フーゾクの女性と芸能プロの親父！
今日は例の大手量販店の近くへ引越し、相手は●●●レ●川の人、営繕部のNさんに車をかりて１０時迎えにいく、かなり回りを気にしながら私を待っていた。
「荷物は？」
「かなり自分の車につみました。」｣みると軽四にタップリ積んである。
後は冷蔵庫と洗濯機だけだろうと思い２階に上がり部屋を覗くと、「エッ！こんなテーブルとかイスとかあったの？」
彼うれしそうに「ハイ！！」なんで？ともかく冷蔵庫と洗濯機を運ぶ、当然軽い方をもつがやはり１階まで下ろすのはシンドイ。
続いて少ない衣装やテレビ、テーブル、イス、汗が出てきた。みると私は両手に荷物を抱えているのに彼は小物ばかり、「布団ぐらい自分で運びなさい！」首しめたろか！
ほぼ満車状態で●ハイツへ向かう、フローリングのワンルーム、内部はまだ美しい、コイツには絶対勿体無い。「ココいくらなの？」 「P付で３８.０００円です。」「大丈夫なの？」
彼「なにが？」
「なにがって支払だよ！俺のとこの入金ずらしたら厳しい追い込みかけるからな！」 「そんなにイジメないで下さい、ココの場所誰にも言わないですよね。」
私「入金遅れたらバラス！」８９３みたいなやり取りになってきてる。彼ははたして街金やサラ金の追跡をかわせるのだろうか？「又、すぐ来る」と言って車に乗り込む私の背に「ありがとう、頑張ります」の声、彼の新しい生活？が今始まる。
昼からは緊急調査が入った！月遅れの滞納者だがそこに住んでいるはずの人（女性）がいなく、代わりに違う人が入っているらしい。
郵便物が戻ってきた！契約書をコピーして資料を作成し電話をかけてみる、勤め先、携帯、実家すべてつながらない。
出番である。●●●●●ト●●の前にゆっくりと車を止める、ターゲットは３階、まずは１階のポストをチェックする。
契約者の郵便物が無い。ポストはダイヤル式なのでしなやかな手？を突っ込み郵便物を探る。
こんな姿みられたらストーカーにみえるかも？出てくる郵便物は違う女性ばかりのもの、怪しい！いよいよ踏み込むか！
ドアの前に立つとなにやら幼子の声が聞こえる、チャイムを数回ならす。カチャ、ロックがはずれゆっくりドアが開く。
身長１５８センチ、上から８３・５７・８９、（ホンマカイナ！）のスレンダーな女性が現れた。
すかさず法務部の名刺を渡し先ほど覚えたばかりの郵便物の名前を言うがどれも違う。
「お名前は・・。」シルバーフレームのメガネをかけ、しなやかにリンスの匂いをさせたストレートヘアーをゆらして、戸惑いながら答える。
「●●です・・・。」年齢は20代後半ぐらいの美人である。
玄関には子供と男物のスニーカーがある。
「少しお話をお聞きしたいのですが・・。廊下でいいですから。」 ノースリーブに白いタイトが似合っている、多分化粧をすれば私の社の男性も心揺れるであろう。
「いつからご入居していますか？」と、「去年の10月からですが・・・。」 「貴女の前に住んでいた女性はご存知ですか？」
彼女「いいえ、知りません」 「どちらで契約されましたか？」
「あの・・・事務所のほうからですが・・・。」
「事務所？当社のお店？」
「いえ、勤めてるお店ですが・・。」
なんていう事務所・お店だろう？
「場所は？」 「すぐ、近くの●●●ス●●です。」
私「お店って？」
彼女「●●●●●●！」私もおおよそ検討はついたが、
「飲食店？」と尋ねる。
はにかむ様子もなく「●―●“ク！」 ンーチョイヤバー！
聞くところによると、そこの物件には自分の子供とお兄さん？と３人暮らしだと言う。彼女の営業時間は、午前１０時から午後６時までで、そこは住居兼待機場所になっているらしい。
幸運なことにその部屋での営業ではなかった。
彼女が「出て行かなければならないですか？私今、移れといわれても・・・。」メガネの奥の瞳が困惑したように私を見つめる。
困惑してるのはこっちなんだから。いきさつがもう一つよく解らない｡「貴女の事務所に事情を聞いてみてからの話になります。」
これ以上彼女と話をしていても無駄だし彼女のお客になるつもりもないので、そこを後にした。外に出て、すぐ近くの彼女の言った事務所を探してみる。
周りをラブホテルがならんでいる一角に●●ビルがあった。
その２階のガラス窓に大きく一面に●●●とかかれた張り紙があった。
８９３かな？好奇心なら私も旺盛なので入ってみたいが次は訪問時間が決まっている。どうしよう？交渉のカードは常に多くもっていなければならない。とくに相手の素性がわからない時は・・・。
ランクルのギアをローに入れ後ろ髪をひかれつつ、その場を離れた｡
約束の芸能プロダクション（自称）を尋ねた。居るだろうか？●●●町のカラオケ屋の向かいにある●階建ての物件である。
１階に物件オーナーの事務所がある。オーナーの知り合いの入居者らしいが。
３階まで上がりドアの前に立つ、不思議なものでこの頃入居者が部屋に居る、居ないが感じ取れる。
居る！出てきたのはジーンズにTシャツ姿のスキンヘッド、眉毛も綺麗に手入れされ剃り跡が青く光っている。
年齢は６０代半ばぐらいであるが、その風貌は年齢より若くみえる。「いやーぁ、スイマセン！こんな格好で。」と言いながらメガネをかけたその目は迷惑そうに私をみている。
「実は大阪でロケが続いてまして・・・。」どんなロケやねん？どうみてもアダルトのロケにしか見えないようなプロダクションみたいだけど。
私「来週一度ご来社できませんか？」 「来週もいっぱいでんねん！」いきなり関西弁になる。
「それでは、その次の週の６月初めは？」「チョット待って下さい。」と言って奥に行き手帳を見ながら「エー６月の５日なら」 「その日にきて下さい！」スキンヘッドがニヤリと微笑み「必ず伺います｡」
私「詳しい事はそのときにお伺いしますが、今月の入金のメドはありますか？」スキンヘッドが「無いんですわ！」芝居ががった仕草で答える。
どんなプロダクションやねん！もしアダルトならコイツのビデオは見たくないと思った｡
５月２８日
今日朝、５時過ぎに目が覚めた。老化が少しずつ出てきたかもしれない。しばらくトレーニングジムにも通っていない。
筋肉の衰えが出てきている。それなりに肉体だけでも以前に戻さなければならない。
滞納者との格闘シーンは無いだろうけど、ナイフがボディに入っても致命傷にならないぐらいに、まぁ無いけどそれより、精神的に疲れるので健全な肉体に戻したい。
もしかして肉体の内部はもうガタがきているかも知れないが、ベンチプレスMAX９０ｋｇに戻すには最低でも２ヶ月はかかるだろう、大好きな夏のシーズンが終わってしまう・・・。
今日は５月末付での退去予定者を見てこよう。解約書を書いてもらっているので、少しは気分もラクなのだが、安心は出来ない。
まずは●●●●ビルに向かう、めざすターゲットは●階、まずポストを探る。
おっと小学生が近づいて来ている。「変なおじさんがいたよ！」なんて言われるとスグ、制服の３８口径をぶら下げた連中が駆けつける。
PC（パソコンじゃなくてパトカーである）に乗せられ行く先は狭い小部屋、それもしっかり鉄格子が掛かっている部屋。
ワルガキの頃はお世話になった事もあるので、もし捕われの身になったら長いお説教が始まると思う。
個人データーはいまでもしっかり残っているらしい。学生時代の親しい友人がSP（セキュリティ・ポリス：要人警護）にいるので頼りはその、友人だがSPは公安に属するのでなかなか彼とつながらないのがネックであるが。
話がずれたが、そのポストにはターゲットの名前の他にもうひとつの名前がある。もうひとつの名前が本名なのかも知れない、行政からの手紙があるからだ｡
考えてみると彼の契約書が無いし、かなり芸名ぽい名前だということに気づいた｡エレベーターに乗りめざす階にいき、ドアの前に立つ。電気メーターが止まっている。
「居ない！」ドアにはさんである封筒は電力会社のものだった。「チェッ！またコイツの住所探すの大変だ。」本当に舌打ちしたくなるのだ。
滞納金もしっかりあるし、こういう時はガックリする。住所変更しているだろうか？契約書なんでないんだろう？まずは住民票の確認である。
コイツも逃がさないぞ！いよいよ、ハイテク機材を揃えなければならないかも。
私の追跡者のリストがまた一つ増えた・・・｡
気分を取り直して次の退去予定者宅へ、地元スーパーが１階に入っている物件である。チャイムを何度か鳴らす。パジャマ姿の女性が現れる。
賢明な皆様に言っておくがネグリジェではない。
彼女の姿より内部の片付け状況が気になる。片付いている感じがする。
彼女「明日でしたか？」
私「いいえ、３１日ですが、引越しは？」
彼女「実は明日なんですが・・。」
「お約束のご入金は？」
彼女「じゃ明日で。」どうも金が入ったらしい。
２２万円だが、旦那と幼子と彼女の３人には大金となる。旦那もイカツイ感じだが話すと可愛いところもある、彼がもっと真面目に働くと彼女も夜の町で働いているので余裕が出来ると思うのだが。
最後まで彼女のパジャマ姿には興味も出なかった。
ブレイクタイム
この頃ヤミ金の督促がよく話題になっている。脅迫めいた督促状をお悔やみ、もしくはお祝い電報などにのせて脅しをかけるのである。
私も手書きで、メモや手紙を残すがぎりぎりで我慢している。絶対脅迫文はいれない。
たまに「入室禁止措置をとる場合があります。」と書く事があるが滞納者とコミュニケーション？がある場合を除いて「ドアロックします。」なんて書かない。
でも受け取った本人はきっと「もうヤバイなぁ」なんて思っているかも知れない。
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