乾いた心を癒す音

乾いた心を癒す音

主人と従者 2



ただ、この人の側にいることが、この人の目が眩むほどの光の側にいることが私の今の望みなのだ。


それこそが『私の守りたい物』であり、そのためにこの方こそが私の『守りたい者』なのだ。



この人は、自分のしたいようにしろと言った。
ならばこの人がこの人たる強さを守りたい。


そうして、この輝きの反射光を受け続けることで、足下に広がる闇に足を掬われることを避け続けたい。


…どんなに、…光の側でこそ闇が一層際立つものだとしても。
そして、そのたびに大きな不安を感じることになるとしても。









もう寝ましょうか。

シェラはそう独りごちて立ち上がると、寝室まで行くこと無く眠りに落ちた主人のために一枚の毛布を手にし、それを主人に掛けたあと、自室へとその部屋を後にした。

部屋を出る際、シェラは一度、寒さを凌ぐために焚かれた暖炉の、柔らかい火に照らされた主人の顔に目をやった。


Fin

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