『周ちゃん、愛をありがとう』



  出逢いって・・・本当に不思議なものです。

私は昨年の9月、なんの気負いも目的もなく、ただなんとなく、このHPを開設していました。

それはもしかしたら、私にとって、煩雑な日常から一瞬でも解き放たれる場所として、存在していたのかもしれません。

家族にも、周りの誰にも知らせることなく、密やかに、マイペースで、更新を続けてきました。2ヶ月も更新できないこともありました。

そんな私のHPに訪れては、時折、あたたかい メッセージを届けてくれたのが、  きらきら星★さん でした。

そう!紛れもないインターネット上の出逢い・・・。

きらきら星★さんのHPの日記 には、ダウン症の周ちゃんとご家族の生活が、生き生きと綴られていました。そしてそこには母として、妻として、時には娘としての素直な思いが溢れていました。

残念ながら、彼女の日記が2月5日をもって閉鎖されると知ったのは、つい3日ほど前のことです。

ご本人の承諾を得た上で、今日は、きらきら星★さんの著書 『周ちゃん、愛をありがとう』を心を込めてご紹介したいと思います。



『周ちゃん、愛をありがとう』.





◆ 『周ちゃん、愛をありがとう』 佐藤牧子 著 /NHK出版/1997年7月25日 発行


ご覧のように、とても美しい本です。

カバーの装画は岩下哲士さんの作品。彼は1歳の時発病した急性小児片まひにより、右脳の機能を失ってしまいましたが、幼児期から取り組んだ絵画の世界で才能を発揮し、自由奔放な色彩感覚と大胆な構成力で描き出す作品は、多くの反響を呼んでいます。

さて、表紙を開くと・・・美しい、きらきら星★さんこと、佐藤牧子さんの写真に会えました。

そして目次をめくって、序章のところで、大きく口をあけておどけてみせる周ちゃんとお兄ちゃんにも会えました。その可愛らしいことといったら・・・言葉では言い尽くせない・・・。(^_-)★

周ちゃんが生まれた時のこと、周ちゃんがダウン症だとわかったときのこと、ご主人の男泣き、お兄ちゃんである良太くんのこと、牧師さんであるお父様の言葉、お母様への思い・・などが真実の言葉で綴られています。

周ちゃんがダウン症であると知ったときの気持ちを 作者は嘘偽りのない言葉で表現している。

でもね、作者は知るのです。周ちゃんが『天国の特別な子ども」であることを・・・。

命ってなんだろう・・・。障碍ってなんだろう・・と私たちの心に問いかけてきます。

周ちゃんから、ご家族や周りにいる人たちがどれほどの“愛”や“感動”や“やさしさ”をもらっているのか・・・しみじみと伝わってきます。

周ちゃんの可愛らしい会話が、発音のままに書かれているのがとてもいい。読んでいる私たちの耳にも、その声が聞こえてきそうです。

この本の素敵なところは、なんていうのかなぁ!決して重いだけでなく、時に平凡で、ありのままで・・・でも、そこには必ず一筋の光が見えているんですね。

それは、まるで作者自身の真摯な物の見方や考え方、そして前向きに誠実に生きようとする心の鏡のようにも見えます。

作者の言葉や思いに共感し、溢れる涙を止めることができませんでした。

そして、私からも「周ちゃん、愛をありがとう」と伝えたい・・・。

決して声高にではなく、風のように、やさしくやさしく・・・。

インターネット上の出逢いに、心から感謝しています。

きらきら星★さん、ありがとう!!

きっと貴女はどこにいても、きらきら星のようにキラキラと、ひときわ美しく光り輝いているのでしょうね。

実は私、この一年近く、PTAを通して「心身障害児理解教育 交流教育連絡会」に参加してきました。

でも、私の中で、この長く、難しい名前だけが宙に浮いて、空回りしていたのです。

それを本当に理解できていない自分が、あたかもすべて理解しているような偽善や嘘で言葉を繕うことはしたくなくて・・・。

でも、きらきら星★さんの日記や本を通して、ほんの少しですが、真実が見えたような気がします。

原点は、大いなる“愛”だなと思いました。

かけがえのない“命”や“愛”の交流なのかなと・・・。

周ちゃんの就学に際してのきらきら星★さんの選択や行政に対する凛とした姿勢に、母の愛は強し・・と思いました。

きらきら星★さん、いつかどこかでお会いすることもあるでしょうか。

星の輝く夜は、そっと夜空を見上げ、きらきら星★さんの言葉を思い出すことにします。

ばら




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