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先日紹介したさくらんぼを使って今日はキルシュというさくらんぼのお酒につけました。さくらんぼはきれいに洗って、乾かして、キルシュと砂糖を加えます。後はゆっくりさくらんぼの香りとうまみが出てくるのを待ちます。時間にして大体3ヶ月。これくらいだと、さくらんぼのフルーティーな感じがとてもおいしいですね。僕の家には3年物のさくらんぼ酒があります。これは、少しトロっとしてきて、アルコール分はほとんど感じなく、年代物のワインのような感じです。難しくないので、ご自宅でも試してみてください。詳しい作り方はこちらからhttp://perso.wanadoo.fr/keizo/cerise.htm
2004年05月31日
春も過ぎて日本でいう梅雨の時期に入りました。フランスは、当然梅雨というものがなく、この時期はぽかぽか陽気のとても気持ちのいい季節になります。さて、今の季節一番旬なのがさくらんぼ。お店のお庭には3本の桜の木があり、どれも真っ黒に近い色になりとても熟してきました。これはとばかり、研修生を引き連れていざさくらんぼ狩り。楽しそうですが、そんなことないです。はしごに登って、高い位置の熟したさくらんぼを一つずつとるのは、とても困難です。僕は、研修生にこんなことを話しました。「料理人になるためには、生産者の気持ちを知らなくてはだめ。今は電話一本で素材が届く時代だけど、実際そのお肉なり野菜なり果物を作り、丁寧に処理してお店に届くこと、しっかり理解しておいたほうがいい。」2人いた研修生はすごく納得して、がんばってさくらんぼ摘んでいました。僕は、このさくらんぼを使ってまずお酒につけます。その後、チョコレートでコーティングして、コーヒーのお供に出します。ただし、お酒に3ヶ月以上はつけなくてはいけないので、今年の夏の終わりくらいに食べれます。
2004年05月29日
僕は、怠け者です。面倒くさいことは大嫌い。だから、さっさと終わらせたい人間です。例えば、ジャガイモやにんじんの皮むき。一度に10~20キロ位は剥きます。そんな時、怠け者が登場します。早く終わらせるためにはどうしたら良いか。でも、決して汚い仕事をするわけではないのです。要は、効率の良さ。例えば、ジャガイモの皮を剥くとき、本来小さなバケツなどをゴミ箱にして剥いた皮を入れるのですが、これだと最終的にたくさんの皮がはみ出てしまいます。そんな時、例えば新聞紙をしいて剥いた皮をその上に乗っける。終わると、新聞紙ごとぐるっとくるめてゴミ箱に捨てる。こっちのほうが、皮を剥くスピードが同じなら、片付けは3倍早いです。ほかにもいろいろあります。例えば、ヘーゼルナッツを細かく砕くとき、包丁でするより鍋の底でたたきます。このほうが効率がいい。効率の良さは、ある意味怠け心から来ているのかもしれませんが、これを極めることにより、怠け者から仕事のできる人間になるのではないでしょうか??本当の表裏一体ですね。
2004年05月22日
すべてのフランス料理をしている料理人にとって、お肉料理を作るのは憧れです。日本料理で言う花板ですね。大きな塊のお肉をさばいたり、時には子豚一頭だってさばきます。今も昔もそうですが、見習いの子はお肉など触らせてもらえません。しかし、僕の店は違う。時間を見つけて教えて、やらせます。そうすると、外国人の僕がシェフをしていても、僕のテクニックを見て聞いて彼らは僕を尊敬してくれます。また、僕のやり方として、本来見習いの仕事の野菜の皮むきや掃除などは、必ず一緒にするようにしています。野菜の皮むきひとつにしても、実はちょっとしたテクニックで、3倍は早くなります。そういうことは、言ってもわからない。実際、一緒にやってこういう風に準備して、皮をむいて、こういう風に片付ける。ここまで一緒にすると、本当に3分の1の時間でできるようになり、彼らはほかのこと学べる時間が増えます。掃除も同じですね。掃除のことは、三田のコート・ドールの斎須シェフに教わりました。シェフだから、掃除をする時間明日の注文をやればいいのではありません。これも、お仕事のひとつ。見習いのこと一緒に掃除して、ここはこういう風に磨けばここまできれいになるよとか、水周りは最後にひとふきするだけでまったく違うことも教えます。こうして、僕のシェフ生活は続きます。僕がフランスに来たすぐのころは、お肉を料理したくてたまりませんでした。そこで、休日という休日は家でお肉料理。そして、ヴァカンスにはお肉屋さんに研修。こういう風に、影でお肉料理を勉強していると、ある日チャンスが振ってきます。そういう時は基本的忙しいとき。シェフが、仕込みに時間が間に合わなくて誰かに助けを求めてる。そういう時、助けに行って下手なことをすると、雷が落ちます。そこで、きちっと言われるとおりにできると認められます。フランスはそういう国ですね。僕の見習いの子は当然家で料理はしませんし、研修もいきません。ただ、もしあの子がほかのレストランに行ったとき、少ないチャンスを物にできる料理人であってほしいために、今も二人でもしくは大勢でがんばっています。まだまだ、僕にテクニックにはかないませんが、彼には今僕という目標なり夢ができたと先日言いました。いつの日か、憧れのお肉料理のシェフになることを願って・・・。
2004年05月19日
ここ数日フランスは暑くなってきました。以前は、日本食をあまり食べない僕ですか、最近は恋しくなってきました。暑くなると、やっぱり、ざるそばやそうめんが恋しくなりますね。ずるずるってフランスではマナー違反ですが、思いっきり音を立てて食べたいです。フランスでは、こういう暑いときもあまり食生活は変わりませんね。サラダが増える程度かな。レストランだと、カルパッチョやガスパッチョというトマトのスープなどがよく出てきます。また、メロンのスープ。これもきんきんに冷やすとおいしいですよ。
2004年05月18日
日本にいたとき、チーズには赤ワインみたいな考え方をしていましたが、フランスで5年もいるとチーズとワインでいろいろ合わしてみたりすることがよくあります。そこで、気づいたこと「多くのチーズは白ワインのほうがよく合う」でした。びっくりされると思いますが、実際試せば試すほど白ワインのほうがお互いのよさを尊重してくれるような気がします。皆様も、お試しください。また、カマンベールチーズのあまり熟成してないタイプは、シードルととてもよく合いますし、熟したカマンベールにカルヴァドスが合います。また、コンテというハードタイプのチーズに、vin de pailleという特別なワインを合わせると、とても面白いですよ。最後に、誰も知らない僕だけの組み合わせ。ロックフォールというアオカビのチーズに本来は蜂蜜や貴腐ワインを合わせますが、一度上等なウイスキーの年代物と合わせてみてください。大人の味がして、お互いがお互いの味を丸くしてくれます。
2004年05月16日
新しい料理を見つけるため、多くの文献を毎日のように開いています。そうすると、1950年代の料理の本に鳩とオマール海老の料理が書いてありました。一見、新しい試みの最近の料理に見えますが、50年前の料理にもこういう組み合わせをしていたのだと、改めてフランス料理の歴史に感動しました。そこで、新しいメニューにこの料理を載せました。鳩もオマール海老も高級食材ですので、お店では一番高い32ユーロ。日本円で4000円くらいでしょうか??この料理、試食として僕のオーナーに食べてもらうと、すばらしい料理だってすごく喜んでいました。これで、またひとつ、僕の得意料理が増えました。
2004年05月14日
オープン当初より日本から多くのお客様が僕の店まで来てくれました。そして、多くの方から聞いた感想は、僕の料理は今まで食べたフランス料理と違って、味はおいしいのに胃にもたれない、軽い料理といっていただけます。でも、ここだけの話、僕の料理はほかのレストランより味は重いというか、しっかりしているはずです。なぜなら、僕本人が休みを見つけてはレストランに食べに行っていますので、味の凝縮差はここらのレストランでは一番だと思っています。では、なぜ軽く感じるかというと簡単なこと。雑味がないのですね。丁寧にあくを取った子牛のだし汁は、部下に言わせるとすでにソースとして仕える代物。それを使ってのソースは、繊細であり濃厚でありながら切れのいいソース。僕が理想にしているソースが少しずつ現実になっているのですね。(2002年作成の本参照)後は、盛り付け。先日カメラマンの方に、僕の盛り付けは豪快なのにいやらしくない。と言われました。うれしいですね。盛り付けというのは、今の僕の心を写していると思います。今、僕に必要なことは、25歳という年齢から来る思いっきりのよさ。失敗なんか怖くない、お皿というキャンバスの上に思いっきり描くんだ。そんな気持ちで、盛り付けしています。それを、しっかり理解してくれたカメラマンさんは、僕にとってすばらしい方だと思います。最後に、僕の料理は軽いか、重いかということになりますが、本当のこと十人十色、みんないろいろな意見があっていいと思います。僕にとって大切なこと、それはレストランで楽しいひと時を過ごせ、また料理も心に残る一皿であること。そんなことを願って、毎日、作っています。
2004年05月10日
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