果樹園11号「羞恥と夢」
果樹園１１号なんの事やら、粗末な話（２）から
一「羞恥と夢」
若い頃のＡ君・・女と布団の中、裸でいたとする。数回の秘め事を終えて、疲れ
て眠っていたとする。Ａ君は、薄暗い部屋の中で目が覚めた。下半身に落ち着きが
ないので、パンツをはいた。
「なにか違う？前が異常に窮屈だ」。
寝ぼけて、パンツを両足首まで下げて、右足を脱いで、左足側に両足を入れて、前
後ろを変えて、左足を脱いで、空いた片方に入れた。
「ウン？まだ、何か違うな？」。
Ａ君は、仕方なく起き上がって、電気をつけて見た。パンツを見ると、それは女が
つけていた、“黒のパンティ”だった。Ａ君は、恥ずかしくなって、顔と頭が熱く
なった。しかし、気持ちとは反対にジュニアが大きくなって、パンティの中から、
上にはみ出した。どんどん大きくなって、硬くなった。妙な気分だった。Ａ君は、
電気を慌てて消して布団に入った。女に悟られない様に、パンティを脱いだ。それ
から、女の後ろから突き攻め立てた。女は、「ウッ！」と言って、喘いだ。
朝の１０時から、午後５時まで布団の中にいた。
「腰が疲れたね」
と、二人で外に出ると、辺りが黄色に見えた。Ａ君は、今何歳になるだろう？
豊蔵は、今日もする事がなかった。本を読んでみたが、心はいまいちのようだ。
「つまらんな！」
と、つぶやいた。それで、タバコを吸って、コーヒーを飲んだ。つまらんので、
コーヒーを、もう一杯飲んだ。さらに、もう一杯飲んだ。それから、タバコに火を
つけて、またコーヒーを飲んだ。
「くだらん、くだらん。まったく、俺はくだらん。」
と、豊蔵は独り苦々しく、苦笑いした。
その晩、豊蔵は夢を見た。私は、ビルを出た。外に妻が待っていた。二人で歩き
始めた。ふと、視線を後ろに感じて振り向くと、ビルの壁に隠れて、こちらを見る
女がいた。
「あれ、確か・・浮気した夫を殺した女に似ているな？」。
気がつくと、女は包丁を持って、私を追いかけて走ってくるではないか。かばうつ
もりで、妻の後ろを走った。妻の走るスピードは遅く、どんどんと女は近づいてき
た。ついに、私のすぐ後ろまで来ていた。
「うわー！」。
ところが、女は、私の右脇から追い越して前に出た。私は慌てて、
「おい、待て、おい、待て」
と、声を出した。気がつくと、それは夢だった。
女の顔は、思い出せない。ただ、黒く長い髪だった。
同人雑誌「果樹園」第１１号より ２００８年９月１０日発刊
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一「羞恥と夢」
若い頃のＡ君・・女と布団の中、裸でいたとする。数回の秘め事を終えて、疲れ
て眠っていたとする。Ａ君は、薄暗い部屋の中で目が覚めた。下半身に落ち着きが
ないので、パンツをはいた。
「なにか違う？前が異常に窮屈だ」。
寝ぼけて、パンツを両足首まで下げて、右足を脱いで、左足側に両足を入れて、前
後ろを変えて、左足を脱いで、空いた片方に入れた。
「ウン？まだ、何か違うな？」。
Ａ君は、仕方なく起き上がって、電気をつけて見た。パンツを見ると、それは女が
つけていた、“黒のパンティ”だった。Ａ君は、恥ずかしくなって、顔と頭が熱く
なった。しかし、気持ちとは反対にジュニアが大きくなって、パンティの中から、
上にはみ出した。どんどん大きくなって、硬くなった。妙な気分だった。Ａ君は、
電気を慌てて消して布団に入った。女に悟られない様に、パンティを脱いだ。それ
から、女の後ろから突き攻め立てた。女は、「ウッ！」と言って、喘いだ。
朝の１０時から、午後５時まで布団の中にいた。
「腰が疲れたね」
と、二人で外に出ると、辺りが黄色に見えた。Ａ君は、今何歳になるだろう？
豊蔵は、今日もする事がなかった。本を読んでみたが、心はいまいちのようだ。
「つまらんな！」
と、つぶやいた。それで、タバコを吸って、コーヒーを飲んだ。つまらんので、
コーヒーを、もう一杯飲んだ。さらに、もう一杯飲んだ。それから、タバコに火を
つけて、またコーヒーを飲んだ。
「くだらん、くだらん。まったく、俺はくだらん。」
と、豊蔵は独り苦々しく、苦笑いした。
その晩、豊蔵は夢を見た。私は、ビルを出た。外に妻が待っていた。二人で歩き
始めた。ふと、視線を後ろに感じて振り向くと、ビルの壁に隠れて、こちらを見る
女がいた。
「あれ、確か・・浮気した夫を殺した女に似ているな？」。
気がつくと、女は包丁を持って、私を追いかけて走ってくるではないか。かばうつ
もりで、妻の後ろを走った。妻の走るスピードは遅く、どんどんと女は近づいてき
た。ついに、私のすぐ後ろまで来ていた。
「うわー！」。
ところが、女は、私の右脇から追い越して前に出た。私は慌てて、
「おい、待て、おい、待て」
と、声を出した。気がつくと、それは夢だった。
女の顔は、思い出せない。ただ、黒く長い髪だった。
同人雑誌「果樹園」第１１号より ２００８年９月１０日発刊
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