7人の滞納者!


 今日は健康診断日、昨日の10時からなにも口にしていない。お腹が空いたけどバリュウムじゃ満足できないだろう。

 お昼から例のスーパー滞納者●●荘へ行く。いや、その前に●●●ハイツに行こう。まさかこのお昼過ぎにいないだろうなぁと思いつつチャイムを鳴らす。3回目のチャイムでドアの開く音「いるじゃん」「ごめんください、●●●不動産ですが・・・。」「アッ、はい。」「ここ2ヶ月ほどご入金がありませんが・・・。」と言いながら法務部の名刺を差し出す。

「●林さん、これ以上のご入金が遅れますと当社管理部扱いから私の法務部の部署での担当となります。いろいろと込み入ったお話もお聞きせねばならなくなります。いつ頃ご入金いただけますか?」
あくまでもまだ、丁寧にお話しているのだが・・。

「今、お仕事は?」「パソで音楽製作をしていますが・・。」
心のなかで「ほんまかいな?」「他になにかで生計を立てられていますか?」「夜はライブハウスで演奏してます」まぁ、たぶんお水のバイトをしているなぁ。

「で、ご入金は?」「6月3日で・・。」「なにかメドでもあるのですか」「バイト代と制作費が・・。」約18万だぞ!大丈夫なんかいな!「わかりました、6月3日で入金が確認できるまで私の部署で管理になります。きっちり頑張って下さい!」最後は丁寧語は少なくなるのだが・・・。

●●荘の●田さん、鍵が開いてる。「●田さん?」奥から腰をさすりながら出て、
部屋はというと、キッチンの荷物が少し整理されている。

5月31日退去間に合うのかな?「他の物件見つかりましたか?」「なかなかないわ!」おいおいもう、半月しかないぞ!あなたじゃダメだろうと思いつつ、「今日は支払い確約書にサインをお願いします。5月末の退去時に3万5千円なんとか入れて下さい。それから冷蔵庫と洗濯機などの大きい荷物は引越し先まで運んであげるから。」なんとか早く移転先を捜してもらわないと。頼りは同居している娘なのだが・・・。母親に似てなければいいけど。

5月15日
 小雨が降っている。昨日夜7時半にきた若い単月滞納者を思い返してみる。会社の倒産、浮気、妻の家出、別居、彼の人生のドラマが重くのしかかる。雨の日の朝は気分も湿りそうだ。グリーン●●●●松に向かう、●02号室の入居者、「いるかなぁ?」チャイムは3回以上鳴らす事、必ずノックも「トントントン」と2回する。
いれば大抵内部でなにかしら音が聞こえる。すかさず、「●●さん!」と声をかける重いドアがガチャリと開くのである。

「こんにちは●●●です。」相手が男性なら「チョットいいですか?お家賃の件ですが・・・。」と玄関まで入室する。女性の場合、ドアは開放状態、好み年齢に関係なく絶対入らない。
この人調理師でまだ若い。なんで、今ごろ居るのよ?「●●さん、入金がしばらくありませんが・・?今お仕事は?」「現在さがしている最中です、なかなか無くて。」「●●さんに連絡が全くつきませんが携帯とかお持ちじゃないですか?」「ハイ、だから職安でも連絡がつかないから話が進まないのです・・・。」

どうしよう無職で連絡つかない人がどうやって家賃払えるの?
「金策のメドは?」「アッ有ります!」「どうやって?」彼いわく、友人が月末北海道から帰ってくる。その友人が彼の面倒をみていて、彼の携帯電話でいろいろ連絡をとるつもりらしい。

6月中旬までに全額入金ないと特殊解約しますとせまり、日付無し解約書を記入してもらう。「●●さん、職安の連絡先なら、1階に店舗があるでしょ!そこにお願いして上げるから早く職を探しなさい。」「エッ本当に!」「あなたの保証人にはなれませんが、職安の電話の取次ぎぐらい頼んであげるから」彼の目に感謝の色がはっきりみえたが・・・。

5月16日
 SZさんのFカーゴで競馬所近くに身を寄せている●●アパートのターゲットを二人で迎えにいく。先日しっかり解約書まで書いてもらったが・・・。

 「こんにちは!●●さん迎えのきました。」不審そうな顔つきで私とSZさんを見てる。SZさん「今日いっしょにアパート見行くでしょ。」どうも先日の約束を覚えていない感じ。おいおい3日前だぜ!記憶がとんでいる感じ。しばらくやり取りがあったが、突然切れて「アパート空ければいいんやろ!!」うん、そうなんだけど、今日迎えにきたのは要る物と要らない物の判断をして欲しかったのに・・・。

最後は奥の部屋にいったきり出てこない。「まぁいいか!5月末で解約書いてもらってるし・・・。」「やっぱり裁判だな。」また裏切られちゃった!


 その足でトランクルームとハロコンへ、契約解除をしたけど残置物がたっぷり、きっと今にこの物件全て夜逃げとゴミ置場になるかも!と思いながら行方不明者のコンテナを開ける。
お決まりの荷物。男性ならエ●ビデオ、スキー用具、衣類、女性ならソファーやタンス、衣類、大物家具が多いかな。ヤバイものまででてくる。注射器の入っていたセロファン!私「これってヤバクない!」SZさんが「糖尿病じゃないかな。」なかなかいいジョークだが。またひとつ犯罪の匂いが私のスーツについた気がする。

 もうひとつ、若い女性、眠そうにパジャマ姿で出てきた。18歳で最初の居酒屋はすぐやめてしまい、契約者は父親、入居者はその娘、連帯保証人もしっかりいる。娘は、次の居酒屋でのバイトで7万から8万の収入。

それじゃ無理だろう、6万の家賃は最初から入ってこない。注意したいのは、家賃の支払いが娘の口座から落ちる事。父親はそう言っていたが、結局父親が前日に支払った。それがなければ退去通告したのに。SA(サービスアパートメント)やハロコンなどは1ヶ月滞納で無催告解除の契約特約があるけど・・・。

5月17日
 眠い、昨日は2時間ぐらいしか寝ていない。昨年5月父の手術、死去そして再び母の緊急手術、心筋梗塞だった。自分の身にもドラマが降り注ぐ。昨日の深夜ドクターに話を聞き、老化、コレステロール、が原因という。母はタバコを吸わないがタバコもかなり血管を濁すらしい。もうぼちぼちニコチンを抜かないといけない。

 11時にスーツに身をかためた滞納者が来た。仕事?建築事務所を経営している社長さん。自分も当然1級建築士、「●●さん、ご入金が遅れてますが、支払確約書をお書きになって、お約束を守られないのは困ります。」 
「私も事業をやっているので時期がずれただけです」 
私「ご入金の状況は履歴をみればわかります、毎月遅れ遅れになってますね。」 「商売をやっているので・・・。」事業とか商売とか何言うてんねん。
私「お気持ちや状況はわからなくも無いですが、それを正当な理由にされてはいけませんね。」「正当な理由にはしていません。悪いと思ってます。」

 「●●さんお約束が遅れるならなぜお電話の一本でも頂けないのですか?」「●●●さんから電話があった時に20日で約束しましたが・・・。」ピキピキ(怒りの音)

 「●●さん、あなた、ご商売やっているのなら約束日に入金がないとどういう状況になるかお分かりですね!20日でキッチリ間違いないですか!?」

「あぁいや20日に入ってくるので21日は確実です。」パキパキパキ(当然怒りの音)あら?私の後ろからも怒りの音が聞こえる。SZさん「●●さん、ご商売をしているのは、あなただけではありません。はっきり確実な日を頂きたいのですが!」 
「21日は確実です。●●●さんにこんな部署があるとは思いませんでした。」どんな部署やねん。一回しばいたろか!・・・イカン、サラ金の匂いがにじみ出てきたかも? 

ちょっと一服、
 誰も住んでいない物件に配達証明で手紙を出す!これがまたしっかり届く。
そう転送届をしているから。残念ながらここから新住所を割り出すのが難しい。これを調査会社にお願いすると1件10万円も取られちゃう。郵便物にココセコムでも仕込んでやりたいぐらい。でもやっぱり〒局のオネエチャンとお友達になる事が近道かも?誰か〒局に親しいお友達いませんか?



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