偽造ナンバープレートとポンプ!


 1週間ぶりの報告である。どうも、影の法務部は危険な臭いが好きな人間に好評であるが、残念ながら地道な督促が多いの現状だ。で、たまに今日みたいなデンジャラスな日に出会うこともある。

 今日は待ちに待ったコンテナ型レンタル物置の整理と撤去の日である。連絡がつかなく転居先も判らなく、滞納金額もある部屋が4つほどある。

そのうちの一つが特に私の興味をそそる。当然、ひとりでは後片付けも大変なので、興味津々の暗闇商会(クレーム部)にも応援を頼む。●号室、確かブラックリストには契約後に載っていた奴だ。窃盗だったかな?

以前確認していたので内容的には理解していたが、その理解度が甘かった。
出てくる量が半端じゃない。広げてみるとよくもまあ、こんなに溜め込んだものだと感心してしまう。

その9割がエ●本やカード、ビデオテープ。マニアックなカードが多い。応援を頼んだ業者の若いおにいちゃんも目をキラキラ輝かせている。

「オッ!これ俺の好きな女優や!」オイオイ、チョット待ってよ!
「アッ、それねぇ、●●さんのPCの壁紙になってるよ。」
「エー、本当?●●さんも好きなんだ!?それじゃチョット興ざめしちゃうなぁ!」別に好みはひとそれぞれだから良さそうなものだが。

 皆キャッキャッ言いながら整理?いや、物色しているみたいだ!人選間違えたかなぁ?また、変なものがでてきた。電池で動くオモチャ?

   「コラ、そんなもの動かすんじゃない!」
   「電池が入って十分動くんで!」
   「欲しいのならもってけよ!」
   「新品ですかねぇ?」 知るか!そんなこと!
   「アッ!」何どうしたの?
   「これ、被ってますよ!ゴムが。」
   頼むから捨ててくれ!

例の注射器のセロファンが出てきたがよくみると注射器もしっかり入っている。
やっぱり怪しい!どうしようかと思っていたら、ゲッ!でてきたのは車のナンバープレート。他県ナンバーのものまで。

4組はある。ヤバイゾ!
そこに管理部トップのSZさん、

「やっぱり警察呼びましょう!」賛成である。
「もう誰も触らないで!」 聞く耳持たない奴もいる。

懸命にビデオテープを袋につめているおにいちゃん。

「コラ!もう触るな!」
 しばらくして、警察がきた。所轄じゃない馴染みの警察。まぁサイレン鳴らしてこないだけでも助かる。総勢6名の刑事の到着である。

「ご苦労様です。」 
「どれですか?あぁこれ?凄い量だな?」
「こんな店舗でもやっていたかのような量ですね?」 盗品かな?

例のごとく白い手袋を手にして検査をしはじめる。なにやら数字の暗号で、無線を始めた。

「225だ、それにポンプもある・・・・・・・・。」このポンプの言葉、無線を切った刑事さんに私は思わず反応してしまった。

「専門用語で注射器のことポンプって言うのですね!」
私も刑事ドラマはよくみているがポンプの言葉は新鮮だった。

 それからは周りにいる片付け応援の皆が注射器のことをポンプ呼びしたのは言うまでもないが。

ベテランらしい刑事が出てきたナンバープレートを手にとり、裏をみた。
「偽造プレートだ!」  
「エッ!本当ですか?」
「ほら、よくみて、このナンバー、点を消してあるでしょ。これは2桁の番号の点を消して上から別の番号をひとつ貼り付けて3桁にしてあるでしょ。」

凄い絶妙なテクニックである。本当にまじまじ見ないと判らない!本署にまたまた、無線で問い合わせている。どうやら盗難ナンバーらしい。

ここからは警察チェックが終わるまでもう、触れないし仕事にもならない。願わくは、このHな山をひとつ残らず証拠品として押収して行って欲しいけど無理だな!



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