和姫☆MANIA☆

和姫☆MANIA☆

お茶目な不法侵入


夏の、それはそれは暑い、高校生のある日…

隣町にある、市営の流れるプールまで、和姫と友達は、歩いて向かったのでした。

バスもあるのに、汗だくで長い道のりを、歩いていったのは、

その先に待っているであろう流水や、水しぶきの心地よさを、

最大限に味わうためでした。

しかし、茹で蛸状態で到着した和姫達に待ち受けていたのは、無情にも



〔本日休館日〕



の看板……




「がっび~~~ん」




和姫と友達は、その場にへたへたと座り込み、太陽の光を浴びて、

金網の向こうにきらきらと輝くプールを、ボーゼンと見つめていたのでした。

普通の人は、ここで、かき氷でもやけ食いして、帰るのでしょうが、

すでに熱射病で、脳味噌破壊されていた和姫達は、

どちらからともなく、金網を乗り越え、真っ赤なビキニに着替え、

流れていない流れるプールに飛び込んだのでした。


その後は、もう我が物顔!

広々としたプールで、ひとしきり泳いだ後、

普段は禁止のお弁当を食べ、使ってはいけないサンオイルをつけ、

前も後ろも思う存分甲羅干ししちまったのでした。

休館日とは知らず、和姫達のようにプールにやってきた人たちが、金網ごしに、



「今日はお休みですか?」



と聞いてきたので、



「はい、お休みですよ、また来てね~!」



と、手を振る大胆さ!貸し切り状態を満喫したのでした。


しかし、流れないプールに真っ赤なビキニ二人、目立たないはずもなく、

ご近所の通報により、やってきた市の職員に、見事

『御 用』


となった、和姫達なのでした。





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