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グーグル・アース(2)



グーグル・アース(2)

 来月から始まる新しいリノベーション工事の打ち合わせで役所の工事担当者を交え建設業者と会うことになった。公共工事だから工事期間は長い。民間の工事なら6ヶ月もあれば終えるような工事なのに8ヶ月もある。事務所の若いスタッフが昨年の秋から暮れにかけて設計打ち合わせをした物件で、主に民間工事の設計監理をしているボクはノータッチだったから図面で内容を知っている程度だ。役所の仕事では昨年の小学校の工事以来である。ボクにとって初めての役所なので車で行くルートをグーグル・アースで確認した。未だ中に入ったことがなく、記憶にはあるのだが、事前に調べておかないと所要時間がつかめないからだ。

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グーグル・アースで先ず全体のマップから目的地の見当をつける。

 何時もの事ながら、日本の道は狭いと想う。だから幹線道路は何時も混んでいる。近隣の役所だから電車で行くよりも車の方が早いのだが、幹線道路だと遠回りになる。マップで見れば直線距離にして半分の距離だ。そこで近道を探す訳だが、初めての道である。殆どの主要な道は知っているが、細かい処は未だ通った事もない。古い町並み程道は狭い。関西は歴史の街が多いから、それだけに狭い道が多い訳だ。古い街ほど新しい道路を敷設するのが大変なのだ。金では解決しない問題が多く、先祖代々引き継いで来た家や土地は、愛着もあるだろうし一個人の決断では何ともできない諸問題が多すぎる。余程の大工事でもない限り、立ちのきの段階の話まで行かない事が多い。

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橋を渡った古い町並みの道は、狭くて車一台がやっと通れるぐらいだ。

 まして単なる道の拡幅なぞ家が小さくなるから同意は得にくい。いっそのこと田園や山林に新しい道を設けた方が早く解決するのだ。しかし、日本には分散した村落があちこちに点在し、それが街化して行き地方の都市が出来て行った背景があり、特に関西は原野が少ないから、山と山との間に歴史ある町並みがある事になる。それだけに道も古く狭いのが特色だ。狭くて古い道を整備し拡幅しながら今日まで来ているのが当たり前になっている。ところが、役所の周りだけは道が広く整備されている。が、一寸外れるともう幹線道路は遠回りになってしまう。直線距離にすれば直ぐなのに、迂回しないと行けない事例は山ほどある。徒歩なら直線コースで行けても、30kmもあれば歩いて行く訳にも行かない。

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マップの要所毎にストリート・ビューを観る。この橋は初めて渡ることになる。

 国道や電車なら当然ながら都心部へ出てからV字型に戻る形になる。今回の場合、ボクの住む地方都市と目的地の地方都市とは県が違うだけに国道も電車も夫々大都市に向かって走っているから、それを直交しながら行く形となる。たまたま高速道路がお互いの都市を通過していてインターチェンジ(I.C.)ひとつ分だ。急ぎの場合はそれを使うとして、通常の場合は下道で充分だ。だからI.C.横の側道をつき当たりまで行けば川に当たるから、その川沿いに最初の橋まで行き、渡ってから古い町並みをゆっくり縫って行く。そうすれば、役所前の国道に出られる筈である。古い町並みは名前だけ知っているだけで行った事がない。平安時代から続く町並みだからどうせ道は狭いだろう。

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ストリート・ビューで町並みを観る。知らない場所が多い。

 グーグル・アースのストリート・ビューを観ても車一台がやっと通れる道のようだ。わざわざそんな狭い道を走らなくても良さそうなのに近道の直線距離に近いのだ。ストリート・ビューをクリックしながら次第に進み、要所要所の風景を頭に叩き込んで行った。そしてようやく役所の前まで来た。それだと多分40分もあれば行けそうだ。役所は想っていたよりも大きな建物だった。その画面をメールで自分宛てに送った。その風景写真を保存しておけば何回も見られる。プリンターでコピーする程の事もないが、そういう有り触れた風景も、要所の風景はしっかりと覚えておく必要がある。一度行けばもう写真を観る必要もないが、それまでのマニュアルである。将来は、カーナビにも風景写真が出るだろう。

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目的の役所をストリート・ビューで観ると、想っていたよりも大きい建物だった。

 それは案外、知らないだけで、海外ではそういうカーナビがあるのかも知れない。グーグルはそう言う事を考えている筈だ。さて、実際に走ってみて、何とその風景通りに行けて時間は半分の20分で着いてしまった。会議は二時間ほどで終えた。帰り道は同じ処を戻ればいい訳だ。が、役所前の国道から脇道の古い町並みに入ると、途中から行き止まりになっていた。考えてみれば細い道だから当然のことだった。亦、国道まで出て、更に古い町並みの端まで行って遠回りで川に出た。それ以降は元来た道の逆走で良かった。途中で10分ほどロスったが、スムーズに帰宅できた。「行きは良い良い、帰りは恐い」でもないが、一寸したトラブルだけで、次回からは問題なく行けそうだ。便利な時代になったものである。

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