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危機管理(3)

危機管理(3)

 そもそも危機管理とは誰の為のものか。考える迄もなく国民の為である事は誰も否定できないだろう。しかし、勘違いする人々も多い。例えば、政府関係者は国民の代表と考えているから自分達の考える事が即国民の為と想いこんでしまう。ところが政権をやっとの想いで取ったのだから自分達の想い通りの事をやる事が国民の為だと勘違いしてしまうのだ。勿論総てが間違っているとは言わないが、偏った考えではもう一方の偏っていない方の考えからは遊離してしまう。仮に分かっていても正そうとはしない。何故なら政敵の言う事なぞ聴けば腰砕け内閣と言われてしまうからだ。それがやがて国民の真を得られなくなってしまうかも知れないという心配もある。支持率が落ちても意地になってでも押し通そうとする。

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 泥船内閣と揶揄されようがコントロール不能内閣と呼ばれようが現実に政権を握っている以上は権力を行使する事が出来る。間違った方法であっても結果オーライともなれば国民は支持してくれるだろうという淡い期待がある。だから今回の避難指示範囲を事故原発から半径20km圏内として置きながら自衛隊、警察、保安院の現地駐屯場を半径50kmの処に置くというのは矛盾する。仮に半径30km圏内から半径20km圏内を差し引いた輪状の処を注意区域として自宅待機させるのであれば、矢張り其処に自衛隊、警察、保安院等も置くのが筋だ。それをわざわざ20kmも後方に置くのは半径50km圏内が危険区域にあるのが分かっているからだ。その中に居る国民なぞどうでも良いのである。

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 だから外国(アメリカ、韓国)は半径80km圏内に居る自国民は退去せよと言っているのである。遠ければ遠い程、放射線は弱くなるからだ。放射線は電気照明と同じく離れれば離れるほど弱くなる。距離の二乗に反比例するという原理になっているからだ。半径20kmから半径40kmに移れば距離が倍になるから放射線は距離の倍の二乗で四分の一にまで落ちる。半径50kmになれば2.5倍だから六分の一にまで落ちる事になる。仮に半径20kmの処で1マイクロシーベルトとすれば、半径50kmでは0.16マイクロシーベルトとなり健診のCTスキャン程度まで落ちる。その程度なら放射線被曝も程度が知れていると政府は判断したのだろう。政府は一般国民よりも官の方が大事なのだ。

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 半径80kmではどうだろう。先の数値で比較すれば半径20kmで1マイクロシーベルトとすれば四倍の距離だから十六分の一となり0.06マイクロシーベルトとなり定期健診のレントゲン写真撮影を数回分撮った程度で人体への影響は少ない。その程度なら許されると判断したのだ。日本と外国とでは許容範囲が10倍ほど違う。つまり、日本人は政府から十分の一程度の命の評価しかされていない事になる訳だ。実に腹が立ってくる。ボクなんか定期健診のレントゲン撮影も嫌で、30年以上も毎回拒否している位だ。ところが妻は7年前の乳がんの手術でCTスキャンやペット撮影を何回も受けたから相当量の放射線被爆者になってしまった。免疫力も落ち、身体がだるくなったというのも分かる。

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 まあ、こんな内閣では避難は国民が自主的に考えるしか無いようだから、せめて気休めでも遠くへ避難した方が良いが、出来る人と出来ない人とに分かれる。半径80km圏内の危険区域に留まる人は覚悟しなければならない。東北地方に生まれ育ったのが宿命と諦めるか、否、絶対に生き抜いてやるという人は相当な覚悟で脱出する事だ。パニックになりかけている東京は福島原発から300kmほど離れ、二百二十五分の一になるから現在のところ0.004マイクロシーベルト程度になる理屈で、多くても0.01マイクロシーベルト程度だそうだから、そう心配したものでも無いようだ。ボクは20年前、東京へ単身赴任をしていたが、その頃はそういう心配はしなかった。単に運が良かっただけの事で、想えば恐ろしい。

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 それでもボクのような神経質な人間は、一旦知ってしまえば絶対そういう処には住めないだろう。無知な医者は「あんた、そう言うけれど、テレビを観ていても放射能は浴びるるんだヨ」と馬鹿な事を言う。テレビの放射線なぞほんの微量だから問題にもならないのに、そう言って脅かす。インテリと言われる医者でさえその程度なのだから、政府機関の素人なぞ推して知るべしである。国民はもっと疑いの目と常識をもって、流言飛語にも惑わされない為にも危機管理が誰の為にあるのか考えるべきである。政府要人と皇室の為に危機管理があるとするなら、国民は形を変えた奴隷でしか無い。一体、何時から日本はこの様な変な国に成ったのだろうか。矢張り戦争に負け、アメリカナイズされたからだろうか。(つづく)

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