ココ の ブログ

タイトル変更(4)

タイトル変更(4)

 ラグドール種は3年ぐらいで大人の猫になるという。オスは大きく7kgぐらいになり、メスは5kgぐらいが限度だそうだ。だからココは5kgになって女盛りになった訳だ。隣家のモモは同じメスだが4kgぐらいしかない。最初は矢張り小さな仔猫のままで2年ほどして中猫になり、以後は少し太って女盛りになったが、ココが来た頃から下り坂になり、今では9年ぐらい経つから老婆猫になって少し痩せてスマートになった。ココと比較すると横綱と小結ぐらいの差がある。身体こそ違いがあるもののモモは気性が荒くよく余所で喧嘩をしては耳を怪我して帰ってくる。ココは見掛けは大きいが喧嘩には弱いようで怪我をする前に帰って来るのか怪我をしているのを見たことが無い。

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避妊手術後、傷口が癒着するまでエリザエス・カラーを付けさされたココ。

 その代り、野良猫が来たりするとココと共同戦線で追い払う。呉越同舟で共通の敵が来た時だけ仲が良い。その他の時は、モモが我が家の庭に来て日向ぼっこをしているとココが「邪魔だから、どけ」とばかりに睨む。力関係は最近でこそココの方が上になったが、来て2年ほどはモモの妹分のようについて廻っていたものだった。ココの為に庭に出しておいた屋根付き糞トレーもモモには珍しい物だったようで暫くそこで用を足していた。庭のそこら中にされるよりはマシだと了解してトレーの糞の後始末をしていたが、その内、ココが怒り出し、モモに使わせなくなった。矢張り縄張り意識が芽生えて来たのだろう。


 縄張り意識は、猫の場合は半径100m、つまり200m四方はテリトリーとして押さえるそうだ。住宅団地では4ブロック分ぐらいだ。道路を隔てて行くのは我が家や見慣れた家々が観える範囲内ということだろう。但し、隣同士に飼われている場合は共通の縄張りとなるから我が家が一番のテリトリーでその外が二番手のテリトリーとなる。二番手のテリトリーに野良猫が来ると追い返すが、一番手のテリトリーに極まれに野良猫か飼い猫が来るとギャーギャーと騒ぐ。家人が驚いて庭か玄関に出ると余所の猫が慌てて逃げて行くのが観えるとことがある。

PATIOのMOMO
隣家のアメリカン・ショートヘア種のモモ(自分の庭先のように想っている)。

 「追い返してやったぞ」とばかりにココは得意満面の表情で見張っている。まるで獲物を捕って自慢するようなポーズである。案外、喧嘩に強いのかも知れないが、実際に取っ組み合いの喧嘩をしているのを見たことが無いから分らない。モモのように耳に怪我をしている訳ではない処を観ればどちらとも取れる。身びいきした処で仕方がないが怪我をされるよりはマシだ。子供時分に飼っていた三毛猫の「たま」は喧嘩が強く、誰にも負けたことが無かったが、ある時、後ろ脚の辺りを噛まれて大怪我をしたので動物医院に連れて行ったことがあった。数針縫ってもらったが、傷は直ぐに治ったものの気性はそのままだった。


 その後も矢張り喧嘩の声はよく聴こえた。京都の中京の民家の密集した処では飼い猫や野良猫が多く居て、テリトリーのかぶり合いだらけだから常に縄張り争いがあったのだろう。交尾期なぞ五月蝿くて、まるで赤ん坊が泣くような声が屋根から聞こえてくるのだった。ところが住宅団地ではあるが、この辺りは猫がそれほど多くなく五月蝿いぐらいの鳴き声は聞こえてこない。精々、向いの家や隣家のパピヨンやミニ・ダックスフントがキャンキャンと啼く程度だ。しかし、ココは犬嫌いで、そんな声に敏感に反応してフェンス越しに睨み返している。睨み返してはいるが、内心怖いのだろう。

PATIOのCOCO
パティオへおもむろにココがやって来た(大分肥っている)。

 直ぐ傍にまで来られれば、フェンスで守られていて安全なのに逃げて下屋の上に駆け上がる。そして見下ろしながら「悔しかったら此処までおいで」という風にからかっているように見返す。パピヨンは親しげに啼いているだけなのにココにとっては五月蝿いだけにしか聴こえないらしい。隣家の飼い主が散歩に連れて行けば余り啼かない筈なのに、庭に放し飼いにしているだけだからパピヨンは我が家に来たくて仕方がないのだろう。それをモモは、自分の家族(パピヨンとミニ・ダックスフントはモモの後に飼われ始めたから弟分の関係)になるのに、矢張り五月蝿さそうにココとの中間点で眺めているだけなのだ。


 モモも「ほんとに、お行儀の悪い弟達だこと」と五月蝿く想っているのだろう。生まれた時から一緒に育った中だったら種類の違う者同士でも兄弟のようになるものだが、モモが大人になってから来た犬達はモモを親のように想っているのかも知れない。小柄なお母さんである。しかし、モモも避妊手術をしているので女らしさに欠けるだろうからココと同じように冷静に彼等を異種動物として眺めているとも考えられる。ココが我々と同じ人間と想っているのと同じく彼等もモモと同じ自分達を猫と想っていても不思議はない。ましてココは、モモのように家の外で飼われているのと違って自分の部屋を持ち、たまにはボクのベッドで寝るから完全に人間と想いこんでいるだろう。

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最近では、モモと向かい合っても喧嘩しなくなって、お互い対峙しているだけだ。

 その証拠にボク達の食事時には食卓の下に待機して同じものを欲しがる。朝夕にはちゃんと餌をやっているにもかかわらず欲しがる。刺身なぞ大好物で焼き魚は二番目に好きな食べ物である。洋猫のくせに和食が好物なのだ。が、洋猫の特性なのかチーズやマーガリンも大好きなのだ。ハムもそうだ。要するに雑食なのだが、新鮮なものが好きと来ているから贅沢な猫なのだ。我々が食べているものは全部美味しいものだと想っているようだから、朝、ボクがバゲットにハムとチーズとレタスをサンドイッチしたのを食べていると矢張り欲しがる。だからボクは口に含んだのを少し出して手のひらにのせて与えると実に美味しそうに食べるのだ。(つづく)



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