ココ の ブログ

危機管理(2)

危機管理(2)

 早いもので東北関東大震災が起きて一週間が過ぎ、その間の被災地の惨事に大勢の人々が避難移動した。更なる地震と津波の心配は通り過ぎたが、福島原発の惨事は一向に回復せず、何とか放水で冷やして放射線洩れを止めている段階である。アメリカと韓国は福島原発から半径80km圏内からの自国民の避難勧告をした。つまり日本政府の半径30km圏内避難勧告を信用していないという事である。中には自国民の安全救出の為に自国のチャーター飛行機を成田や羽田に出向かせ運び出している国もある。福島原発から東京まで250kmあるから東京は未だ安心していられるのに人々は疑心暗鬼になっている。それは日本政府が嘘報道ばかりし被災者の事を親身に考えていない態度に呆れ心配ているからだ。

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 正確な現状情報を流さず「大丈夫」とか「健康被害にまでは至っていない」とか「計画停電に協力を」と言うばかりでは東北地方は勿論の事、関東の人々は今をどの様にして乗り切れば良いのか分からず取りあえずは、スパーやコンビニ、ホーム・センターで非常時の物を買いだめようとする。だから直ぐに売り切れてしまう。関西のボクの住む町でさえも昨日、スーパーやホーム・センターへ行くと既に水は売り切れて無くなっていた。自宅に備蓄している水の賞味期限が迫っているので取り替えようと軽い気持ちで行ったのだった。「次は何時入荷するか分からない」と言われ、一週間近くのんびり構えていたのを妻と顔を見合わせ苦笑してしまう始末だ。こんな遠い関西でも人々は神経質になっているのである。

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 当然ながらボクは非常事態の今、ブログでパニックを煽っている訳ではない。正確な基礎知識でテレビを観、それから得られる情報を不伝達な処へ伝える事で正常な判断をしてもらいたい為に書いているのだ。情報を隠ぺいしたり加工して伝える事の危険性は、これまで幾度も観たり体験しているから人々は直感と嗅覚で「騙されないぞ」と身構えているのだ。尤も、正確な情報は時としてパニックに成る場合がある。それは知識不足であったり無知であるが為に起きる現象だ。しかし、人々は殆どが専門知識には無知なものである。それは当たり前の事で恥じる事では無い。が、常識程度の知識は欲しい。しかし、常識も時として間違っている事がある。だから、冷静に色々な事象を繋ぎ合わせれば真実が観えて来る。

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 真実が観えなくとも様々な疑問が生じるだろう。その疑問に応えるのが政府なり報道機関である。それなのに「お前たちは素人なのだから我々の言う事を聴いて居れば良いのだ」という驕りと差別意識は独裁政治である。強権国家である。民主国家と謳いながら国民をコントロールしようとしているのである。共産国ならそれが当たり前でも日本では許されない。馬鹿な政府でもそれぐらいの理屈は分かるから更に陰険に巧妙に誤魔化そうとする。所謂、戦前の大本営発表と同じである。その事から今回の計画停電について、いきなり震災翌日の3月12日に、未だ福島原発の被害状況が公表されない内に首相からTV発表があり、それを観て日本は戦前の状態に戻りつつあると想った。事実を握りつぶそうとしているのだ。

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 政府は電力・交通網・船舶・通信などの担当閣僚と官僚からの報告を受け、原発の連続爆発前に方針を決めてしまっていたのだ。理屈では原発が地震で自動停止すれば安全と想うのが常識だ。しかし、原子炉の外の周辺機器(冷却装置、電気回路、使用済核燃料プール)が地震と津波で壊れて機能しなくなっているとすれば、その先に来るものは馬鹿でも分かる。特に理工系出身の首相には分かる筈だ。国民へのポーズとして現地へ飛び、上空からヘリコプターでチラリと原発外観を観て、放射線測定器の反応音を耳にした途端「こりゃ駄目だ!」と他の被災地視察なぞそっちのけで急きょ東京に戻った。官邸に戻った顔は流石に驚き引きしまり総毛だっていた。そして先述のように短絡的に計画停電を発表してしまったのだ。

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 東京電力は急に計画停電を指示されてオロオロするばかりだった。先ず手順を踏まないと企業も国民も唐突な政府発表に驚くばかりである。細川内閣が真夜中に突然、消費税(福祉税)の増税発表をしたのと同じやり方である。政府発表は嘘、実情は隠す、それが大本営発表だった。そしてアメリカの悲惨な原爆投下が起きてしまった。結果は世界史に残る悲劇となった。今回の原発事故の処置が後手後手に回るのは事実を隠そうとするからで前向きな対処法が見付からないからだ。現場で働く人々も人間だから放射能は怖い。国家に命まで捧げる気慨のあるのは自衛隊員と現場に残っている関連企業の50人だけかも知れない。「日本は原発事故の解決方法を持っていない」と外国報道に言われても政府は返す言葉がない。急きょ政府の顧問補佐官になった学者も実践の対処方法を知らない。(つづく)

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