが。




「ごめんだね。あのあと控え室に戻るまでに一体何人のモデルに絡まれたか知らない。
…全く、女って奴は。」

「今ごろシェラは大変だね。モデルの女性は誰だって、大騒ぎになってるんじゃない?」

少なくともぎりぎりまでモデルの代役探しなどをしていた学校の先生などは、さっきのモデルは誰か、あの人が以前にこれを着ていた人なのか、などとシェラを問い詰めているに違いない。

「それぐらいはしかたないだろ。オレにまたあんなカッコさせたんだ。それなりの責任は取ってもらわなきゃな。」

「金色狼にドレスを着せた代償があの騒然となった会場の収拾つけたあ、月天使にとっちゃあ不幸な限りだな。」
冷たくあしらうリィにケリーがからかうように言った。

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